またかよっ!
俺も朝早くからレミウスのランニングに付き合っていた、俺はリュウビから言われていた、ブーストのみでの移動で動く
「ハァハァ・・・」
レミウスが不思議そうに俺を見ながら走り「ハァハァ・・・ねぇ、それってかなり体力食うの?」
俺も汗だくになりながらジャンプして呟く「あぁ・・・何度も何度もッ・・・使うと体にすごく負荷がかかって苦しくなるッ・・・戦闘中もこう何度も頻発して使う物じゃないしッ・・・トレーニングとしてはもってこいなんだッ!」
レミウスのランニング距離としては3km~4km程度であるから俺としては楽なトレーニングだ、『良い汗かいた』ぐらいの気分でいられるが、レミウスはクタクタになっている
俺が時間調整もしておいた為、今回はレミウスも食事に遅刻せず席に着けた
レミウスは満足そうに席へと着き
「いや~レイヤールのおかげで間に合った!」
俺は苦笑いして席に着いて「いつも自分でできるように調整しろよ・・・」
レミウスは笑って「トレーニングしてるとついつい忘れちゃうんだよ~」
俺は呆れていると食事が出された、今日もパンとベーコンやレタスなど、朝食定番、バイキングだ
俺はベーコンやウィンナーなど肉系を取り、肉8に対して野菜2と少な目
それに俺は『好きなだけ食べていいよ』という時はモリモリ食べられる。
きっとエネルギーを使用する体だから食べようと思えば底なしなのだろう。妹の分も残してくれと言われるぐらいまで食べ続けられる
レミウスが早々に食事を済まして「ふぅ・・・レイヤール、私は船場へと先に行く、馬車も2台分用意しているから後で来てくれ」
「あぁ、モグモグ・・・ゴクン・・・了解した」
レミウスが出ていくと入れ違いで妹が入ってきた
妹はレミウスと同じで緑色の髪だが、ストレートでは無くお姫様風にロールした髪でちゃんとおしゃれをしている
俺と目が合うと律儀にドレスのスカートを両手で持ち少し上げて礼をする社交礼のやり方で挨拶してくる
「これはお初にお目にかかります・・・私はリメス・ユリコンティと申します・・・以後お見知りおきを」
俺は通訳が居ない為、一礼して挨拶する
試しに俺は声をかけてみる「あ、あの失礼だと思いますが私の声が分かりますか?」『ガウギャ、グルガガ』
妹は頭をかしげて「すみませんが何を存じているか姉のレミウス殿でなければ分かりません・・・」
兄弟ならと思ったが・・・やはり兄弟だろうと喋る事ができるのは限られるという事か・・・
妹は食事のテーブルに席を着くとテーブルマナーが完璧にできている
やはり姫様のように教育されているのかもしれない
バージルも無言のままだ。たしか西洋のテーブルマナーだと、ある程度の会話もマナーの内だったような気がするが・・・
しかし相変わらず鉄のような目つきだ、心が無い
レミウスは活き活きとしているのに対して妹はどこか・・・冷徹で鉄の女ってイメージだ
軍事系の家系の娘なら普通こんな感じになるよな・・・
妹は早々に食事を済ませて、不自然な程の笑みで「美味しかったです、ごちそうさまでした!」
そして立ち上がりドアの前に立って俺にもう一度、社交礼して「失礼します!レイヤール様!」
レミウスも居ないとバージルに聞く事もできないし・・・まぁ早く馬車で移動しよう
俺も全て平らげるとシェフが嬉しそうな顔で俺に一礼してくる
お、おう・・・きっと洗い物が楽になるから・・・かな?
――――――
家の外に出ると馬車が待っていた
「ようこそレイヤール殿」
俺は馬車に乗り込むと驚愕した
知らない人が居る、ベージュ色のドレスに真紅のような真っ赤な髪に赤い瞳
「ようこそレイヤール殿♪」
俺はドアを開けて飛び出そうとすると、ドアが開かない、
ガチャガチャとも言わず鍵を掛けられたにしては違和感があるしそれに鍵穴なんて無かった・・・
「無駄じゃ、童の魔法でドアを塞いだのだ。レイヤール殿はこれから童のペットになるのじゃ!」
こうゆう類の奴が出てくると思ったぜ・・・
「それじゃ、俺はこうする」
俺は拳に魔気を込めて吹き飛ばして逃げようと考える
「煉獄鉄拳――」
その瞬間俺の高熱のガントレットに相手は素手で振れてきて「ふむ、魔力の使い方もなかなか・・・見事、ますます童にふさわしいペットじゃな・・・」
「お前!高熱の俺の腕が触って平気なのか!?」思わず喋ってしまうと
相手は平然と返してくる「それはそうじゃ、童の手には精霊魔法の火の加護がついておるからのう」
「!!、お前もドラゴニューラ族の末裔か・・・!」
相手はクスクスと笑い「そうじゃ、レミウスのような無粋な無能者と違い童は、ドラゴニューラ族の末裔だと心得ておる、童はメイチェル・ボリストじゃ」
「ボリスト!!じゃあまさかお前は・・・」
メイチェルは美しく笑い「童はボリスト家第24代目姫じゃ」
しかしこれはチャンスと捕えるべきか・・・ピンチと捕えるべきか・・・
俺としてはボリスト家が保有している本や書物を自由に閲覧できれば情報が集まるかもしれない・・・だが逆に言えばこいつは魔法使い・・・俺が逃げられないような細工や工夫を考えているはずだ・・・それに俺の煉獄鉄拳を読んでいた・・・こいつ実力はかなりある。
逃げるべきか・・・従うか・・・?
だがコイツの目が嫌だな・・・俺を物として見る目だ・・・昔散々この目で見られてきたからな・・・気に食わないから逃げ出すか
俺は背中からブースターを展開してクッションに引火させる
メイチェルは焦る事無く呆れた様子で「もう・・・ワガママな子じゃな」
メイチェルが腕を振ると火が掻き消える
「!!」
どうゆう事だ・・・ブースターが突然と使えない!
背中を見ると綺麗な赤い粒子が出ている
メイチェルが解説する「貴様の背後の空気を無くして真空にして炎を出せなくしてやった。炎が出せなければ推進力となる魔力に火が点火できないじゃろ?」
くそっ・・・ブースターの事も把握して対策しているか・・・
だったらもう一度!!「煉獄鉄――」
「無駄じゃ」
今度は手の場所を真空にされた
「だがガントレットは無力化できないだろ?」
拳で殴ろうとすると障壁に阻まれた
「っぐ!?」
「童の称号を知らぬようだな・・・童の称号は『賢者の姫』貴様などの攻撃など全て把握できいれば対策の打ち用はいくらでもあるのじゃ」
くそっ・・・完全にお手上げだ
俺は両手が上げて降参すると「物分かりは早いようじゃな・・・ますます気に入った・・・フフ」
このクソ魔女め・・・この後で根を上げさせてやる・・・
――――――
レミウスが異常事態の知らせを受け取る
「た、大変です!!レイヤール様の乗る予定の馬車が何者かによって睡眠状態にされていたようです!!」
私は急いで屋敷へと戻るが既に遅かった
「くそっ!遅かった!」
兵士達が私に声を掛ける「住民からの目撃情報ではメイチェル様を目撃されたと・・・」
「あのクソ姫が・・・すぐに父上に報告せよ!!」
私は馬車に再び乗り込み「急ぎ、ボリスト家の所へ行け!」
乗馬している担当者が驚いて「で、ですが!アーベンヘルツ平和条約が!」
「こっちはあのクソ姫に侵入されたんだぞ!?文句行ってみろ!証拠を出して終わりだ!」
「は、はぁ・・・」
馬車が動き出して私は外を見てそわそわする
「あのクソ姫め・・・レイヤールをペットそこらにしか見てないんだろうな・・・レイヤールには助けられた借りがあるし・・・その借り返すいい機会だ」
―――――――
レイヤールサイド
俺はそのままボリスト家の屋敷へと持ち帰られた
屋敷の出入り口はユリコンティ家と比べかなり豪華で、金持ちらしさが出ていた
メイチェルは屋敷へ満足そうに戻り「戻ったのじゃ」
そして玄関にまるで王様みたいなヒゲに姿の男性が待っていて「メイチェル・・・貴様、アーベンヘルツ条約の違反をまたやりおったな?」
「そんな事はありませんわお父様」
王様らしい父親は喝を入れる「ふざけるな!全く年頃の娘だと思っていたら魔法を好き勝手に使いおって回りに迷惑を振りまいている・・・レイヤール殿、こちらに」
この人はどうやら助け舟になってくれるかも・・・
俺は行こうとするとメイチェルが周囲に光っている魔法の矢を展開させる
「私だって成長しているんですお父様、私の邪魔立てはされたくないので」
父親も周囲に光りの玉を発生させて魔力の力場を周囲に形成する
「メイチェル・・・父に勝てるとでも思っているのか?」
メイチェルはクスクスと笑い相手の気を恐れず笑う「それは試してみてから言ってくだされ」
メイチェルは矢を放ち、父親の光りの玉がぶつかり弾ける
な、なんて魔法の勝負だ!
父親の表情に焦りが見え始めた「むぅ・・・この前まではマジックアローの本数が4本だったのに対して8本になっている・・・それに動きも俊敏になっていて・・・メイチェルまさか力を隠していたのか・・・?」
メイチェルは嘲笑うように笑い「そうですわ、お父様、相手の手の内を見せないのは大事だとあれほど交渉事の勉強させた事をお忘れですか?」
メイチェルは両腕わクロスさせて集中し「アクエリアス・ストーム!!」
父親の足の周囲に水が集い、水の渦が発生して竜巻が現れる
「むぅ!!プロテクトガード!」
防御魔法で何とかしのいでいるが苦しそうだ
俺も父親に加勢しようと全身に魔気を込めようとするとメイチェルがクスクスと笑い
「丁度良いタイミングですね、マナドレイン!」
俺の体が魔力が吸い取られる
「うぐっ!!」
そして俺から奪った魔力が次の詠唱を始める
「黒き天の雨雲よ・・・怒りの化身となり敵を滅ぼせ!!ボルテニックサンダー!!」
水の渦の中に雷が落ち父親は電撃ショックを受けガード魔法が崩れた瞬間、濁流によるダメージと雷をもろに受ける
「ぐわあぁぁぁぁぁ!!」
そして魔法が消えるとボロボロの父親が倒れている
「ふん・・・これからは私の邪魔をしないでください父上・・・それにアーベンヘルツ条約に関しては手を回してありますわ。全ては容易した上で行っているのでご安心を」
「う、うぐっドラゴンの子を用いて何をする気だ・・・?」
そしてメイチェルは笑い父親の耳元で呟く「お母様を助ける方法ですじゃ」
「なんだと!?有りえん!!だって妻の病魔は・・・呪いによって死が確定してると!」
メイチェルが呟く「不死になれば関係ないですよね?」
「!!!不死だと・・・!?まさかそのドラゴンは書物に載っていた!!」
メイチェルは笑い「ウフフフ、私なりの実験でお母様を救ってみせます、諦めた父上と違って私は諦めませんのじゃ」
やはり俺の狙いは不死の力か・・・
父親が叫ぶ「よせメイチェル!!ドラゴニューラ族の負の歴史を繰り返す気か!?決して抗えぬ!止めるのだ!!」
メイチェルが痺れを切らして父親の頭をハイヒールのかかとで踏みにじり「母さんを見殺しにしろと同義語に聞こえますわ・・・これ以上私の邪魔をしないでださい」
「うぐっ!」
そしてメイチェルは俺に指を指して「バインド」
俺の体に光り輪が現れて締め付けられる
「うぐっ!?」
俺は抱えられ、屋敷の地下へと向かう
屋敷の地下を見ると驚愕した、数々の実験器具
「お、お前・・・俺の不死の力を・・・」
「えぇ・・・私はお母様を救う・・・それができれば貴方になんか興味ないのじゃ」
俺は拘束台にセットされて俺の血液を注射器で抜き取り俺の血液を調べ始める
「お前・・・不死という物が理解できないようだな・・・不死というのは生き地獄だ・・・決して死ねない事で苦しみも増える!」
メイチェルは俺の言葉に聞く耳も持たず実験器具を見ている
くそ・・・メイチェル自身も強いから逃げ出す事もできねぇ・・・もう自力では無理だ・・・
―――――-
帝国のレストランでレイが座ってコーヒーの飲みながら新聞を見ていると
後ろの席に皮ジャケットを着たゴツイ男が座り「パンの焼き加減は最悪だ、コゲちまったぜ」
「そりゃお気の毒に・・・ジャムを上乗せしといてやるよ」
レイは白い紙を受取りテーブルの下で読む
レイは困った顔をして「うーん、だいぶ香ばしい感じになってきたね・・・行くか!」




