26話
金曜土曜は夜の更新です。
「ダリアさんだったら最初に魔力さんの波に乗る感じ、リリムさんだったら最初に結界作って乗る感じ、かな。私のサポートを切ってやるとすると、最初が肝心だからなあ。あ、リリムさんは実際に結界作って乗るのはいいんだけど、そしたら即結界切ってそのまま浮かび続けられるようにしないとダメかもしれない」
結界に囲まれたままだと、破壊されたら落ちるし、融通も利かなさそうだし。
「音和さんはどうやって最初をやっているんですの?」
「私は全てイメージだよ。そもそも私は魔力を必要としないで能力が使えるからさ、あんまり参考にならないと思う。魔力さんを頼っているのは、その方がこの世界に馴染めるからだしね」
「そういえば、詳しくは、音和様の能力は何が出来るのか、を聞いてなかった、ですね」
私の能力かあ、老子さんには説明したような気がするけど。
「私のは世界への強制、世界を捻じ曲げる力。因果律を弄る、そんな力。私がこう成れと思ったのなら、そう成るように世界へ強制する。まあ、力自体は強いんだけど、使う私が上手く使えないから、そこまで万能じゃないけどね。本当はこんな能力は捨ててしまいたいくらい、呪いとも言える能力だよ、自由過ぎて不自由みたいな感じかな」
思ったように世界が動く能力なんて、誰しも欲しがるのかもしれないけれど、手に入れたら誰しも捨てたくなると思う。
なんでも出来るということは、なんにも出来ないのと同意だ。幸いなのは、私のイメージ力が完全じゃないから、まだまだ未完成でしかない能力といったところだろうか。
本来なら夢の中でしか使えなかったんだけど、この世界は夢と同じような異世界だから、この能力が使えてしまうんだよね、魔力無しでも。
まあ、悪夢を良い夢に無理やり変換出来る部分は良いものではある、のかな。
「それは、矢が必ず命中すると願ったらそうなる、ということですの?」
「それだと正確ではないかな。矢が相手に当たっているところをイメージすると、そのままその事象が起きる、って感じ。ただ、今日は結界に阻まれたように、万能ではないよ。イメージが正確でなければその事象より他が優先される。飛行とか転移とかで自分相手に能力を使うだけなら、失敗はほぼないけど、相手がいれば失敗するし、世界を相手にすると失敗率上がるね」
『矢が必ず相手に当たる』と『矢が全てを貫通し必ず相手に当たる』では後者の方が世界への干渉力が高いという感じだね。
「結構制約が多い感じですのね。それを含めて連携出来るようになると良いですわね」
「制約自体は慣れかなあ。私自身に使うのは慣れてるんだけど、それ以外ってあんまりやってないから、これから慣れるから安心して」
使い慣れてない能力ほど危険なものはないから、もうちょっと上手く使えるようにならないとなあ。積極的にゾーン入るようにして頭の回転早くしないとダメかな。
「結界ごと、相手を突き破れるん、ですか?」
「出来るよ。結界があることをちゃんと把握してればちゃんと調節できるから。ただ、こっちの防御の結界があったとしても突き破ることになるから、それだったら上手く連携出来るようになりたいところなのは変わらないかな」
『結界を突き破る』だと全部壊しちゃうからね。街のだって壊す可能性もあるという絶望感ですよ。やりたくないね。
「上手いタイミングで、結界を、消す練習が、必要です、ね」
「魔物相手に練習していきましょう。今日の戦法は基本の一つになりそうですからね」
「いや、私は遊撃じゃなかったっけ?」
先制攻撃はともかく、思いっきりとどめを刺す遊撃ってなんだ。場をかき乱すものじゃないのか。あれ、私が勘違いしている?
「三人しかいませんからね。どちらにせよ、リリムさんが防御と回復であることを考えると、とどめを刺すのはわたくしか音和さんになりますから、今日の戦法は充分良いものでしょう。リリムさんが相手の動きを止められるのは大きいですわね」
それは確かに。結界術の多様性を知った気がする。相手を閉じ込められるんだもんね。なんか、結界っていうとひたすら防御するタイプなイメージあったけどそんなことないんだね。
「今日のは、相手が遠かったので、結界も脆いものに、なってしまいましたけど、ね」
相手をその場に閉じ込めたのに、あれで脆いっていうんだから本来の力が気になるよね。
「この三人は、多様性が全員高いですから、連携もいろいろ組めると思いますわ。旅に出るのが楽しみですわね」
「ダリアさんがどういう戦い方するのかもまだまだ全然しらないから、私も楽しみにしてるね?」
老子さんの一番弟子の力を見るのほんと楽しみ。老子さんが作った傀儡と遊ぶの楽しかったからね。
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