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僕の部屋がアイテムボックスになった件  作者: ぎあまん


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たこパ準備編



 夜になったぐらいで夕食を作るためにアイテムボックスに入る。

 ルームサービスを頼もうかと思ったけど、真白の言葉が本当かどうかを試す意味でも、異世界素材の食事をするべきだと思ったのだ。

 本当だったら、いまの僕にはそれが必要になるはずだ。


 というわけでアイテムボックスに入ると再び未整理の山ができている。


「なぜ?」

「おお、ちょうどいいところに!」

「姉ちゃん?」

「こいつをバラして!」


 そう言った瞬間、それが目の前に現れた。


 デロンと。


 いや、デロ〜〜(×たくさん)〜〜ンと、それは未整理の山を押し潰すようにして出現し続けている。


 デカい。

 デカすぎる。

 説明不要。


「いや、説明!」


 説明は要る。

 なんだこれ?

 グネグネした黒っぽい灰色の巨体。

 まだ出現……アイテムボックスに入り続けている。

 でかい。


 いつだったか市の港であった自衛隊のイベントで乗った戦艦……詳しい種類は覚えていないけど大きい船……よりも確実に大きい。

 まだ見たことないけど、豪華客船とかぐらいあるかもしれない。


 出現するそれに合わせて、アイテムボックス内の空間も広がっていく。

 僕が整理した棚が遠くに移動していく。

 改めて、この空間がおかしいことに気が付かされた。


 そして、まぁ……途中からなんとなくそれが何かを理解した。


 タコだ。


 タコだこれ。


 頭だけで市内の文化センターぐらいあって、そこに長いタコ足が加わって、ちょっともうよくわからないことになっている。


「ついにやってやったわ」


 と、声だけで姉がドヤっているのがわかる。


「なにこれ?」

「邪神よ」

「は?」


 なんでもないことのように、姉がとんでもない名前を言った。


「アキヤが前に持って帰った人魚のミイラがあるでしょ?」

「うん」

「あの子を嫁にしようとしていた邪神。こいつを倒さないと故郷に戻れないっていうから倒したのよ」


 なんでもないことのように言うなぁ。


「なんでもないわけないでしょ。大変だったわよ。準備のために天空都市にまで行ったんだし」


 天空都市?

 ああっ……て、ついさっき言ってた古代魔導帝国の遺産とかいう奴じゃないか、それ。

 時間の流れがわけわからない。

 これ、ある日突然姉がお婆さんになってたりしないだろうな?


「アキヤが持って帰ったエクトプラズマも役に立ったわよ。ありがとね〜」

「……どういたしまして」


 なにも言うまい。

 姉はもう異世界の住人なのだ。

 こっちの世界に住んでいる僕の感覚ではどうにもならない。

 でも、話を聞く限り、あっちの世界でもレアな人間になっていると思う。

 チート野郎ならぬチート女郎だ。


 とりあえず、こいつを解体するか。

 ……解体、できるか?


 なんか……一人で巨大建築物を解体しろって言われているような気さえしてくる。


 一度外に出てスマホでタコの捌き方を確認する。

 邪神の捌き方はないんだから、これを参考にするしかないんだけど……。

 まぁ、他の生き物もなんとなくでできたんだからやってみせるしかない。


 やるか。


①内臓と口を取り除く。

『タコの頭(胴体)の裏側に指を突っ込んで裏返す』


 指突っ込むとかいうレベルじゃ足りない。

 鍛冶修行で鍛えた身体能力を使って……いや、それだけじゃ足りなかったので変身して能力補助してから裏返した。


『頭と内臓が繋がっている筋を指でちぎり、内臓と墨袋をまとめて根本からはずす』


 指でできるはずもなく、アイテムボックスの中にある剣を使って切り離した。

 同じようにアイテムボックス内の綱とかを使って内臓と墨袋? を引き摺り出す。


『足の付け根の中心にあるカラストンビを指で押し出すように取り外します』


 だから指じゃ無理だって! とセルフツッコミしながら剣で切り離した。

 でかい。

 これだけで平屋の一軒家ぐらいありそう。


②塩揉み。

『タコにたっぷりの粗塩をふり、両手で強くもみ込む。表面の汚れや吸盤のゴミが落ち、ネズミ色の泡が出てきたら水で綺麗に洗い流す。ぬめりが取れるまで数回繰り返します』


「むりだ!」


 こいつの全身に振りかけるだけの粗塩なんてない!

 そんなの用意できるかぁ!

 僕の魂の叫びが通じたのか、姉は一度タコ(邪神)を引っ張り出し、それから戻した。

 綺麗になっていた。


 どうしたのかと聞くとミイラ人魚の里の人魚たちが総出でやってくれたそうだ。

 相当恨みを買っていたらしく、死体蹴り会場のようだったとか。


 まぁ、塩揉みが完了したならそれでいいか。


③部位ごとに切り分ける。


 後は一人でもなんとかなった。

 タコ足の水かき部分を切り離し、目を切り落としてから、頭と足を切り離す。

 それでも一個一個は相変わらず巨大なんだけど。


 これで、茹でたり刺身にしたりする前の状態になったのかな?


「できたけど、これどうするの?」

「もちろん決まってるわよ」

「なに?」

「たこパよ!」


 姉は自信満々に言った。


 え?


 たこパ?

 たこ焼きパーティってことか?


 外に行ってたこ焼き用の鉄板とか買ってこいと?


 いや……作るか。

 なんかそっちの方が手っ取り早いような気がしてくるあたり、僕も姉に影響されつつあるような気がする。

 ひっくり返すときの鉄串みたいなのもそのときに作ればいいや。

 小麦粉はなんとかなるか?


 あ、でも天かすとか紅生姜とか青のりとかは買いに行かないといけないな。

 結局、買い出しには行かないとダメか。


「姉ちゃん」

「なに?」

「卵はそっちで用意して」

「ぬあ!」

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― 新着の感想 ―
子ども目線だと自衛隊の灰色の船はみな戦艦ですよね 戦う船だもん
>自衛隊のイベントで乗った戦艦 戦艦はまずいですよ! しっかり卵用意しろって言う辺りだいぶん図太くなりましたね。
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