↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の番の妹様は、溺愛されて幸せです!~今更、私が番だったと言われても困ります~  作者: 夕立悠理
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/37

決断

 王太子ーーつまり、ルカニア様の婚約者になるということ!?

「……説明もろくにないまま、守り手となってしまって、戸惑っていると思う。それも、何も知らない男の婚約者などと」

 たしかに、私はルカニア様のことを何も知らない。でも、一番戸惑っているのは……、私のこの国での身分と能力だ。チェムターでは、姉のおかげで高位貴族にとりたてられたものの、生まれは貧乏男爵家だ。それに、姉に成り替わろうとした、と国外追放された今、チェムターでの貴族籍は抜かれていることだろう。


 そして、もう一つ。

 王太子の婚約者ということは、いずれ王妃になるということだ。チェムターでそれなりに礼儀作法やマナーは習ったとはいえ、果たして通用するだろうか?


 ……しかし。

 問題はたくさんだけど、私はシュバルツと契約してしまった。そうやすやすと契約解除ができるほど、簡単な契約だとも思えない。

 だったらーー。


「アオリ嬢……」

 考えて俯いた私を見上げる様にして、ルカニア様は言葉を紡ぐ。


「あなたを大切にする。あなたがいつか、この国に来てよかったと、あなたの居場所は俺の隣だとそう思える様に必ずする。だから、俺と婚約してもらえないだろうか? だが、もし……」


 ルカニア様は小さく微笑んで、言葉を続けた。

「もし、無理だというなら、契約を解除する方法はある。だから、あなたは、あなたの心のままに選んでくれていい」

「ーーえ」

 ……あるんだ、方法。

 てっきり、受け入れるしか選択肢がないかと思っていたので、びっくりする。


「その場合でも、あなたのこの国での生活は保証する」

 青銀の瞳を見つめ返す。その瞳には、嘘は一つも見受けられなかった。

「私は……」

 チェムターに私の居場所はない。それに、私はずっと、私になりたかった。

 そして、そのために卑屈になるだけじゃなくて、変わらなきゃとも思ってる。


 だからーー。


 緊張で私の指先は震えていた。当然だ、私の人生の中で最も大きな決断をしようとしているのだから。


「ルカニア様……私は、変わりたいのです」


 私の震え混じりの言葉にルカニア様がじっと耳を傾けてくれている。そのことに勇気をもらいながら、息を吸い込んだ。

「ただ、流されるまま生きるのではなく、私自身の意思で進みたい。たしかに、今回の契約は成り行きです」


 綺麗だと思って、シュバルツに触れた。

 その結果として、契約した。契約しようと思ってしたわけじゃない。でも……。


「でも、ここから先は、私が私の意思で決めることだから……選択の結果に責任を持つ必要がある。そのことを理解しています」

 私が今ここで断っても受け入れても。

 その選択をしたのは他ならぬ私だから。

 そして、私の心はもう決まっていた。


「ルカニア様」

 真っ直ぐに見つめる。穏やかな光を宿したその瞳をちっとも怖いとは思わなかった。


「そう望んでいただけるなら、……私は守り手になりたいです」

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

もしよろしければ、ブックマークや☆評価をいただけますと、今後の励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。