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僕の部屋がアイテムボックスになった件  作者: ぎあまん


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赤葉羽シキの●●●●探訪



 猛林勇子《もうりんゆうこ》はいじめ問題のビデオを担当クラスで見せた後、生徒指導室に尾羽亮哉を呼んで改めて事情を問うてみた。

 本来なら彼の机にいたずら……おそらく職員室にあった藁人形も……の犯人を呼び出すべきなのだが、そちらは見つかっていない。


「堂城さんと付き合っていると思われた?」

「はぁまぁ……そういうことで」


 尾羽から出てきたのはそんな言葉だった。

 堂城香澄。


 勇子の担当するクラスにいる女子であり、千館高校の出資者のお嬢さんでもある。

 そして……ちょっと怖いぐらいの美人でもある。

 超が付くぐらいの大和撫子的美人で、ただそこにいるだけで千館高校の男子(一部女子)たちから絶大な人気を勝ち得ている。

 その反動で、大半の女子から敵視もされているという話もあるのだが。


「え? 本当だったの?」


 転校生の赤葉羽シキが堂城のことを「尾羽の嫁」と呼んだ場面には勇子もいた。

 しかし、転校生の言うことだし、信じていなかった。

 ……のだけど。


「違いますよ」


 まさか本当に付き合っているのかと思ったが、尾羽はそれを否定した。


「ただ……」

「ただ?」

「ちょっと前に色々あって」

「色々あって?」

「堂城さんの……親族と婚約することになりまして」

「んなっ!」


 婚約⁉︎


「結果的に堂城さんとは義理の親族? ということになるようでして」

「そ、そう」

「シキ……赤葉羽とはGWの時にそっちの彼女と一緒にいるところを見られていまして」

「はぁへぇ……ふうん」


 尾羽亮哉。

 自己主張の少ない子だけど問題も起こさない子だし、姉の失踪の件で可哀想な子なのかなって思っていたのだけど……。


「勘違いされるくらいだから、きっと堂城さんに似ていたのね」

「……ええ、まぁ」


 いつの間にか勝ち組になってた。


 猛林勇子25歳。

 彼氏なし。

 結婚の予定、当然なし。


 教え子に先を越されるのか。

 勇子は心の中で涙を流した。






 モーちゃん先生、僕に婚約者ができたと聞いて驚いていたな。

 あれで、実は堂城さんは既婚者子持ちですって教えたらどうなるんだろう?

 卒倒するのかな?


 女心〜。


 鞄は持っていたのでそのまま下駄箱に行って靴に履き替える。

 今日は救急車が何回も学校に来てたけど、もしかしてこいつがなにかしてたのかな?

 まっ、していたとしても自業自得だから知らないけどさ。


 上履きにも真白が印をしてくれているし、今回は置いていくことにした。

 毎回持って帰るのは荷物だし。


「うん?」

「よう」


 靴を履き替えて出たところでシキが待っていた。


「なにしてんの?」

「お前を待ってたんだよ」


 シキにそんなことを言われ、僕は首を傾げた。


「なんで?」

「鬱憤溜まってるだろ? スッキリしに行こうぜ!」


 すごくいい顔で誘ってくるけど、これ絶対に変なところだよな。

 ていうか、パンクヤンキーに誘われるところってどこだ?


「ゲーセン?」

「は? なんでだよ?」

「あ、違うんだ」

「近くにいいところ見つけたんだよ。ほら、来いって」


 って言われて引っ張られていく。

 ううん。

 ここではっきり行かないって言わない辺りが、僕のダメな所かなと思いつつ付いて行く。


 いつも使う駅から反対方向に向かった時点でやめとけばよかった。

 まさか、二十分も歩くことになるとは。


「ここだ」


 そう言ってシキが立ち止まったのは山の麓にある住宅地の中……廃屋だ。

 玄関前と門壁の間にある狭い庭は雑草で埋もれているし、ポストに刺さったままのチラシなんかは湿気でくたびれている上に劣化で色褪せている。

 引き戸のガラスが砂埃で煤けていたりするし……うん、廃屋って判定は間違えていないはずだ。


「え? ここでなに?」

「なにって、お祓いに決まってるだろ」

「ううん、決まってないんだよなぁ」


 シキは当たり前のように敷地の中に入り、玄関の引き戸を引く。

 なんで開くかなぁ?

 中の廊下も埃が積もっていたので、靴は脱がない。

 シキは最初から脱ぐ気なんかなさそうだったけど。


「さあ、仏飛(ぶっと)ばそうぜ!」


 シキの手でお札が舞い上がり、それが瞬く間にあの六角棒に変化するのを見て僕はとりあえず「なにを?」と問うてみた。


「もちろん、悪霊どもだ!」


 シキはとてもいい笑顔だった。


「いや、僕って霊感ないから見えないんだけど?」

「は? なんでだよ?」


 なんでだよって言われても。


「見える時と見えない時があるみたいな?」

「ああ……使い方がちゃんとわかってないのか。ちっ、仕方ねぇな〜」


 シキの指がいきなり僕の額を突く。


「痛っ」


 実際には痛くないんだけど、こういう時って反射で言葉が出ちゃうよね。

 そのまま指で額を抑えられていると、視界の真ん中に四角い白が被さってきた。

 あ、これ……お札か?

 と思ったら、そのお札がいきなり火を吹いた。


「うわっ!」

「うはは、そういう反応か」


 って、シキが笑ってる。


「ちょっと誘導した。これで見えないか」


 髪が燃えてないかの方が気になっていると、シキがそんなことを言う。


「え?」


 と、シキの方を向いて……その向こうに黒い影がたくさんいるのを見てしまった。

 見えた〜。

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>「鬱憤溜まってるだろ? スッキリしに行こうぜ!」 >「近くにいいところ見つけたんだよ。ほら、来いって」 オチを付ける為の振りとして、エロい方向に誘導してるよね?
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