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23.やばい。どピンチ。


楽しかった前話と違い、今回はどピンチである。


どのくらいのピンチさかと言うと、般若の顔をした姉が5時間くらい追い回してくるレベルのどピンチである。

基本、姉は怒ってても笑顔なので、般若というと相当だとご理解頂けるとありがたい。


帰ってきたのが5時。そこから5時間。もう私てきには寝る時間なので勘弁してほしい。可能であれば、お風呂に入ってベッドに潜って寝たいです。



ちなみに、何が起きたのかというと、前回、前々回をよんで頂けるとわかるが、二人行動でにこにこシエル様と護衛もつけず遊んでいたのがばれたのである。そして、道でない道を通ったため、ドレスは煤まるけで、所々生地が傷んでいる所もあった。

それを目ざとく姉はみつけどこで何を、何を、ナニをしていたの?と般若の顔でしつこく迫られれば此方も少々答えにくい。


というか兵士を展開してまで探したのは姉らしい。

そして、探されているとわかったのに帰って来なかったことにも激怒されている。


それに対して

「別に、シエル様1人くらい守れるもん」と、反抗したのも良くなかったらしい


「問題はそこじゃないのよ!危機感を持ちなさいよ!貴女は女の子なのよ!二人っきりって!二人っきりって!!!」

大事な事なのだろうか、姉は二人っきりを強調してくる。


「危機感くらい持ってたよ!二人とも無事じゃん。なんでそんなに怒るの!?」



「なんでなのは此方の台詞!なんで話が噛み合わないのよ!」

「私はあんたら二人の命の心配なんてしてないわよ!」


「えぇ!?なんでよ!そこはしてよ!」


「って、それもそこじゃないのよ!なんでそんなよくわからないところ拾うのよ。もぅいい。あんたに怒っても無駄!」

ガミガミと散々、なんで帰ってこなかったのか、何してたのかと怒られた後、怒っても無駄とは一体……?なんて思っていると姉の怒りの矛先がシエル様へ向く

「シエル様!貴方こそ、私が兵士を総動員させてまで探した理由わかってるわよね?変なことする前に返せって意思通じたわよね!?」


「全く通じなかったなぁ」

のんびりとしたシエル様の声が響く。


「嘘ばっかり!!メイリーン!」

「次は護衛をまかず、シエル様に何を言われても、されても、何がなんでも二人っきりにならずに帰ってきなさいよ!」

「いい?危ないのはそこの王子じゃなくて、貴女なんだからね?」

あれ?矛先こっちにすぐに戻ってきた!姉は一度怒りだすと永遠怒ってくるのに。シエル様すご!


「で、でも今回は私が帰りたくなくて、シエル様にわがまま言っちゃったの」


「はぁぁぁぁぁぁ!???」

「どこまでバカなの貴女。ほんとに私と同じ遺伝子継いでる??なんで自分から言うの?」


「えぇ?」

私は確かにアイリーナの妹だと思うけど……?

そりゃ似てないし、私も疑うことあるけど



「そうなのですよ。アイリーナ殿。貴女の妹は貴女に似てとても可愛らしい。僕が彼女の魅力に逆らえないのも無理はない。貴方の回りの男性は愛しいと思っている貴女の魅力に逆らえるのですか?そんな男性貴女は見たことないのでしょう?」

「僕はあの瞬間、あの瞳に見いられて、そして可愛く懇願されて、叶えないのは男ではないと思いました。誰でもあのように愛らしく頼まれては頷いてしまうのではないでしょうか?アイリーナ殿もそういう経験あるのでは?」



「……くっ」

「確かに、シエル様の言うこともわかるけども……メイリーンはめちゃくちゃかわいいけども」

「…………」

「あーもぅ!あーもぅ!!!あーもぅ!!!」

「勝手にして!」

「メイリーン!どんな目にあっても知らないわよ!」

すごくガミガミしたまま姉はその場を去っていった。最終的に何を怒られていたのかいまいちよくわからない。



「シエル様。ごめんなさい。お姉様が……」


「まぁ。彼女の気持ちもわかるからね。かわいい妹を守りたい気持ち」


「え?お姉様にそんな気持ちがあるのでしょうか??」

私は横暴で横柄で、権力握ってる姉しか見たことないけどなぁ。

まぁでも、そんな姉も守る対象かと言われたら当たり前にイエスだ。

彼女もそんな感じなのだろう。



怒られた理由はわからなかったが、心配された理由は少しわかった。

つまり、私の安否を直ぐに確認できなかったことを怒っているのだろう。

次は定期的に姿を表し、安否確認を兵士させれば雷が落ちずにすむかもしれない。

うん。そうしよう。


新たに決意を固めたメイリーンをみて、



「確かに、アイリーナ殿が少しかわいそうだ。彼女の苦労もわかる気がする」

本当にいい思い出になったなぁ。と笑う王子様がいた。


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