動き出す一人軍隊
レミウスサイド
「だあぁぁぁ!」
レミウスが馬車の中で頭を抱えて叫ぶ
運転手が困った顔で「もうお帰りなられた方がよろしいかと・・・」
レミウスは呟く「全く・・・アイツもアイツもアイツも!!どこもどいつもがしらばっくれる!!絶対あの顔は分かって言ってる感じだ!!」
運転手は頷いて「はい・・・恐らくメイチェル姫が裏で手回ししているのでしょうね・・・」
レミウスは馬車の中でドアを叩き「やはり強硬策に出るしかないか・・・一旦屋敷へと戻って演説準備を行う」
運転手は驚いて「何をされる気ですか!?」
「ボリスト家がやろうとしている事を忠実に話してやる・・・レイヤールが不死の事を知った上で誘拐した事も、この不死という魅力的な事の為にボリスト家が悪事を行っている事も・・・それと今回メイチェルを庇ったクソッタレな連中もろ共国民の前で発表して叩き潰してやる!」
運転手は唖然とした後、呟く「それで我らユリコンティ家は長年の敵ボリスト家を打倒する事ができるとしてレイヤール殿のお気持ちを考えた事はありますか・・・?」
その時レイヤールの言葉を思い出す
運転手が付け加える「それにレイヤール殿が不死と知れば世界中の者達に狙われます・・・それこそ彼はまだ発表されていないですから平穏で居られる・・・ですが発表してしまえば瞬く間に広がり、世界はレイヤール殿を苦しめます」
レミウスは歯ぎしりして「・・・・・・クソッ!!!」
私は屋敷へと戻りバージルと合流すると親父も溜息を吐いて「メイチェルの奴め・・・相当用意周到に準備していたようだ・・・どの監査機関も協力を拒否しおった。全て『ドラゴンは誰の所有権でもない』を貫き通されてな・・・」
「父上・・・強硬手段を取らせてください、奴らは所詮金持ち風情・・・軍力を振りかざせば助けられます」
バージルは頭を抱えて「ユリコンティ家は再起不能になるぞ・・・住む場所さえ失うかもしれんのだぞ・・・?」
「それは・・・ですが!私は大事な友達を助けたい!住む場所なんてどこにでもある!無人島でも山だろうが、どこでも!!」
バージルは溜息を吐いた後どこか嬉しそうに「友達の為・・・か・・・お前からそんな言葉が聞ける日が来るとは・・・それに・・・」
ドアが開いて兵士数十名が入ってくる「我々もボリスト家への攻撃に志願します!!」
「住む場所がなんだってんだ!このままボリスト家の思う壺なんてごめんだね!」
そして頭の良さそうなメガネの兵士が報告する「それに理屈ならあります、ボリスト家が不死の力を悪用しようとした事を世に知らしめれば、我々の汚名は名誉に変わります!」
「そうです!今回はレミウス姫のやり方に賛同します!」
バージルはヤレヤレと首を振り「よし!お前ら!盛大に行くぞ!!ユリコンティ創世記のように船乗り警察として悪しきボリスト家を打倒する!!武器を持て!!」
「「「おおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
「いや~皆さんお元気な事で・・・」全員が振り向くと知らない男が居る
バージルが叫ぶ「誰だ貴様は!?」
「あぁ~・・・俺は気楽な1人軍隊・・・と言えば分かりますかな?」
「ベルスターズ・レイ・ロナメス!!」
兵士達が驚愕する「あの噂の千人切りの!?」「帝国の再建を支えた名のある騎士の!?」「たった一人で兵力一万人分の歩く戦略兵器と言われた奴が・・・」
レイは苦笑いして「おいおい、俺一人で成し遂げたみたいな名前だな・・・正確にゃ五人の仲間と行った事だ」
兵士達は動揺する「五人!?噂じゃ確かにレイ意外に複数人居たって話しだが・・・」
「まぁ、何はともあれ、俺はアンタの加勢に参ったって言った方が良いかな?」
バージルは身構えて「加勢だと!?貴公になんのメリットが・・・」
レイは頭をボリボリかいて「あ~・・・レイヤールとの決闘が面白くなるからかな・・・?だが俺のシナリオじゃ、ここでレイヤールが捕まる事は俺もあんまし良くはないんだわ」
レミウスが首を傾げ「決闘・・・?ライバルのような物なのか・・・?」
レイが頷いて「おう、嬢ちゃん察しが早いね!っま!そんなとこかなぁ~」
バージルは溜息を吐いて「分かった・・・しかし帝国から手紙か何か預かってないか?」
レイがバージルに手紙を渡してバージルが読み上げると驚愕する
「ここに帝国第一皇女・・・エミルス・バーミリオンの命でベルスターズ・レイ・ロナメスの独断行動を強化いたす・・・」
バージルは頭をフラフラさせながらも「了解した・・・1人軍隊殿、貴公の支援に感謝申し上げる」
「いやいや・・・礼はいいって・・・早いとこ向かおうぜ!」
バージルは歩いて「ついて来てくれ、我が軍は海が主力だが・・・内戦に備えて作り出した決戦兵器がある」
私もレイも兵士達も全員が地下室へと入る
倉庫のような場所へと入るとレイが口笛を吹いて驚く
「ヒュ~、コイツァすげぇ」
バージルがランタンを持ち光りを灯すと、戦車が二台ほどある
レイが戦車を見渡して「これは・・・ドラゴニューラ族の遺産の一つだな」
バージルは頷いて「然様、これは祖父が遺した書きかけの設計図の一つを私が書き上げ、作り出した兵器・・・船に搭載される大砲を陸地でも使えるように設計し、それに移動能力を付与させた戦略兵器、その名も・・・カノンブラスター」
私は唖然として「こんな物を作っていたとは・・・」
バージルは下を向いて「ボリスト家が決戦を始めた場合・・・最後の手段として絶対的力を持つ必要があった・・・これを使うという事はボリスト家を力ずくでねじ伏せる事になる」
私は少し不安そうな表情するとレイが私の前に立って
「安心しな嬢ちゃん!ボリスト家の焼肉パーティーの下準備は俺が既に整えてあるからさ♪嬢ちゃんは思いっきり剣を振ってレイヤールを助ける事だけに集中すりゃいい。その他の事はこのおじさんにドーンと任せておけ」
私は礼を言おうとする「あ、あの・・・」
レイは笑って言う「そんな気になさんなって、それじゃ行こうか」
バージルがスイッチを入れると重りの仕組みで倉庫が上へと自動的に上がる
そして屋敷の裏に倉庫の出入り口が現れる
バージルが指揮をとる「皆!!準備を整え、本日の正午に集合せよ!!」
「イエッサー!!」
――――――
私は装備を整える為に剣を磨いているとレイが横に座ってきて「いい鎧と剣だな、流石兵器専門の家系だけあって装備の質がいいねぇ~」
私はレイを見ると私よりも数倍高そうな装備をつけている「あ、あの・・・その装備って伝説装備の一つですよね・・・本で見たことが・・・」
レイは嬉しそうに笑って「良く知ってるなぁ!その通り・・・退魔の鎧と言われた鎧の一つだ」
私は下を向いて「メイチェルの実力は中々・・・私なんかが倒せるかな・・・」
レイは軽く肩を叩いて「大丈夫さ、サポートは俺がすっからさ」
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レイヤールサイド
俺は拘束台に捕らわれて一日目
相変わらずメイチェルは試行錯誤を繰り返している
「やはり駄目じゃ・・・ドラゴニューラ族の遺した書物の情報では確かに・・・」
そこへ雇っている傭兵の兵士が下りてくる「た、大変だ!!」
メイチェルは苛立ちながらも聞く「なんじゃ!?私は忙しいのが見えんのか!?」
傭兵は呟く「ユリコンティ家が我がボリスト家に進軍を開始しました・・・後10分ほどでこちらに・・・」
ま、まさか助けが来るのか!?
俺は期待した
メイチェルの顔に焦りが見え始める「ぬぅ・・・まさか私の考えを読んでか・・・?レミウス1人や数十人程度は予想していたが・・・まさか軍隊を動かす程とは・・・数は?」
傭兵が震えて言う「そ、それが・・・帝国からやってきた者が・・・気楽な1人軍隊の異名を持つ・・・ベルスターズ・レイ・ロナメスが居るとの情報が・・・」
なんだと!?レイの奴が!?なんでアイツがここに・・・
俺も驚いたがメイチェルにとっては最悪の知らせだったらしく
「あ、あいつが動いたとなると・・・私の裏で工作した物全てが台無しになったと見える・・・試作薬じゃが試すしか・・・」
やばいぞ・・・試作段階とは言えもうできていたのかよ・・・
メイチェルは歩いて階段を上ろうとすると
突如、砂埃が舞い上がりメイチェルが身を守る
そして聞き覚えのあるムカつく声が聞こえる
「おっと、残念だけどその危ない薬は没収だ」
ワイヤーアンカーでメイチェルが持つ薬を奪う
「っつ!」
メイチェルは風の魔法で砂埃を切り払うと、いかにも伝説的な片手剣を肩に当てて
レイが現れる
「ようレイヤール!いやー・・・しかし賢者の姫さんが相手とはちっと相手が悪すぎたなぁ・・・っま勝手に冒険しようとしたお前が悪いんだがな、ドラゴニューラ族の秘密を知るのにはまだ早すぎる、それに魔法使いの嬢ちゃん・・・この薬まで進行できるって事はドラゴニューラ族の歴史を知った上での行動かい?」
メイチェルはムキになり「誰に物を言っている!!」雷を周囲に展開すると
レイは軽く剣を一振りしただけで、雷が退いて行く
「わ、私の雷が!?ま、まさか・・・その剣は・・・」
レイは笑って「そう!魔法避けの禁止された製法で作られた魔使い殺しの剣だよ!」
メイチェルは後退して「アクエリアスブラスター!!」メイチェルの前から大量の水が放たれる
レイは軽く剣を構え「あぁ~詠唱時間短縮の魔法なんて怖かねぇよ~」
魔法を軽く切り刻み、メイチェルへと切りかかる
メイチェルは気が付いた瞬間首に剣が向けられている
メイチェルは何故という顔でレイを見る「なぜ・・・切らない?」
レイは笑って答える「そりゃ可愛い嬢ちゃんの首と動体が綺麗に別れた死体なんて俺が見たくないからだよ」
メイチェルは両手を上げて降伏すると後ろからレミウスが走ってきて俺に抱き着いてくる
「レイヤール!!待ってろ今すぐ拘束具を外すからな」
俺はようやく自由になるとレミウスは笑って「借りは返したからな」
「助かった・・・それにしても軍隊を動かすなんてどうかしてる・・・政治的には大丈夫なのか?」
レミウスはグッドサインで答えて「問題ない、レイさんが全て裏事は片付いている、今頃メイチェルを庇っていた連中は全員逮捕される予定だ」
俺は一安心して「ふぅ・・・でも俺が不死身って事は漏れたようだな・・・」
レミウスが下を向いて「その、私・・・」
「大丈夫お前が流したなんて思ってないよ。きっとあの山で起きた光景を目撃されたのかもしれない」
レミウスがホッとして「それでドラゴニューラ族の書物はどうする?」
俺がレイを見て「それで閲覧させてくれるのか?」
レミウスが翻訳してレイに伝えると
レイはうざったらしく言う「駄☆目♪」
俺が眉をピクピクさせてイラついているとレイが俺の頭を手で覆い「お前さんは俺との決闘に集中しろ。ドラゴニューラ族の歴史に関する事はエルローラに任せておけ。それにここの本や物品も俺が買収してエルローラに送る気だ。お前は俺に勝つ事だけ集中しろ」
俺はレイの手に軽く甘噛みして離させると「どうして俺にそこまでこだわる!?」
レイは上を見上げて「さて・・・なんでだろうな・・・俺が面白そうと思ったから・・・かな?」
「なんだそれ・・・」
レイは歩いて出て行き去り際に言う「それと帰りの便だけど、帝国の船が停泊してるからそれに乗れ、ロイヤール港まで直通で迎える便になってる、また帰りに海賊に襲われるなよ~じゃあなハハハハ!!」
俺が中指立てて「うるせぇ!このクソ野郎!」と言うとレミウスが笑って
「あんた達仲が良いの?」
「全然!!あんな奴大っ嫌いだ!」
レミウスがクスクス笑い「レイヤールがそれほど怒るって事は相当なのねフフッ!」
俺が唖然として「何で笑う?」
「別に!」
と満足そうに歩いて出て行った
―――――――
この後ボリスト家は、来訪した俺の力を悪用しようとした罪に問われ、メイチェル・ボリストに30年の服役、そしてボリスト家は失墜した事で政治には復活するのは困難になった・・・結局ボリスト家はユリコンティ家に吸収され、レンガ工場の所有権はボリスト家から没収され、幕を下ろした
俺の力については詳しくは発表されていないから、国民も半信半疑のようだが、違法を犯してまで行ったボリスト家を許す物は誰1人も居なかった、だが・・・俺の力は確実に世界へと少しずつだが拡散が始まるだろうと思っていた・・・
結局、当初の俺の目的であったドラゴニューラ族に関する書物はあのクソ野郎が全部持って行ってしまった・・・
俺もアーベンヘルツを早々に出る事になったのだが・・・
港の最後のお別れの挨拶の時に・・・
「私も行きます!!」
「お前・・・国はこれからって時に何を言っている!?」
バージルが困った顔を見せる
レミウスが俺を抱き締めて「私・・・レイヤールの決闘を見届けるまでアーベンヘルツまでは戻りません!」
バージルは深刻そうな顔をする
「お、おい・・・」俺も戸惑うがレミウスが嫌がり帝国の船に無理やり乗り込んだ
帝国の兵士達も笑ってみている
そして船の乗り込むとバージルに言う「それに父上!私向こうの大陸の世界を見て成長してきますから!」
バージルは溜息を吐きながらも納得して「分かった・・・だが!終わったらすぐに戻ってこいよ!」
レミウスは敬礼して「了解しました!バージル大統領殿!」
結局こうしてレミウスもついてくる事になってしまった・・・
『エルローラ怒るだろうなぁ・・・』俺はその事が気がかりで不安そうな表情で海を見ている
レミウスが頭をかしげて「どうして浮かない表情なのよ?」
俺は溜息を吐いて思い切って言う「向こう側に恋人が居るの!現役で付き合ってる!」
レミウスが驚愕する「えぇぇぇぇぇ!?」
「友達だって納得してくれればいいけど・・・」俺が横を向いて『女の執念って怖いからなぁ・・・』
レミウスが頭をかしげている、脳筋娘には分からんか・・・まぁいいや
俺は海を見て思い出すレイの一言を『お前にはまだ早すぎる』
なんで歴史を調べる事が駄目なんだ・・・?だが決闘までに強くなってアイツをぶっ倒す、そうすれば直接聞けるだろうから話が早いだろうな
レミウスが背後から「その女の子でどんな見た目なの?ねーねー教えてよレイヤール」
「うるせぇ!」
次回の更新は火曜日になります!
エルローラちゃんの話進めますよ!




