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僕の部屋がアイテムボックスになった件  作者: ぎあまん


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アイテムボックスと乾燥人魚



「ただいま〜」

「おかえり〜お疲れ〜?」


 僕のただいまに合わせて姉が追加してきた。

 高速フェリーを降りるとすぐに堂城さんのところの迎えが来て、僕と真白は団地に戻ってきた。

 で、荷物を解いてからここに入ってきたんだけど。


 なんか急に疲れが来た。

 なんだろう?

 安心感から来る疲れの自覚とかかな?


「なに〜なんで疲れてるの? 学校? いじめられた?」

「なんでそうなるのさ。いまはGWだよ」

「GW! あはは懐かしー。いまのお姉ちゃんは毎日が日曜日だけどね!」


 なんか、めっちゃ受けてるんだけど?


「羨ましい話だね」

「いや、それがそうでもないよ? 割と自分でやりたいことを探してないと一瞬で脳が死にそうになる。暇ってダメよね。余計なことしか考えないから。鬱とボケが一緒に来る感じ。人生のピンチ」

「マジトーンで返すのやめてくれないかな〜」

「それより、なに持ち込んできたの?」

「お土産」


 姉はすぐに僕が持って入ってきたものを感知した。

 そういえば今回はエクトプラズムは体に付いてないな?

 僕に付いているってことは真白や堂城さんにも付いているってことになるしね。

 できればない方がいい。

 ほら、帰りの船で、なんか正気を奪われそうな存在に追いかけられていたし。

 窓が窓がみたいなことにはなりたくないよね。


「お土産?」

「そう」


 そんなことを考えながら、手にしていた古びた白無垢と、その中に入っている人魚のミイラを出す。


「わお、人魚? ミイラ?」

「そう。手に入れたんだけど、姉ちゃんいる?」

「ううん、人魚の干物かぁ。水で戻せるかなって……」


 普通に食べる気なんだ。

 まぁ、オークとか普通に人型の魔物も食べているんだし、姉のいる世界はファンタジーなんだから人魚だっているか。

 なら、食べてもおかしくないのかも。


 と、思っていたんだけど。


「あれ? それって仮死状態じゃない?」

「え?」


 意外なことを言ってきた。

 しかもなんか調べている?


「そっかぁ仮死状態だとアイテムボックスに入るんだね。新発見だ。いや、新発見でもないかな? 菌類やウィルスなんかのちみっちゃい奴らも時間停止状態になるし、ならなんででかい生物は死んでないとダメなんだろ? 認識系の問題なのかな?」

「ごめん、その考察はまた今度にしてくれる?」

「あ、うん。そだねー」


 僕の言葉でさらっと自然に、現実に戻ってきてくれたけど……たぶん考えるのはやめてないだろうね。


「で、この人魚はまだ生きてるんだ?」

「そう。で、たぶん、その人魚、こっちの世界の生き物だね」


 さらなる事実を告げられて、思考停止になる。


「なんで? ファンタジー(そっち)の世界の生き物が地球(こっち)に?」

「そんなこと私も知らないよ。でもまぁ、人間でも魂の行き来はできるんだし、そっちとこっちを行き来する変な連中(ニャンゴト・サービス)もいるわけだし、人魚の一尾ぐらいそっちに紛れ込んでもおかしくないんじゃない?」

「ううんそうかも? あ、それならそっちの人魚も食べたら不老不死になったりするの?」

「へ? ならないよ」

「え? そうなの?」

「ああ、八百比丘尼的な話? なるほど、そいつが原因かもしれないってことかな? でも……うんん?」

「姉ちゃん?」

「ああ、うんわかったかも。その人魚『邪神の花嫁』って加護が付いてるね」

「邪神の花嫁?」

「邪神に見初められてそっちに逃げたのかな? ああ、それなら、その肉を食べたりしたら邪神の加護が移っちゃうかも? でもそれならみんな、最終的には邪神の一族になってそう」


 邪神の一族。

 それを聞いて、僕はなんとなく、あの洋館で再現された記憶の中で出会った魚人たちを思い出した。

 人魚の肉を食べた人たちは皆、最後には人々の前から姿を消した。

 それは死んだとかではなくて、魚人になってしまって人前に出られなくなったから?

 指輪をくれたフードの人は最後まで人間の姿のままだったはずだ。

 それは、一緒に逃げた人魚の肉を食べなかったから?

 それなら、どうしてあそこにいた魚人たちは、地下の祭壇で花嫁姿の人魚を殺そうとしていた?

 邪神に捧げる?

 あるいは、その肉を取って、また仲間を作ろうとしていた。


 気持ちの悪い推測が頭の中をぐるぐると巡る。


 そしてその間に……。


「邪神スレイヤーかぁ、悪くない称号よね」


 なぜか姉が闘志を燃やしていた。


「姉ちゃん?」

「その人魚の乾物を海に戻したら、その邪神は絶対に近づいてくるわよね?」

「ええと……たぶん?」


 そして、生きているなら乾物とか呼ばないであげて?

 なんか可哀想。


「邪神討伐かぁ。準備がいるよねぇ。やることがあるってテンションが上がるよね?」


 姉がなにかやる気に満ちている。


「なんかいいもの手に入れたね! アキヤ偉いぞ!」

「……ええと、それなら堂城さんを褒めてあげて? 喜ぶから」

「うん、褒めてつかわそう」

「……うんまぁ、伝えておくよ」


 ヤモリ堂城さん再びとかになるのかな?

 見たくないけど、色々と便宜を図ってくれているからちゃんと伝えないと。


 さて、姉は邪神討伐に向けての準備を始めた。

 僕もこれからやるためになにか準備しないといけないのかな?


 姉の遺体の一部の場所がわかったことだし。

 なにか、待ち受けているのかな?

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堂城さんのテンションぶち上がりそう(小並感)
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