供物の唐揚げ親子丼と料理スキル
13話をちょっとだけ修正して、亮哉のステータスはアイテムボックス内限定で確認できるということにしました。
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さて、荒ぶる真白を鎮めるにはなにがいいだろうか?
真白といえば卵が好き。
生肉を蛇状態で食べさせるっていうのもいいかもしれないけど、今日は料理にしてみよう。
竜卵のたまご焼きは残っているし、他の卵料理でメインを作るとして……。
親子丼かな?
卵は普通のでいいか。
竜卵は割ったら使い切らないとって思ってしまうので、また今度で。
鳥肉はコカトリスに担当してもらう。
ワイバーンでもよさそうだけど、より鶏肉に近いのはコカトリスだよな。
どっちにしても、それはもう親子丼ではなく他人丼……とか思ってしまうけど、それを言い出したら普通の親子丼だって他人だろって思うわけで。
深く考えるのはやめよう。
あっ。
そうだ、コカトリス肉を唐揚げにしてみよう。
なんか豪華っぽいしな。
よしよしそうしよう。
ジュージュー唐揚げを揚げてから、切った玉ねぎとか出汁とか醤油とかで作った割下に溶き卵を入れて半生ぐらいになったところで唐揚げ投入。
ちょっと味が染みただろうってぐらいでご飯に移して、はい完成。
……作ってみて思ったけど、使ってるのがちょっと違うカツ丼だよな。
しかし、素材が変われば味わいも変わるというもの。
美味しいからいいのだ。
姉の分とかもいくらか作っておいて、夕ご飯分を持ってアイテムボックスから出る。
「真白〜ご飯だよ〜」
まだ怒りが収まりきっていない真白は、僕がもったお盆から漂う匂いにピクンと震えた。
でも、むっつり顔は変わらず。
「……ましろは、まだ怒ってます!」
強情にそう言い切る。
「まぁまぁ、竜卵のたまご焼きと、コカトリス唐揚げ親子丼だよ」
「ぐぐ……騙されませんよ」
「騙してないよ〜。美味しいよ〜」
「ぐうっ!」
お腹の音を唸り声で誤魔化したな。
だが、僕は大人だ。
そんなことはあえて指摘しないぞ。
だが、真白はまだ耐えている。
ううん、強情だ。
とはいえ、この件だけはな〜いかんともできないわけで。
他になにか説得材料はないものか?
あ、そうだ。
「そういえば、六月に学校で文化祭があるんだけど」
「?」
いきなり話題が変わって、真白が「はへ?」って顔をした。
「堂城さんが連れて来たらって言ってたんだけど? 真白的にはどう?」
「行きます!」
一発で機嫌が治った。
「ふふふ! 誰が旦那様の妻か、皆にわからせてやります!」
「うん、まぁ……がんばって」
堂城さんは中学生ぐらいに見えるって言っていたけど、どうなんだろ?
僕にはやっぱり、真白は幼女……いいとこ小学校低学年ぐらいにしか見えないんだけどなぁ。
裏東京でのことが異常だったんだよな。
「よし、じゃあご飯にしよう」
「はい!」
今度の誘いには普通に乗ってくれて、僕たちは夕食にした。
唐揚げ親子丼、美味い。
「美味しいです!」
スプーンで頬張る真白も上機嫌だ。
そんな姿を見ていて、ふと疑問に思った。
そういえば、けっこう料理をしているよな?
鍛冶修行をしたら、【鍛冶】が手に入ったし、獲得手段はともかく、戦ったら【戦士】も成長した。
料理のスキルは手に入っていないのかな?
そう思って、食後にもう一度アイテムボックスに入った時にステータスを確認した。
あった。
【料理lv03】ってのがあった。
ついでに【戦士】もlv06ってなっていた。
この前の戦いで成長したんだろうな。
やっぱりあったかという気持ちでステータスを閉じ、そのままアイテムボックスの中で課題とかを終わらせる。
ここだと時間の経過がないから、家での時間を他に回せていいのだ。
テスト対策も気が済むまでできるしね。
「あっ」
鞄を漁っていて気が付いた。
ルーズリーフがもうないな。
このままだと明日、学校で足りなくなる。
通学途中にコンビニとかで買うか、学校の売店でもいいんだけど……。
思いついたし、時間もあるし、いまから買いに行くか。
「ちょっとコンビニに行くけど、真白はどうする?」
「行きます!」
アイテムボックスから出て真白を誘い、ついでに夜の散歩をすることにした。
シャツの胸ポケットに蛇になった真白を入れて、近くのコンビニまで歩く。
すでに夜で、この辺りは街灯が少ないので暗い。
光に誘われるようにコンビニを目指していると……それを見つけてしまった。
ワゴン車が、路肩に停まっていた。
ライトを消して、エンジンが付いたまま停車している。
窓にはスモークフィルムが貼られて覗けないようになっていて、なんとなく怪しい。
このまま進むとワゴン車の側を通ることになるのだけど、嫌な予感がしたので避ける方向で行こうと思っていたところで、ふらりと他の道から出てきた男がワゴン車に近づいた。
そのまま通り過ぎようとしたところで、後部のドアがスライドし、中から出て来た複数人にその男が棒のような物で殴られ、車内に引き摺り込まれる。
殴った男が車に入り切る前にワゴン車は走り出した。
「事件です!」
「……だね」
びっくりして立ち尽くす僕とは違って、真白はとても楽しそうに叫んだ。
「ヒーローの出番ですよ!」
だから、ヒーローになった覚えはないのよ。
あんなスーツは持っているけどね。
でもまぁ……やるか。
真白に期待されているからね。
それに、引き摺り込まれる前に襲われた男のことが見えたんだけど……あれってシキの運転手をしていたヤンキーだ。
ヤンキー同士の抗争?
いや、まぁ知り合いだからとりあえず助けないと。
判断はそれからでも遅くない。
そう考え、僕は走りながら変身した。
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