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僕の部屋がアイテムボックスになった件  作者: ぎあまん


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たこパ実食編



 たこ(邪神)焼きをおかわり分含めて二千個以上作った。

 買ったパックを全部使い切ったから、たぶん三百パック……三千個は焼いたことになる。


 なんでこんなに買ったんだろうって……百以上なら箱で買ってくれって言われたからだっけ?


 そのパックを使い切ったのは、竜卵が思った以上にデカくて、一個で十分だったからだ。

 傷まないとはいえ衣は残しておいても仕方がないので使い切りたかった。

 その結果の三千個だ。


 パックが足りてよかった。


 おかげでたこ焼きの技倆が上がった。

 最初のパックと最後のパックで出来が違うぞ、これ。


「姉ちゃん、できた」

「うっほほ、ご苦労。弟よ〜」


 呼びかけると嬉しそうな声が降ってくる。


「あ、そうだ」


 感想は後で聞くかと、と真白の分を持っていると、姉の声に止められた。


「これ、アキヤにだって」


 と、たこ焼きパックの上になにかが置かれた。

 小指の先ぐらいの球?


「真珠?」

「ミイラちゃんからアキヤへって」

「ミイラちゃん」


 それってもしかして、ミイラになっていた人魚のことか?


「アキヤのおかげでこっちの世界に戻れたから、お礼だって」

「これってなに?」


 と、摘んだところで変化が起きた。

 普段は見えないようになっている右手の指輪が現れて、真珠がそこに吸い込まれた。

 無骨な金属の指輪だったのに、その表面が真珠のような艶を帯びる。


「え?」

「へぇ、面白い。火と水の属性が合体した。夫婦が触媒になったわけね」

「火と水?」

「使いこなせたら面白いかもね。練習あるのみよ」


 練習……どこで?


 まぁ、それはまた後で考えよう。


「ありがとうって伝えておいて」

「ほ〜い」


 人魚のミイラは変なバイトの余録のようなものなのに、なんだか大きな反響が戻ってきたような気分だ。


 とにかくアイテムボックスを出た。


「晩御飯できたよ」

「やった〜!」


 というわけで、喜ぶ真白と一緒にたこ(邪神)焼きを食べた。

 僕のは最初に作ったの、真白のは最後の方のだ。

 ソースとかを塗りたくれば形の悪さはある程度誤魔化せるな。


「んっ!」


 ホカホカのたこ焼きをふうふうして齧った真白が目をカッと開く。


「美味しい!」


 そう言った瞬間、真白が大きくなった。

 誰だお前ぇって言いたくなるが、真白であることは間違いない。

 二度目だしね。

 前よりも大きくなっているかな?

 もしかしたら堂城さんと同じぐらいかも。

 並んだら双子に見えるかもしれない。


「なんですかこれ、一口に詰まる味の深みがすごいです。美味しいです」

「材料のおかげだね」


 真白はたぶん、自分が大きくなっていることに気付いてないみたいなので、僕も知らない振りをして食べる。

 いや、本当に美味しい。

 目とか口とかから光が飛び出たっておかしくないぐらいに美味しい。


「材料……なんなんですか?」

「……タコだよ」

「その反応、普通のタコじゃないじゃないですか!」

「うん、まぁ……」

「なんなんですか?」

「……邪神だって」

「……邪神?」

「うん。タコの邪神」

「はぁ……邪神って美味しいんですね」


 あ、けっこう普通に受け止めた。


「ちなみに、卵は竜だって」

「竜? ドラゴンですか⁉︎」

「うん……ああ、形は聞いてないけど、どっちだったんだろ?」


 西洋風?

 中華風?


「ドラゴンの卵も美味しいんですね。相乗効果ですね!」


 わかってたけど、引かないな。

 僕もすっかり慣れたから、食べるのに躊躇はないけどね。

 美味しいし。


「竜卵は余ったから、またなにか別の物も作ろう」

「楽しみです!」

「タコもまだまだたくさんあるから」


 卵はいろいろ使い道があるけど、タコ料理って素人ができるのは何があるだろ?

 タコ刺し、煮物、天ぷら、酢の物。

 う〜ん。

 まっ、地道に消費すればいっか。


「そういえば、なんかまた大きさが違って見えるんだけど?」

「え⁉︎」


 気付いてなかったみたいで真白がびっくりしている。


「もしかして、旦那様の見鬼が安定したのでは⁉︎」

「いや、真白が一口食べたところで変化したけど?」

「え〜」

「だから、変わったとしたら、真白の方?」

「でもでも、旦那様がましろのことを大きく見えているのでしたら!」


 ポンッ!


「あっ」

「?」

「戻った」

「なんでですかあ‼︎」


 真白ががっくりと項垂れる。


「邪な考えはダメよ?」

「夫婦の営みのどこが邪なんですかぁ⁉︎」

「う〜ん……法律?」

「異類婚姻譚に年齢なんて関係ないもん!」


 いや、そこは関係あると思うけど。


「まぁまぁ、おかわり持ってこようか?」

「食べます!」


 それはそれと顔をあげてしまう真白。

 やっぱりお子様だ。


「でも実際、食べるとすごく霊力をもらっている気もします」


 二パック目に突入してちょっと冷静になった真白が言う。

 お供の飲み物は炭酸飲料。

 グビグビ飲んだ真白は「けぷ」と息を吐いた。


「旦那様の霊力も間違いなく高まっているはずなんですけど? けど〜?」


 あ、これ諦めてなかった。

 う〜ん。


「でも、僕には真白が小さく見えるし」

「そこが謎です」

「そう言われても〜」


 まぁ、姉を持つ者誰もが抱く希望(偏見)。

「どうせなら妹がよかった」的な?

 そういう願望があるからとか、ちょっと思ったりもしないでもない?


 違うかな?


 ともあれ、しっかり準備としっかり休憩して英気も養ったし、明日には裏東京に再挑戦だ。

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