ノーデッドヒューマン
今回文字数が最多です!
俺もてっきり危険な場所に飛ばされると思っていたので身を構えていた為拍子抜けする
そこにミランダが手を振り寄ってくる「皆!また会えたわね!」
リュウビがミランダと握手してお互い笑って挨拶を済ますと、リュウビがちらちらとレミウスを見て「それと・・・レイヤールに引っ付いてるお姫様も連れてるんやけど・・・大丈夫かいな?」
ミランダが溜息を吐いて「ハア・・・噂はこっちにも入ってるわ・・・アーベンヘルツでレイヤールがやらかしたんだって?」
俺が苦笑いすると俺が一番名前を呼ばれて嬉しい声が聞こえる
「レイヤール!」
白銀の髪のエルローラが元気よく笑顔で手を振ってくれている
「エルローラ!久しぶりだな!」俺が抱き着きに行くとエルローラが俺を抱っこした瞬間
ガクン!と予想外の重さだったらしく危うく俺を落とす所だった
「お、重っ!やっぱり成長したみたいだねー!角とか口辺りが大人っぽくなってる」
俺も戸惑い「そ、そうなのか?」思い当たる事と言えば・・・
きっと多分3度目の死を迎えたからです・・・
レミウスが歩いてエルローラをジーッと見てエルローラが困惑して「あ、あの・・・」
俺が紹介する「この人はアーベンヘルツって言うドラゴニューラ族と関わりがあるかもしれない国の3つある内の家系の一つユリコンティ家の姫さん、レミウス・ユリコンティだ、エルローラと同じでドラゴニューラ族の末裔で俺の言葉が理解できる人物だ」
エルローラは頭を下げて「ど、どうも!」
レミウスも頭を下げた後、頷いて「なるほどね・・・レイヤールの好みなタイプはこう・・・保護欲がそそられるような子って訳ね・・・」
エルローラが困惑して「あ、あの~・・・」
俺がレミウスをひっこめさせて「久々の再開を邪魔するなっての!」
「はいはい・・・分かりましたよ~・・・」
エルローラが俺を再び抱っこして「それでね、レイヤール。私が帝国に招待する事になった訳なんだけど・・・実は帝国である問題を片づけるのを手伝って欲しいんだって」
エルローラに抱きかかえられたまま顔を上げてエルローラを見て「帝国の問題?これだけのデカイ規模の国なのに解決できない問題が?」
エルローラが頷いて「うん・・・それがドラゴニューラ族の生き残りかもしれない集団なんですって・・・ドラゴンにまたがって戦う部族という報告が上がっているらしいの・・・」
「なんだって!?」
エルローラの声のトーンが低くなり「それで・・・帝国の兵士が3名死亡が確認されたんですって・・・生き残ったのは3人・・・」
「ドラゴンに乗ったドラゴニューラ族か・・・ミー派なのかスー派なのかにもよるな・・・」
エルローラは頷いて「だから、私達が調査するのは打倒だって・・・レイさんすごく反対してたけど・・・姫様の命令だからレイさんも口が足せないんですって・・・」
なるほどね・・・レイが嫌な思いしたのなら案の定だが、あの先を見据えるレイが嫌がるって理由が知りたいな・・・あいつは予知の天才だ、俺がアーベンヘルツへ赴く事も、捕まる事、全て予知されていた。そのあいつが嫌がるって程だから不気味だ。
あのレイでさえも嫌がるという事は何かがある。
俺はエルローラを見て置いて行きたかったが、今更そんな事聞きいれる訳もない
俺はリュウビを手招きして、何も考えてないレミウスに翻訳させて伝える
「リュウビ、レイの奴が嫌がるってレベルだから引き受けていいのか?俺は嫌な予感しかしない」
リュウビも頷いて「同感や、レイの奴がヤバイって言った時は必ずヤバクなるかいなミランダはんはどう思う?」
「私もね・・・あんまり乗り気じゃないわ・・・レイ本人も今回同行するって言うぐらいだし・・・私も嫌な予感しかしないわ・・・」
「姫様の命令は絶対なのか?たとえ1人軍隊の権限でも・・・」
リュウビが頷いて「帝国っちゅうのはそうゆうもんや、姫様が搾取したり、強制させるのは好きではない事はワイもよう知っとるんやけど・・・でもあの姫さんドラゴニューラ族・・・いやドラゴンに恨みみたいなもんがあると聞いた事があるかいな」
ミランダが溜息を吐いて「レイヤールの事も気に食わない所があるってレイから聞いた事もあるわ~・・・レイは姫様直属部隊みたいな扱いな所もあるから・・・」
エルローラがミランダにッエ!?という顔で見ていて「何よ?私は転移できるんだから、レイと酒場の席で一緒になる事になんてエルローラちゃんの修行中でもたっくさんあったわよ?」
そしてリュウビが街の北側にそびえたつお城を見て「お姫様はドラゴンが嫌いだからドラゴンに仕事させようって事なんだろうねぇ・・・」
そしてレイが走ってきた、しかも今まで見たことない程の重武装で
「いや~遅くなった!ごめんね~」
リュウビが腰に手を当てて仕方なさそうに笑い「レイはんの事だから遅刻するのは見え見えや、あえてレイはんの起きる時間に合わせてこっちが予定たてたからそんな待ってへんで」
レイが驚いて「ありゃ!?そうなの!?アララ~・・・じゃあもっちょっと寝てても良かったかな?ギャハハ!!」
ミランダが水晶を操作してレイの顔面を殴り「だから皆から舐められるのよ!」
「ギャハハハハ!!」
とてもじゃないが緊張している雰囲気じゃない・・・
エルローラがレイに近寄り「あ、あの今回はヤバイって話しが・・・」
レイが頷いて「あぁ、今回はヤバそうだ、だから俺もパーティー専用の衣装に着替えてきた、俺がマジだぜ、ってモードの鎧だ。それに今回は姫様の我がままフルコースのお付き合いだからね~・・・」
ミランダが思い出して「そういえばレイ、昨日なんか2つミッション与えられたから、って聞いたけどどうしたの?」
レイが頷いて「あぁ!例の山賊の事ね、ジャカーズの討伐はもう終わってるよ~?」
ミランダが驚愕して「ま、まさか1000人ほどの規模の本部をぶっ潰してその足でここまで来たの!?」
「そゆこと~」
こいつ言ってるスケールが・・・で、でもまぁいいやコイツ任せにできるなら俺はどうでも良い
レイが俺を見て来て「うん、なかなかいいんじゃない?」
「何がだよクソ野郎」
俺が言いかえすと言葉も理解してないクセに反してくる
「今回はお前は囮だ、相手のドラゴンにまたがっている男は、歴史の書物を一通り読んだ限りでは・・・お前のコピーに限りなく成功した人間らしいぜ、エルローラちゃん達は例の研究所を見てきたから、聞いた事ある計画名かもしれないけど・・・『ノーデットヒューマン計画』のプロトタイプ型が今回の敵になるかもしれない。それとドラゴン達ならもう既にこの大陸には居ないよ、先ほど観測船から報告があって北に北上してたって」
ミランダが驚愕して動揺し始める「ちょ、それ姫さんにちゃんと伝えたの!?帝国の領地にそんな危険な奴が入っているなんて!!」
レイは首を振り「そんな事言ったらどうなる・・・?帝国はまた鎖国して、ようやく物流が始まって豊かになって俺が暇し始めた頃だってのに・・・またあの時代に逆戻りだぜ?」
リュウビもミランダも下を向く
俺からしてみれば要は『サボりたい』って事にしか聞こえない
エルローラも下を向いて黙っている「・・・・・」
その時だった転移門が開いて「ママ~!!」と女の子が出てくる
尻尾と角と翼があり俺は困惑しているとエルローラが「レイメスト!!ちょ、大人しくしてなさいって言ったでしょ!」
「いやー!!ママと一緒がいい~!!」
俺が指を指して「あ、あの・・・この子は?」
俺はエルローラから事情を聞いて納得すると
レイが頷いて「この子もメンバーに加えようか・・・面白そうだし」
エルローラが怒って「反対です!レイメストはまだ子供なんです!」
レイが拍子抜けして「お前だって子供だろう」
エルローラは言葉が詰まる「うっ・・・」
ミランダが笑って「エルローラちゃん別にいいんじゃないかしら?レイメストも戦えない事はないわ、昨日目を覚ました後に庭で遊んでいたけど結構色んな魔法使えるみたいよ?」
「そうなんですか!?」
レイが頷いて「それじゃ・・・行こうか!」
あんまし乗る気がしねぇなぁ・・・
――――――
全員で歩いて森を進みながらリュウビがレイに聞く「レイはん、今回はどの辺りに向かうんや?」
レイは考えながら呟く「うーん・・・目撃情報がセルフィア村だから南!!」
リュウビがガックシ首を傾けて「おいおい・・・随分とアバウトやな・・・」
ミランダがクスクス笑って「リュウビは心配性ね!大丈夫よ!レイで行き先間違えた事はないでしょ?」
リュウビが頷いて「せやけどさぁ・・・」
俺とエルローラは青い顔してついて行っている
レミウスはキラキラした目で見ている
何故なら気楽に話ながら襲い掛かる魔獣を動き一つ変えず、まるでオートモードで戦って蹴散らしているように歩いて突き進んでいるからだ
バッタバッタ倒れている魔獣は意外と名が知れた強い魔獣だ
エルローラが杖を強く握り警戒しながら歩いて「やっぱりあの人達・・・」
俺も合わせて言う「人間じゃねぇ・・・」
そして歩き続ける事1時間、俺達が歩いた後は魔獣の死体がズラリと並んだ道ができている、どれだけ殺したんだよおい・・・
流石の魔獣も諦めたのか近づかなくなった
レイが背伸びして「よーし!休憩!」
そうするとエルローラの体から青いドラゴンが現れる
「うおっ!?なんだお前!?」
「いやだなぁ送竜様~僕はミゲル精霊とドラゴンのハーフだよ!」
エルローラが苦笑いして事情を話してくれる
俺も納得したが気になった・・・エルローラの竜化時の姿が
「エルローラがドラゴンになった時どんな感じだった?」
ミゲルが呟く「真っ白い可愛らしいドラゴンだったよ!」
俺がエルローラを見るとエルローラもプイッと顔を赤くして横を向く
ミランダが手を叩いて「ほら!イチャイチャしてないで行くわよ!」
べ、別にイチャイチャだなんて・・・
―――――――
そしてレイが先頭を歩いているとレイが突然警戒し始めて「全員警戒しろ・・・」ミランダが嬉しそうに水晶を掲げて「ようやくここの森の主が来たわねぇ~」
リュウビが拳で合掌して気合を入れて「よっしゃ!戦いたかったんや!」
森の奥から現れたのは巨大なクマ
「で、でかい!!」
大きさはビル3階建てほどあるだろうか・・・クマは激オコで俺達目がけて走ってくる
レイが嬉しそうに「ミランダ!バックアップ!!リュウビ!久々にアレやるぞ!」
レイが剣をリュウビに渡してリュウビが剣を持ち「魔気注入!!」
剣が赤色に輝きだしリュウビが剣を剣を投げてレイが受け取る
「おっしゃぁぁぁぁ!!ミランダ!!」
ミランダの水晶がこれでもかと光りを集めていて「それじゃいくわよ!バーニングシャイニングレーザー!!」
水晶から熱エネルギーが放出され、クマの周囲が焼野原になる、そしてクマが怯んだ瞬間レイがジャンプしてクマの頭に目掛けて「グラビティブレイク!」
クマの頭に剣を叩きこむ
クマの頭からエグイ音が響き渡り、クマの頭が地面へとめり込む、レイが離れるとクマの頭が地面へとどんどんめり込んでクレーターが形成され始める
バゴン!!バゴォォン!!とどんどん深く埋まって行き最後には爆発する
俺がとエルローラが一緒に唖然としているとレイがこちらに向いてブイサインで答えてくる
こ、この野郎・・・・
相変わらずレミウスはキラキラした目でレイを見ている「あれが伝説の一人軍隊の剣技!!アーベンヘルツでは少ししか見てなかったから分からなかったけどすげー!!」
そうしてクマが討伐され移動したらセルフィア村へとすぐ辿り着いた
「こんなに近かったのか」俺が辺りを見渡すと酷い状況だった
建物は清掃されていないのか汚れている場所だらけで、人々は全員弱々しい歩き方で咳き込んでいる
ミランダが状況を見て「疫病・・・?とはちょっと違うわね」
レイが頷いて答える「んぁぁ・・・これはプロトタイプがまき散らした毒だ」
レイメストが歩いて嫌がり「この臭い・・・私嫌い・・・」
レイメストは息を大きく吸い込み吐き出すと土地から青い粒子がキラキラと輝きだして空へと上がって行く
レイが驚いて「こりゃすごい・・・浄化させる事ができるのか」
村はあっという間に青い粒子に包まれた
村人達の症状がみるみる回復していく
エルローラが回りを見て「ひょっとして不浄の土地になっていたんですか?」
俺が首をかしげて「不浄・・・?」
エルローラが解説してくれる「不浄というのは精霊達が全て死に絶えた土地で、放置していればこうやって人体に影響を及ぼすようになるの」
「なるほど・・・」
村人達が治った事に歓喜してレイメストに感謝し始める「ありがとう!」「助かった!!村は助かったんだ!!」
レイメストは嬉しそうに「えへへ」と笑うと
レイが土を触り「間違いないな・・・プロトタイプの仕業と見て間違いないだろうな」
ミランダがレイに「どうして不浄化させる力があるの?」
レイは呟く「プロトタイプは資料によると魔力を喰らい尽くして歩いて回っているらしい、次の不死になる為に膨大な魔力が必要なのさ、俺はドラゴン達が離れたのはコイツが原因だと思っている、逃げ出したドラゴンの方も気になるが、まずはコイツからやる」
リュウビが拳を合わせて「それじゃ、早いとこ始末しないとあらへんな」
レイが頷いて「あぁ、それでそいつの居場所が分かるのがレイヤール・・・お前だ」
俺は意識してなかったので名前を呼ばれてビクッと反応してしまう
「お、俺・・・?」
「奴はお前の体細胞を取り込んでいるから、お前と近しい波長を出しているはずだ」
言われてみればなんか、さっきから足にピリピリと何かが伝わってくる感じはしていたが・・・
「このピリピリする奴が激しい所に向かえばいいのか?」
レイが頷いて「とりあえず行ってみろ」
全く囮ってこうゆう事かよ・・・
俺が歩いて進むとビリビリ伝わるようになってきた
「この方角だ」
歩く度に足から腰へと、そして全身がビリビリする感じになってきた
「こ、これ全身がビリビリするし引き寄せられる感じがする・・・」
レイが咄嗟に剣を抜いて「あぶねぇ!!」ミランダへと何かが斬撃した所をレイが剣で弾いた
ミランダが驚いてバックステップして「っ!!助かったわレイ!」
レイが剣を構え「皆注意しろ、こいつは強いぞ」
俺が見た相手は異様だった、全身から黒い煙があふれ出していてる人間だ
俺から見ればゾンビのような相手だった
レイが凄まじい速度で間合いを詰めて剣先が見えないほどの速さで相手の首を刎ねる
だが殺した瞬間周囲の魔力を喰らい尽くして復活した
レイが間合いを取り苦笑いして「やっぱり通常攻撃だと駄目っぽいなぁ~こいつぁ参った」
俺の全身の細胞がビクビク反応してる・・・全く嫌な感じだぜ・・・
レミウスがバックからボールを取り出して「首で駄目ならこれでもくらいな!!」
火薬の臭い・・・?
ゾンビへとヒットすると爆発して肉片になる
だが瞬時に肉片が集まり復活する、辺りは魔力枯渇を引き起こして不浄化が進んでいる
エルローラが悔しそうに見て「不浄の地を増やして精霊を殺すなんて許せません!!焔の竜の精霊よ、紅蓮の炎と灼熱の炎で悪しき物を灰に帰せ!!」
赤いドラゴンが現れる「ヨッシャァァァァ!!」ゾンビへと殴りかかるが殴った瞬間、赤いドラゴンが後退する
「お嬢!コイツァ無理だ!殴った瞬間魔力を吸収されて下手に近づいたら吸い尽くされて死んじまう!相性が悪すぎるぜ・・・」
エルローラは歯ぎしりして「チャルマさん、一旦戻ってください!!」
だったら・・・俺の出番だな・・・
「紅焔憑依形態!!」
俺の魔力を感じた瞬間ゾンビの動きが俊敏になる
そして口をグラグラと動かして狂ったように近づいてくる
「気持ち悪いだよ!!死ね!!」
俺のガントレットが変形する
「煉獄紅焔鉄拳!!」
ゾンビへと鉄拳が入った瞬間魔力が内部で崩壊し始めて再生しつつも体が壊れている
「ヴボオ゛オ゛オ゛オ゛!!」
気持ち悪い声をあげながら苦しんでいる
ゾンビの体が燃え始め、ボウボウと火だるまになっている
全員が勝ったと確信した瞬間
ゾンビの体の火が胸へと吸収され
辺り一面に強烈な魔力の波動を放つ
俺とレイは腕でガートして凌いだが他のパーティーは全員吹き飛ばされる
レイが顔を上げ「レイヤールをぶつけるのはやはり止した方が良かったかな?」
そう言うと目の前には手足に俺と同じように炎を纏い歩いてくる人が居る
「いや~見事ですね・・・その魔力は送竜の力・・・いやはやまさか息子さんが生存していらしたとは・・・」
レイが睨み「お前・・・自我が残っていたのか・・・?」
相手の顔や肌が再形成されて行き、生前の姿へと戻って行く
オールバックの髪のオッサンだった
「レイヤールって名前か・・・しっかし久しぶりに蘇って見りゃ・・・ひでぇもんだな・・・」
オッサンは魔法か何かで目の前にホログラムのコンソールのような物を発生させて端末のようにポチポチとして押して状況を見ている
「あーあー・・・第一支部は自爆システムが発動して、第二支部は地下岩盤の崩落により地図から消えて、第三支部は海の底か・・・こりゃひでぇ、研究は中止だろうなぁ・・・」
レイが剣を下げて「戦う気はないのかな?」
オッサンは頷いて「んぁぁ、そこのレイヤールさんのお蔭で目が覚めたと言っておくけど・・・俺的にはようやく手に入れた不死の力だ、思う存分活かしたいと思うだろ?そしたらお前はどうする?」
レイは剣を構え「そうだねぇ~それは困ったねぇっ!!」
斬撃で首を刎ね飛ばす
だが再生して元通りになる
レイが後退して「レイヤールちゃんよぅ・・・余計な事するなっての」
「うるせぇ!お前が言うな!!それよりどうするんだよ!」
レイが頷いて「仕方ない・・・あのアイテム使うか・・・あの男の魂を喰らって始末しろレイヤール」
「ハァ!?生きてる人間をどうやって喰えって言うんだよ!!」
「まぁおじさんに任せておきなって・・・ただ魂が出る瞬間は必ず喰らい付いて成功させろよ?」
俺は溜息を吐いて「どっちにしろそれしか倒す方法が無いんだろ・・・?」
レイがニッコリと笑い「そゆこと☆」
俺が眉をピクピクさせ
「そのウザイ反応いい加減やめろってーの・・・」
レイが飛びだして行く
レイの剣の反対側には一本のナイフ
オッサンは笑って「そんな物で俺をどう始末するつも――っ!!」
オッサンは慌ててバックステップして防御魔法でレイの剣を弾き返す
「不死なのに弾いた!?」
レイが笑って「ほう・・・これが何なのか知ってるとは流石だね~」
オッサンが慌て初めて「そのナイフ・・・どこで手に入れた・・・?ミー派で開発中だと聞いたナイフだぞ・・・それは」
「ご名答!こりゃ切った相手の魂を無理やり放出させる剣・・・送竜と連携して戦うミー派の切り札のナイフ・・・」
オッサンは両腕を構え「マジックストロング・・・全開!!」筋肉がゴリゴリと増えて行き
レイに飛び掛かる
レイも剣で弾いているが相手の拳が真っ黒に変色してガチガチになっていてレイの剣を殴っている
レイもレイで普通の顔で弾いてやがる・・・
俺には2人の速さが見えない
オッサンの全力の攻撃を全て弾くと「終わりか?じゃあこっちの番かな!?」
レイが地面を踏み込んだ瞬間何かが変わる
まるで空間全てが掌握されているような感覚の魔法だ
そしてレイは一瞬鬼神のような姿に変わり剣が鬼の金棒に見えた
そしてその空気はすぐに元に戻り、気が付けばオッサンがそのナイフで切られている
「ぐぉぉぉぉぉぉ!!!」
レイが叫ぶ「レイヤール!!今だっ」
俺がハッとした瞬間オッサンの魂に喰らい付く
「ふ、フハハハ!これで!!これで俺も送竜の一部となるのか・・・いいねぇ!未知の体験が!!フハハハハ!!」
ゴクン・・・
俺が喰らい付いて呑み込み終えると、俺の体がビキビキと音を立てて大きくなっていく
そしてレイと同じぐらいのサイズまで成長した
レイが俺を見て「おー・・・伸びた伸びた!ギャハハ!!」
俺がキョトンとしているとエルローラが抱き着いて来て「レイヤール!」
「え、エルローラ」
俺はオッサンを見ると白目向いて倒れている
レイがオッサンを担いで「ミランダとリュウビ、お前達は一旦帝国へと戻れ。コレを処分したら後で向かう」
ミランダが頷いて「その体調べたい所だけど・・・その方がいいわよね・・・任せたはレイ先に戻ってるわ」
レイが頷いてオッサンを担いで背を向けて歩いて去って行く
「全く・・・やりたい事だけやらせて終わったらサヨナラかよ・・・ったく・・・」
エルローラが側に来て「レイヤールまた昔みたいな姿になったね」
俺は自分の手を見て頷いて
「あぁ、俺も強くなってるし、今度は魔獣の魂なんて喰わずとも強くなってるだから・・・前みたいな事は絶対に起こさない」
エルローラは嬉しそうに俺の腕に抱き着いて来て「懐かしいな・・・」
「お、おいおい・・・」俺は小声で「あんましベタベタすると後ろの教官殿が発狂するから止めろ」
後ろを見ると燃え盛るオーラを纏ったミランダがニコニコ見ている
「う、うん・・・全て終わったらね・・・」
エルローラが離れてレミウスが今度は真横に寄ってくる「んふふ~♪」
「お前までなぁ・・・お前は言っとくが俺の恋人でもなんでもないからな、ただの友人だ」
レミウスがムスッとして「何その言いぐさ」
「俺がアーベンヘルツへ向かう意味なんて無かったし・・・危うくあの魔女に実験台にされる所だったぜ・・・」
レミウスが溜息を吐いて「まぁいいわ・・・確かにエルローラちゃんには私に無い物をものすごく多く持ってるし・・・それに・・・私も嫉妬しちゃうくらい良い子だから・・・私も恨まず後押ししたくなる子だもの」
俺達が行こうとするとレイメストがジーッと無言でレイが去って行った場所を見つめている
「レイメスト?行こう」
俺が声を掛けると「うん・・・」
声のトーンが低く俺が心配になって「どうしたんだ?」
「レイって人・・・辛い物たくさん背負ってる・・・」
「っえ?」
レイメストは哀れむ目で「彼は・・・おっきい悲しみを隠してる」
俺はレイが去った方角を見て『アイツが・・・?』
エルローラが呼ぶ「レイメスト!一緒に逝くわよ!」
レイメストは振り向きエルローラの所へと走って行く
レミウスがレイメストを見て「まさかドラゴンと人の子供とはね・・・不思議な女の子だわ」
俺も頷いて「確かにな・・・」




