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27.やばい。面倒パターン続いてるよこれ

歩くところ、歩くところ、同じ風景。足元には少し歩きにくい土が広がり、大なり小なりの石が転がっている。膝の高さくらいまでの木々やその間を埋めるように木がたっている。

「この森に何しに来ると思う?」

メイリーンは一緒にきた二人の鎧に尋ねる。


「どういうことでしょうか?何か手掛かりがあったのですか?」何かあると思った部下は、おそらくメイリーンの視線の先を見る。おそらくというのはやはり顔がよく見えないからだ。ぎしし……と音を立てメイリーンより少しずれてみたというのはそういうことだろう。しかし、やはりあるのは草木、あと土と石。たまにキノコ。


「真っ暗だし、道があるわけでもない。地元の道ですら帰り道すらよくわからない。この森、ふもとの入り口まで街からちょっと距離あっただろう。街灯少ないし危なくないか?ましてや人がいなくなるといった状況下で何しに入るんだと思う?」



「確かに……山菜?」ふむ……と考えこんだのはもう一人の鎧。全く敬語を使わない。どうやら敬うという概念を母親の腹の中に置いてきたらしいが、話やすくて気さくな鎧だ。間違えた、人だ。もはやどっちでもいいか。


「いなくなった人を探しにきた人間はいるでしょうね」もう一人は先ほど質問に答えたくれたちゃんと敬語を使える鎧。真面目な性格で、この2人の鎧達は幼なじみらしい。


「あとは……財宝とか……人知れず恋の待ち合わせ?」



「あげれはいろいろあるのか」

「では、迷いやすい森ときいて、帰り道のために私たちのような武器を全く持ってない人間はどうすると思う?」

さらにメイリーンは続けて質問した。



「石を落としていく!とか」


「ばっか、そんなのこの辺にごろごろあるだろ、落とすならちぎったパンだろ!」


「お前こそ、童話の読みすぎか、草を結ぶとかの方が現実的か?」


「つまり、何にしろ目印を残すという事だろうか。それでは何故誰1人として目印を残していないのだろう。迷うとわかっていれば、ひとりくらい慎重な人間は目印を残しそうだが」

うーむ。山菜探しはまだしも、人探しや恋の待ち合わせをする場合は迷わないように目印をつけてもいい気がする。

財宝など他人に見つけられたくなければ跡を消すこともあるかもしれない。

もしくは消されたか。


「隊長っ!じゃなかった。えっと隊長のことなんて呼べばいんだろうな?」


「いや?今は殿下がいないから隊長でいいのではないか?」


「ともかく、なんか聞こえないか?」



え?と思い耳をすませる

「ーーー!!!!」

確かに叫び声が聞こえる。


「こっちからだ!」

声を頼りに鎧3人が駆ける。

1人は剣を既に抜いている。気のはやい奴だ。

こんな薄暗い森で鎧3人組とか絶対お化けじゃん。今に森での人さらいは幽霊鎧の仕業だったとひろまるぞ。

なんてメイリーンは呑気なことを考えながなら声の主を探す。


「いた!」

「おい!君!」

山の中に1人の青年がいた。服装からして地元の人間だろう。

彼はこちらに気づくと

「うぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁ鎧おばけぇ!!!」

顔を真っ青にして叫ぶ。


ほらね。やっぱりお化けだよね。予測通り!

「出たなぁぁユリアを返せぇぇええぇ」

そして、錯乱しながら襲いかかってきた。





私に。




おっと、これは予想外。







「お前運のないやつだな。なんでよりによって隊長に襲いかかっちまうんだ?」

「しかし、流石隊長ですね。拳を手の平で、受けたあと。『君、素手で鎧なんか殴ったら手ケガするだろ』なんて困惑しながらいいつつ。自分は相手を一瞬にして取り押さえてますもんね」


「いや、二人とも呑気に話してないで、この男を冷静させるの手伝ってくれないか?」

拘束している青年はユリアを返せと永遠叫んでいる


「隊長がそいつの手話せばいんじゃね?」


なるほど。

拘束した手を話すと、青年も抵抗をやめた。

幽霊ではなく、例えこんな不気味な森で鎧に遭遇したとしても幽霊ではなく、山で起きる人さらいの件を解決にきた騎士だと説明すると彼も少し冷静になってきた。

「お前この森に何しに来たんだ?」


「ユリアを探しに来たんだ。3日前まではユリアといつもここで人知れず会っていたんだ。俺たちは誰にもいえないが恋仲でな……。いやそんなことは今はどうでもいんだが」


人知れず恋の待ち合わせ。ご名答であったな。


「それで3日前も、ここで待ち合わせしていたんだがユリアは来なかったんだ。3時間待っても来なくて、日が暮れる前に俺は一度家に帰った。その翌日ユリアの家族がユリアが帰ってこないと騒ぎだして……俺、ユリアはまだ森にいるんじゃないかと、どこかで怪我して戻ってこれないんじゃないかと、もしくは今噂になっている人さらいにあったんじゃないかと……ユリア……どこにいっちまったんだ」悲しそうに青年は項垂れる。まあ恋人がいなくなったら悲しいわな。私もシエル様がいなくなったら悲しいと思うもの。いや、今はそれどころではい。


「ふむ……ところで君たちはどうやって会っていたのだね?地元の民でも迷うときいていたが」


「俺は……花屋でな。森に咲く花でも今の時期は咲かねぇ花があるんだ。それをユリアと共有して今の時期に咲かない花が咲いている道を通って待ち合わせしてた」


「ロマンチックかよ。花屋ならではだな」

「というか四季ごとに植えてたのかよ」


「あぁ。ユリアに会うためならそのくらい手間じゃねぇよ……ユリアはそのくらい好きで……会う時間が毎回楽しくてな?」


「うわぁのろけだしたぞ」

「ほほそめやがって。男の赤面なんてみたくねぇんだよ」


「そいつはユリアさんが花を埋めることはないのか?」


「いや、見つけられないこともあるから、俺が埋めた花の近くにユリアはここまではわかったよ、といった合図に隣に埋めてくれるんだ。ユリアはかわいい面をもっててな。道がわからなくなると、拗ねて勝手に道を変えて埋めだんすだ。そんで待ち合わせに遅れているなと思うと、花が途中で2方向に別れていて、俺が埋めてない方にたどると、大抵膝を抱えて拗ねたユリアが俺をまっててくれてるんだ。遅いよ!なんていいながら、その怒った顔も……」


「これまたのろけられてるよな」

「そんな場合じゃないのにな」


「で?ユリアさんが最後に植えた花どこなんだ?」


「流石隊長!ばっさりだぜ!」

「流石隊長!ばっさりですね!」


「あぁえっとこっちだ」

青年ははっと現状を思い出したかのように不安そうな顔に戻す。

「ユリア……どうか無事でいてくれ……」


「大丈夫だよ。俺たちがお前んところに恋人を返してやんよ!生きた状態かはわっかんねーけどな!」

一人の鎧が、青年の肩を叩きながらおそらく輝かしばかりの笑顔をむけた。まぁおそらくだが。理由は言わずものがな鎧で……。


って、おぃぃーー!鎧でブラックジョークは超不吉ーーー!!!空気読めよー!!みてあの青年、顔真っ青だよ!青年だけに、すごい青だよー!!


とも言えるわけもなくを脳内ツッコミをいれていると


「ばかお前空気読め!こういう時は励ますんだよ!みてろ!おい、死んでたら死んでたできれいな花を存分に添えてやろうぜ!!花屋の見せ所だぜ!」


うぉぉぉぉぉ私の部下アホとあんぽんたんしかいねー!!!

あぁぁぁぁ……青年も泣き崩れてしまった!


「うぅ……ユリアすまない、俺のせいでぇぇぇ」

あぁぁぁばかぁー。私の部下ばかぁー!!!


「あれ?あいつどうしたんだ?」

「なんか泣き崩れちまったな?」


「いや、どんだけ無神経なんだ。ちょっとかわいそうではないか?例え生死が定かではなくても、それをあえて言うんじゃない。ここであの青年に泣かれ続けたら困るだろ。さっさと探しに行きたいのに、泣いてたら使いものにならんし、かといってこんな危険な森にほっとくわけにもいかない」


「隊長が一番ひどくね?」

「みて下さいよ。あいつ今の言葉きいてさらに泣いちゃいましたよ」

うぉぉぉぉぉ悪循環を辿る一方だ……。



本当にどうしたものか、、せめて花を最後に植えてある場所だけでも教えてくれないかなぁ…。

メイリーンが迷っていると



「これは一体何が起きているのでしょうか」





聞き覚えのある声が後ろからする。その声は耳に心地よく響き、胸の鼓動を高鳴らせる。


いつもならその胸の高鳴りに幸福感を覚えるが、いかんせん状況が状況なだけに、この高鳴りは警告であろう。その証拠に背筋に冷たいものを感じる。


メイリーンは恐る恐るふりむく。


そこにはやはり、彼が






シエルがいた。

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