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運命の番の妹様は、溺愛されて幸せです!~今更、私が番だったと言われても困ります~  作者: 夕立悠理
二章

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決意

「アオリ様……?」

 案じる声に、思わず俯いていた顔を上げる。

 イーズの美しい緑の瞳は、他の誰でもない私を映していた。


「……イーズ」


 そうだ、ーーもう、すべては過去のこと。

 そして幸いにも私はこの場所、リーフデ国で居場所を作る機会を得た。この機会を活かせるかどうかは、私次第だ。


 過ぎたことをいつまでも握りしめるのは、疲れるし、何より時間がもったいない。

 私が生きるのは今なのだから。


「心配をさせてしまってごめんなさい。考え事をしていただけなの」


 イーズに微笑むと、ほっとしたようにイーズも微笑み返してくれた。

「ところでーー」

 ルカニア様の訪れを待つ間、イーズと他愛ない話をする。

 好きな花、感動した物語、得意な楽器……そのどの話も、姉と比較することも、すり替えることもなく、ただ私と話してくれた。


 ーー凍えた指先がじんわりと温かくなっていく。

 その熱は、当たり前に与えられるものではないものだと知っている。だからこそ、得られた今をなくさないように、私も変わらないと。



 改めて決意を固めていると、他の使用人がルカニア様の到着を教えてくれた。


「……お話してくれてありがとう、楽しかったわ」

「こちらこそ。アオリ様と好きなことをお話しできて嬉しいです」


 イーズに微笑んで、立ち上がる。

 もう、寒気は完全になくなっていた。



◇


「おはよう、アオリ嬢」

 ルカニア様が微笑む。

「はい、おはようございます。ルカニア様」

 私もルカニア様に微笑み返した。

「俺と一緒に来てもらえるか?」

「はい、もちろん」

 ルカニア様にエスコートされて、廊下を歩く。

 王城の中をルカニア様と歩いていても、探るような視線を感じない。それどころか、温かな視線が私たちに向けられていた。


「あの……」  

 思わずルカニア様を見上げる。

「どうした?」

「ルカニア様、ありがとうございます。私のこと、既にある程度説明してくださっているのですね」

「!」

 目を見開いた後、ルカニア様はゆっくりと瞬きをした。


「その通り……だけど、よく気づいたな」

「皆様の視線が、優しかったので」

 昨日は既に夕日が出る時間だったから、すれ違う人も少なかったけれど。

 なにせ、昨日の今日だけに。

 ルカニア様がエスコートする見知らぬ女……という扱いを受けても仕方がない気もする。

「そうか。あなたが嫌な思いをしていないのなら、甲斐があったな」

 柔らかく微笑んだルカニア様に胸が温かくなる。

「ありがとうございます。……ところで」

「ん?」

「私たちはどこに向かっているのでしょうか?」

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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