ウロボロスの呪い
ちょっと今回はレイヤールさんが大変な目にあってます・・・
グロッツェルまではまだ一週間近くかかるらしい
それまでには何とか・・・しないと・・・
レイヤールはゲッソリした顔でトイレから出てきてレイメストが確認する「パパちゃんと卵潰した?」
「あぁ・・・毎回、気持ち悪いドラゴンとウロボロスの中間のような異形な奴が卵から出てきて最悪だ・・・こんなに気力が無くなったの初めて・・・」
エルローラがタオルを持ってきて「レイヤール・・・やっぱり変じゃない?昨日よりお腹だって膨らんでるし・・・それに卵の出る個数だってどんどん増えてる、これじゃ、まるで・・・」
ジャックが歩いてきて「エルローラの察しの通りレイヤールの体内に恐らくウロボロスの産卵器官のようなものが寄生しているに違いない」
レイヤールはゲッソリした顔で壁に寄りかかって「冗談だと言ってくれ・・・」
エルローラはジャックに治療法を相談する「ねぇジャックさん・・・治癒魔術も、返って裏目にでちゃいますよね?」
ジャックは頷いて「勿論だ、相手は魔力を欲してレイヤールから微量ではあるが、吸収している、それが続けば生まれる卵もレイヤールの遺伝子を受け継いで生まれてくる可能性だってある・・・それに治癒という事は体を活性化させる事と同義・・・つまり逆効果って事だ」
レイヤールはゲッソリしたまま「なぁ何とかならないのか?ウロボロスの子が沢山俺の周りに居るとかマジで勘弁・・・」
ジャックが悩んで「使うのも仕方ないか・・・」
エルローラが首をかしげて「何か手があるんですか?」
「あぁ、俺達の魚人族の薬で、使えばどんな奇病でも直る万能薬があるんだ、だがそれは数百年に一回作れる宝薬・・・」
エルローラが頭を下げて「お願いできないでしょうか・・・?」
ジャックが悩んで「行くのは構わねぇが・・・船を一時的にここで停泊させてもらって、数日待ってもらう事になる・・・それとエルローラから離れると俺は実体化を維持できないから・・・」
エルローラが生唾をゴクリと飲んで「ひ、引き受けます!レイヤールを助ける為ですもの!」
ジャックが頷いて「それじゃ決まりだな」
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船の方には数日停泊してもらう事を頼んだ
エルローラが頭を下げて、イカツイ髭のおじさん船長に頼み込む
「お願いします!」
船長は笑って「君達は私達の命を救ってくれた英雄だ!物資の方も余分に積み込んであるから非常食も使えば十分持つ、私達は待ってるしレイヤール君の事も私が預かろう心配せずとも行ってきなさい!」
「は、はい!ありがとうございます!」
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さて問題はここから
エルローラは客室に生唾をゴクリと飲み、意志を決めて入る
そうするとジャックの仲間達にこれでもかと用意された血液のビン
容量はレイヤールが飲んだ時と比べ3倍程はあり、1リットルぐらい一本ある
レイヤールは経験した事があるからこそゾッとしていて「ま、まさかエルローラ!?そんな量を!?」
エルローラが苦笑いしてレイヤールを見て「長距離移動だから魚人族の姿をかなり長い事維持しないと行けないから・・・この量なの・・・だ、大丈夫よ!た、助ける為ですもの!が、頑張ります!」
レイメストが応援する「ママ頑張れ~!」
そう、エルローラもレイヤールが行った同族化の儀式を行って、ジャックと行動するという事だ
レイメストが魔法陣の中に座り深呼吸して「よし・・・感覚神経を麻痺させるエンチャントを掛けて・・・味覚も麻痺させて・・・よしっ!!行きます!!」
エルローラがビンを持ってゴクゴク飲み始める
ジャックもその仲間達も『うぇ~・・・』という顔で見ている
一本、二本、三本、と次々飲んで行き、エルローラのお腹が明らかに膨らんで、水を飲み過ぎた時みたいに気持ち悪そうにしている
レイメストが応援し続ける「ママ、ファイト~!」
そして飲みきるとジャックたちはアイコンタクトしてエルローラに口合わせてで唾液を飲ませる
レイヤールとしてはキスされているようで少し複雑な気分で嫌そうな顔をして見守る
そして全ての儀式の過程を終え「ここに我らが同胞を迎え入れる・・・海を掛け巡る力・・・海を束ねる力・・・海を守る力・・・汝に与えたまえ!」
エルローラの体がバキバキと変って行き
白い鮫の獣人になる、エルローラの可愛らしい雰囲気は鮫の魚人になっても健在していて、細身の手足にヒレ、ジャックも顔を赤くして「ぎ、儀式は済んだんだ・・・は、早く行くぞ」
仲間達が「うっひょ~・・・人間で見ても可愛いと思えたけど同族になるともっと可愛く見えるなぁ~・・・」
その仲間の尾ヒレをレイヤールががっちりと掴み
ゴゴゴゴ・・・と魔力を滾らせて「貴様ら・・・もしエルローラに何かしたら・・・」
「わ、分かってますって!!」
ジャックが振り向いて「それじゃ、早々に俺達は行かせてもらうからな」
レイヤールが甲板に出て、白い鮫魚人になったエルローラを見て「必ず無事に戻って来いよ・・・最悪、薬とかいいからお前の身の安全が・・・」
エルローラは白い冷たい手でレイヤールの頬に触れて「大丈夫、それに私ちょっとワクワクしているの、水中に潜るの・・・これが初めてだから・・・」
レイヤールは少しだけ笑い「そうか・・・なら楽しんで来い!」
「うん!」
そうするとレイヤールはビクッ!と動いてお腹を押さえて「す、すまん・・・産気が・・・」
レイメストがレイヤールを引っ張って「はい、パパこっち行きましょうねー」
エルローラが海に飛び込んで海へと入る
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ジャックはエルローラを見て「こっちだ最初は慣れないだろうからゆっくり行く、慣れたら速度を出して行くぞ!」
「は、はい!」
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エルローラは泳ぎ始めて、海の味を知った
「綺麗!」
海面から降り注ぐ光り、そしてその光りによって映し出されるサンゴ礁・・・色鮮やかな熱帯海水魚達
ジャックはエルローラの様子を見て驚いた「エルローラ・・・海の精霊と契約しながら海を潜った事は無かったのか!?」
「えぇ!私は内陸に生まれた人間だから・・・」
ジャックが笑い「そしたら道中に素晴らしい所がある・・・来るか?」
エルローラは興味がありそうな顔をしたがレイヤールの事を考えて「でもレイヤールが・・・」
ジャックが笑い「別にそこからのルートで行くか、迷っていた所だからそちらでいいだろう」
レイヤールは頷いて「そうね!」ジャックの仲間達もついてエスコートしてくれる
エルローラは思った『まるで海のお姫様のような気分・・・』と・・・
――――――
一方レイヤール
「うごぉぉぉ・・・」レイヤールの悲痛な叫び
ボロボロと生まれる卵をレイメストか1つずつ魔法で燃やして処理する
レイメストが卵を見て呟く「パパ~・・・なんかレイメスト毎回処理してるからなのかな・・・卵の中身のお魚がどんどんパパ寄りの姿になってきたような・・・」
レイヤールが壁に寄りすがり産卵し続けて「ふ、不吉な事言わないで!いいから処理し続けて!う、ごォォォ・・・」
―――――――
エルローラはジャックに連れられて凄い場所に来た
「うわぁ~!素敵!!」
ジャックが連れてきた場所は丁度太陽が当らない岩場が多数ある場所で、真っ暗な岩礁の間にキラキラと青く光る、魚達、それが数百、数千と輝く事で、海の中に太陽の光りと海底に星屑が散りばめられているような幻想的な光景だった
ジャックがそれを見ながら「俺はこの光景を海底プラネットと呼んでいる・・・星空みたいだからな・・・」
エルローラが海底に進み、岩礁の上を踊るように泳ぎ
楽しそうにしている
ジャック達も「ゆっくり目に泳いでエルローラに合わせて、幸せそうにするエルローラを見守る
エルローラが意識を切り替えて「さてと・・・ジャックさん、十分私は海を堪能させてもらいました・・・レイヤールの為に行きましょう、私も泳ぎに慣れてきたのでできるだけ早く」
ジャックが頷いて「分かった、行くぞ!」
ジャックが水を蹴ると加速して進んでいく
船の数十倍の速度でエルローラは海を突き進む
『レイヤール・・・待ってて・・・必ず、必ず薬を持って帰るから』
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太陽が沈み完全に夜になった
レイヤールはようやく卵が収まりレイメストがレイヤールを見守る
「パパ・・・大変だろうなぁ・・・」レイメストが眠っているレイヤールの頬をなぞる
レイヤールは相変わらずゲッソリしていてレイメストがレイヤールのお腹を撫でる
「大きいお腹・・・」
サイズはもう妊婦と見間違う程の大きさになっている、レイメストが耳を当ててレイヤールのお腹の音を聞くと「ゴプン・・・ゴプン・・・」と音が聞こえ、触るとまだ卵がゴロゴロ入っているのが分かる
「パパ・・・頑張って耐えてね・・・」
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翌朝
レイメストが目覚めると「う、うん?なんか少しネバネバする・・・」
目を覚ますとレイヤールの足や尻尾が変異しているのか尾ビレが生えかかっている
「パパ!?だ、大丈夫!?」
レイヤールが相変わらずゲッソリした顔で頷いて「あぁ・・・朝起きたら・・・下半身がこうなってた・・・きっと体が変異し始めているんだ・・・」
レイメストがウワァ・・・という顔でレイヤールを見つめる
「そ、そんな目で見ないでよ・・・好きでこうなった訳じゃないんだから・・・」
レイメストが謝る「こ、ごめん・・・パパ、でも大丈夫なの?」
「何とかな・・・だが一週間は間違いなくもたないだろうな・・・それに・・・体内で卵が動いているのが分かる・・・ひょっとしたら進化して俺の体内で羽化して出るつもりなのかもしれない・・・腹もパンパンに膨れ上がってるし・・・」
レイメストが海を眺め『お願いママ・・・早く帰ってきて!』
そうレイメストが祈る
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エルローラはジャックとようやく目的地にたどり着いた
エルローラは眠くてフラフラだ
「つ、ついたの?」
ジャックが頷く「あぁ、ここが俺達の神殿・・・オーシャン・オアシスだ」
そしてジャックが奥の方へと進むと大きな貝が3つ程ある
ジャックが近づくて貝がバカァ!と開いてカラーボールぐらいのサイズの真珠がある
「これが俺達の宝薬だ・・・お1つ頂きます・・・海の神よ・・・」
ジャックが取り出し、エルローラに持たせる「さぁ、後は帰るぞ」
「はい!!」
急いでエルローラ達は船まで戻る
――――――
1日かかり船まで戻るが、レイヤールの状態は酷かった
エルローラが客室へと入るとパンパンにお腹が膨らんだレイヤールがぐったりとしていて
レイヤールの体はベトベトした粘膜のような物につつまれ、腹がボコボコ動いている
エルローラが真珠を持って「これが宝薬よ・・・」
レイヤールに飲み込ませるとレイヤールの腹がビクンッ!と動いて暴れはじめた
そしてレイヤールの腹から少しずつ卵が出てくる、しかし今回の卵はしっかりと生きていて、ドラゴンとウロボロスを混ぜたような魚竜が生まれてくる
ジャックがエルローラに「燃やせ!」
「う、うん!」
エルローラが一匹ずつ焼却していく
そしてレイヤールから出てきた稚魚の数は80匹以上
そして最後に元凶が出てきた、レイヤールの腹から卵では無く、ウロボロスに似た蛇のようにウネウネ動き回っている
ジャックが睨んで「コイツがレイヤールの体を変異させて我が物にしようとしていた奴か・・・!エルローラ、憎悪を込めて殺してやれ!」
「死になさいウロボロス!!イノセントファイヤー!!」
ブワッ!と燃え始め「ギギャァァァァ!!」と悲鳴を上げて死に絶えた
それからレイヤールの尻尾や足は元に戻って行き「一時はどうなるかと思ったぜ・・・本当にこのままウロボロスになっちまうじゃねぇかって心配だったぞ・・・」
そうするとエルローラがホッとして「良かっ・・・た・・・」
バタリと倒れレイヤールが焦って「お、おいエルローラ!!」
「ZZZzzz・・・」眠っている
ジャックがアクビして「確かに・・・寝ずに泳いでいたからな・・・さてと・・・お姫様が起きる前に俺達はこのレイヤールの息子の死骸だらけの部屋を掃除しますか!」
レイヤールが股を抑えて「息子とか言うなっ!!冗談でも聞こえ悪いぞ!!」
ジャックが笑い「ハハハ!さてと・・・掃除始めるか!」
ムラッとしたのならそれは私の同胞です(笑)
さていよいよ次回はグロッツェル!って言っても今日中投稿ですが・・・
別作品のグラッツェルとは全く違うので見間違えないでくださいね!




