表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の番の妹様は、溺愛されて幸せです!~今更、私が番だったと言われても困ります~  作者: 夕立悠理


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/18

契約

 美しい青年の言葉に視線を横に向ける。

 先ほどと同じ、青銀色の瞳に銀の毛並みの獣が私を見つめていた。

「ダメだ、さっきは偶然狂わなかったかもしれないがーー!」

「……綺麗」


 青年の静止を振り切って、獣に近寄る。よく見ると、獣の額に不思議な模様が浮かんでいた。

 じっと模様を見つめていると、獣が頭を下げる。……まるで、私にその模様に触れてほしいとでもいうように。

「まっーー!」

 ーー額に触れた。

 その瞬間、青の光が視界を包む。

 まるで、大いなる海に包まれているみたいに心地がいい。


「…………」

 しばらく揺蕩う光に身を預けていると、青銀の瞳と目が合った。ゆっくりと光が消えていく。

『名前は?』

「え?」

 頭の中で声がする。幼い子供の様な声だ。

『僕は、シュバルツ。君は?』

 まさかーー目の前の獣が話しているの?

「私は……アオリ」

 一瞬、なんと名乗るか迷った。でも、国外追放された今、ウィルソン家からは除籍されているだろう。

 そうなれば、私はただのアオリだった。


『いい名前だね! アオリ!』

「……あ」

 名前を誰かに呼ばれるのは、いつぶりだろう。

 ずっと他の誰でもない、私になりたかった。私を見てくれる人に会いたかった。

 ぎゅっと胸の前で手を握る。

『どうしたの、アオリ? 大丈夫ーー?』

「大丈夫。……嬉しいの」

 もしかしたら、この子も姉のことを知れば、私はまた妹になってしまうのかも知れないけれど。それでもこの瞬間は、私はアオリだった。


「アオリ嬢!」

 心配そうなシュバルツに微笑んでいると青年が割り込んできた。

「本当の本当に狂っていないのか? 見たところ大丈夫そうだがーー」

 私の目を覗き込みながら、青年が首を傾げる。

『狂わせるわけないじゃん。僕の守り手だよ』

「……は? シュバルツ、冗談はよせ」

 守り手?

 シュバルツの守り手って何をするんだろう。それに、帝獣ってーー。

『冗談じゃないよ。僕、この子がいい。……というかもう契約しちゃった』

「シュバルツ! 同意も得ずに何をしてるんだ!!」

 怒る青年とは対照的に、シュバルツは飄々としている。


『だって、可愛いなーって思ったんだもん。僕、アオリに守り手になってほしい』

「可愛いのは確かだが! それでも同意を得て手順を踏んで契約するものだろう! それを、お前……」


 こんなに青年が怒ってるということは、かなり大変な契約なのだろうか。

「あの……契約って?」

 そもそも帝獣も何なのかわからないし、

 青年のことも何もわかっていない。なぜ、青年たちがこの森にいたのか、とか。魔の森の怪物は大丈夫なのか、とか。

 その他にも聞きたいこと、知りたいことがたくさんある。


「申し訳ない!」

 青年は、深く頭を下げた。

「当事者であるあなたを置き去りにしてしまった。何から話そうか……そうだ、まだ名乗っていなかったな。俺は、ルカニア・リーフデ」

 ……リーフデ。隣国の名前だ。

 この世界で国名が家名につくということが指し示すことはただ一つ。ーー目の前の人物は、隣国の王族ということだ。

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

もしよろしければ、ブックマークや☆評価をいただけますと、今後の励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ