3度目の死
レミウスは走ってアーベンヘルツから北側にあるアーベンヘルツの外れにある森の中で魔獣相手に剣を振りかざしていた
「ええぇぇぇぇい!!」ドパン!!
イノシシ型の紫色の体毛の魔獣の頭を剣で叩き割り、剣で滅多切りにする
「ハァハァ・・・ムカつくムカつくムカつく!!」
次々に来る魔獣を次から次へと切り刻んでいく
そして一掃し終えると、湖の前に座り、水筒で水を飲む
「ゴクゴク・・・ハァハァ・・・全くなんなよ・・・私の気持ちなんて一つも知らないクセに・・・」
レミウスは体育座りして湖を眺める
「どうして・・・分かってくれないんだろう・・・私はただ海に出ていたいだけなのに・・・」
私は頭を膝に落とすと「お姫様がこんな所に1人で居るとは・・・あぶねぇなぁ」
「っ!!」剣を持って振り返ると山賊の大群
顔に入れ墨を入れた気持ち悪い奴らが、剣なナイフを舌で舐めてレミウスを見ている
「い、いつの間に!?」
「俺達はハイディングって言って背後からなら絶対気づかれない自信があってな?俺達はな・・・アーベンヘルツから追い出されたナリだ・・・あのクソ国には鬱憤が嫌という程たまっててなぁ・・・なぁお前の体で晴らさせてくれよぉ~な?」
レミウスは剣を突き立て「無粋なゲス共!!私が欲しければ力づくで来い!!」
「ケケケケ!威勢がいいなぁ・・・行くぜ野郎共!!」
「「「ウェェェェェイ!!」」」
レミウスの重装備の前には剣だろうとナイフだろうと無傷
「無駄だ!!それに私は今気分が悪い!!挑む者に命は無いぞ!!」
盗賊を切り刻む
「ぐほぉぉぉ!?」
だが盗賊は笑って「なぁーんてな」
「!?」
腹部に剣を当てて防いでいた「フェイントも見分けられねぇとか実戦不足かなぁ?あひゃひゃ!!低レベルな魔獣を少し狩れる程度で思い上がるなっつぅの!!アヒャヒャ!!」
他の盗賊がハンマーで鎧を横から殴打する
「ガハッ!!」
「ハンマーなら重装備だろうと関係ねぇよなぁぁ!!対人戦闘スキルの無い姫様よぉぉぉ」
レミウスは立ち上がり「私の努力は・・・私の努力はこんな物では!!」
そこでハンマーを持った盗賊が、レミウスの鎧のジョイント部分を叩き潰す
「あらよっと!」
「っ!!」
鉄がへこんで、動かなくなった
盗賊が嘲笑い「重装備ってのはな・・・軽歩兵や弓矢の援護があって初めて機能するもんなんだぜぇ?仲間が居ないお前はただのカモだギャハハハハハ!!」
レミウスは悔しさのあまり涙する
「お、おぉぉ!?泣いてるぜ!?ギャハハハハハ!!!縛ってしまおうぜ!持って帰って遊び尽くしてから王国に高い金で身代金要求してやらぁ!!ハハハハ!!」
――――――
俺はアーベンヘルツを出てレミウスを捜索していた
「しかしアーベンヘルツを出るほどとは・・・」
俺は地図を貰っていたので地図を見ながら探索する
魔獣の死体を見つけて調べる
「うん切り傷だな・・・レミウスがやったと見て間違いないだろう」
アーベンヘルツから人の出入りはほとんどない事は知っている、なぜなら北側には何もないからだ、この先に山が二つもあるせいで、海からの方が通行路としても安全だし、早い、だからこっちの門から出る人は滅多に居ないと聞く、それに姫様だから一目にもつく
俺は後を追っていると戦闘の痕跡を見つけた
「ん?これは・・・」足跡を見て調べる
思い重量の鎧で踏ん張った後がたくさん残っている、間違いなくレミウスだ
しかし複数の足跡がある・・・まさか!!
俺は最悪のシチュエーションを予想した
俺は足跡を追い続けると山の奥へと向かう事になっていた
連れていかれてるようだな・・・
俺は警戒しつつ歩いているとトラップが無数に仕掛けられている事に気が付いた
ワイヤートラップだ、ワイヤーが切れると作動する仕組みだ
俺は小さい為、対人トラップに対してはあまり効果的ではない為、視線が低い故にトラップ発見が楽だった
回避して進むと明かりが見えた
俺は草むらに隠れ様子を伺う
「ギャハハハ!!いやぁ!あの姫様相当面白いぜ!悔しそうにしてる姿がたまんねぇ!!」
「おい!今度は俺の出番だぞ!!」
俺は怒りが込み上げた「あのクソ共・・・」
俺は表の奴らを隠れて始末する為に物音を立てる
「ん?何の音だ?」
「動物か何かだろ」
相方が不安になり始め「ま、魔獣だったら不意打ち仕掛けてくるかもだぜ?警戒した方が・・・」
もう一人が面倒そうに立ち上がり「仕方ねぇな・・・心配性のお前の為に見て来てやるよ」
俺へと近づいてくる、俺はそいつの背後に回り、首を絞めて気絶させる
「お、おい!」相方も走って近づいてきた所で背後から首絞めで気絶させる
っと・・・こんなもんか
表にあった縄で手足を縛り、中へと入るとレミウスが捕まっている、まだ手出しはされて無いようだ・・・良かった
盗賊達は油断している・・・さてどうすっかな・・・
辺りを見渡しても使えそうな物はない、洞窟の中にある空洞に適当にベットやら寝床が容易されているだけで特にこれと言って戦術的に使えそうな物がない、おまけに入口意外は物陰が無く、隠れられない
数は13人、武装は全てダガー6人、クロスボウガン4人、弓3人・・・近接6の遠距離7か・・・バランスもとれていて厄介だ
恐らくダガー部隊の中にいる一際筋肉質な奴がリーダーだろうな・・・あいつを一撃で仕留められれば指揮が崩れるかもしれない
狙うはアイツだ
俺は腰を落して拳を固めて魔気を溜める
「煉獄鉄拳!!」
俺の拳の一撃がリーダーに入る
「ガハッ!!」
全員驚愕して立ち上がり「兄貴!!!」
レミウスが俺に助けを求める「レイヤール!!」
リーダーは血反吐を吐いて受け身を取る
マジか・・・俺の煉獄鉄拳を受けて生きてるとは
だが瀕死だ、俺の魔気が相手の体内に入った時点で内部崩壊を引き起こしている
血反吐を吐き続け瀕死になっている
部下達が素早くリーダーの前に移動してカバーしている
連携も上手い・・・やはり手強いな・・・
リーダーが瀕死だが指示を出している「フランク・・・レーベスト、お前達は側面に回り援護・・・チャールとファブルは近接して足止めしろ、それ以外は矢で援護しろ・・・俺は体力回復に徹する・・・」
全員の統率が戻り始めた、クソッタレ一撃で殺せなかったのが仇となったか・・・
複数人か同時に矢をつがえ、ボウガン組は装填を始める
ダガー2人組みはお互いの連携して斬撃してくる、
俺も回避するのにやっとだ
「クソッタレ!!煉獄――」俺がダガー2人を攻撃しようとするとダガー2人は後退して矢の射線に入る
「くそっ!!」
矢が俺の腕に当たる
「ガッ!!!」
その隙に何発も喰らってしまう「うぐっ・・・これだけのダメージを受けるとは・・・駄目か・・・」
俺は全身に矢を浴びて、意識を失う
そしてレミウスが叫ぶ「レイヤール!!!」
――――――
真っ白な空間でまた目覚める
「やぁ」とあの少年が笑って声をかけてくる
「またお前が居るって事はまた死んだのか」
「まぁね、この力をどう使うは君次第だし、死にまくって力をつけるのも自由だ」
俺は聴く耳を持たない感じで「さっさと復活させてくれ」そう言うと少年はつまらなさそうに
「全く・・・でもまぁ・・・前に比べでマシになってきているかな」
俺は少年を見て「さっさと復活させてくれ、守りたい人が居る」
「レミウスかい?彼女もエルローラと似ている所があるからね・・・君の好きにするといいよ・・・彼女も数少ないドラゴニューラ族の末裔だから」
少年は俺に指を向けてなぞると俺の体に活力が湧いてくる
――――――
「こ、こいつ・・・本当にドラゴンか?」
声が聞える、山賊の声だ
「殺すより生け捕りにした方が良かったんじゃ・・・」
「仕方ねぇだろ!兄貴が攻撃されて結構やばかったし」
俺が目覚めた瞬間全員が驚愕して離れる
「こ、こいつ!!たしかに死んだはずだ!!」
「な、なんで生きてやがる!!心臓は止まってたはずだぞ!!」
俺は自分の死を喰らう事でデスイーターの能力が発動して体全身に模様が現れる
俺の黒い肌に真っ赤な魔力の流れが浮かび上がり、模様になる、それは炎のように燃え上がる色の炎
両手のガントレットが輝き、炎を両手に纏う
そして翼からはブースターの炎が放出される
「な、なんだコイツ!!不死身なのか!?」
リーダーが立ち上がり「うろたえるな!!もう一度同じ陣形で攻撃しろ!!」
すぐに統率を取り戻してくるが、俺の翼から放たれる炎は矢を炭に変え、他者を寄せ付けない
「駄目だ兄貴!!強すぎる!!」
俺は全身の魔気を練り上げ「貴様ら・・・よくもレミウスに酷い事してくれたな・・・俺の取っておきを見せてやる・・・」
俺は足を振りかざし炎が辺りに舞い始める
「獄炎疾風脚!!!」
炎の竜巻が現れ、山賊を飲みこむ「ああぁぁ!兄貴!!あにきぃぃぃぃ!」
燃え盛り、灰になる
全員が驚愕して逃げ始める
「うわぁぁぁぁ!!」
「逃げろぉぉぉぉぉ!!」
竜巻は自然と敵を追尾して全てを灰の粉に変えていく
リーダーは唖然として呟く「俺達は・・・とんでもない生き物を相手にしてしまったのかもしれん・・・ハハ・・・ハハハ・・・ハハハハハハ!!」アッハハハハ!!」炎に飲みこまれ笑い声がかすれていく
そして俺の体の炎が放出され、元の姿へと戻る
レミウスに近づいて俺は縄を解きながら言う
「俺のこの力について絶対に他言するな・・・俺が不死身である事や・・・死ぬ度に強くなれる事も・・・」
レミウスはコクコク頷いて縄が解けると抱き着いてくる「レイヤール・・・」
俺はレミウスを撫でて「怖かったか?」
「うん・・・」
「良かった・・・無事で」
レミウスは泣き崩れてしまう、泣く姿は女の子そのものだった
やはりレミウスは男らしい所が強いが、根は女の子なんだ
俺は小さい指でレミウスの頭を撫で続ける
そして衛兵が駆けつけて外に俺が捕まえた2人を拘束している
――――――
俺は兵士達に運んでもらい、屋敷へと戻るとレミウスとバージルが会う
「父上・・・私・・・」
バージルは下を向いて
同時に喋る「ごめんなさい・・・」「私が悪かった・・・」
2人の言葉が詰まりお互いに目を逸らす
俺はレミウスに聞く「今回学べた事は何だった?」
レミウスは渋々言う「そ、それは・・・仲間の大切さ・・・私は自分の力と装備で慢心していた、仲間が居なければ、私は全く持って機能しない事・・・それと・・・捕まってみて初めて分かった・・・誰も心から助けに来てくれる人など誰もいないだろうと・・・」
俺は頷いて「でも俺は見捨てない」
レミウスが目を下に下げて落ち込み「でもそれは・・・通訳が居なければ貴方が不便になるから・・・理由があって私を助けたのでしょう・・・?」
俺はレミウスに目を合わせて「あれだけ必死になって1人で行くのに、その程度理由で俺がそこまで必死になると思うか?」
レミウスは驚いて「じゃあ・・・」
「俺はお前が心配で来たんだ、理由なんて無い」
レミウスは下を向いて謝る「すみません・・・」
バージルは溜息を吐いて「分かったな?私が言いたい事は・・・船乗りという物は、船のクルー達に信頼されてこそ成り立つ仕事だ。戦場で部下達に信頼できない上官は無能よりクソだ。」
レミウスは何も言えない顔で悔しそうにしている
バージルはその後レミウスを抱き締めて「それでもお前が無事であった事には私の本心は嬉しい・・・そしてお前がこれを機に成長してくれるならもっと私は嬉しい・・・」
「“お父さん”・・・」
俺も頷いて、一見落着だな・・・
――――――
屋敷の裏の広場
「おい・・・」
1人の見張り兵が隣の兵に話しかける
「ん?なんだよ警備中に」
「今回のレミウス姫の捜索任務中にとんでもねぇ物を見たんだよ!」
兵士が興味無さそうに溜息を吐いて「どうせお前の妄想だろ・・・俺まで怒られるのは御免なんだが・・・」
「真面目な話なんだって!聞け!あのレミウス姫が連れて来たドラゴン・・・レイヤールだったけか?アイツとんでもぇ力をもってやがる・・・」
「ドラゴンなんだから特殊能力の1つや2つあるだろう」
「その能力がとんでもねぇんだって!『不死身』なんだよ・・・」
兵士が驚いて「ハッ!?お前、夢でも見てたんじゃねぇのか?」
「いやいやいや!本当だって!そうじゃなきゃ説明つかないだろ!山賊13人相手にあのチビ助ドラゴンが全て殺したなんて」
兵士は下を向いて考え「ん~・・・不死身か・・・確かにあんな小さいドラゴンにそれだけのパワーがあるとは考えにくい・・・それに全滅という事も気になる、それに外で倒れていた奴らからの事情聴取の内容じゃ、アーベンヘルツでは有名で実力のある山賊だったし・・・確かに分からなくもないが・・・」
「だろだろ!?」
兵士が溜息を吐いて「それで・・・不死身だとしたら何なんだよ?」
兵士が驚いて「そりゃ・・・調べて俺達も不死身にならないか・・・って事だよ」
兵士は手を振り「やめとけ、関わるとロクな事にならん」
「だってよぉ~・・・」
そして後ろからクスクスと笑い声が聞える
兵士達は武器を構え「誰だ!?」
後ろにはベージュ色のドレスに真紅のような赤い髪、そして鋭い目つきの女性
「不死の力とは随分と面白い力じゃな、童のペッドにこそ相応しい・・・」
「お前はボリスト家の!!メイチェル・ボリスト!!」
真面目な兵士が剣を構え「貴様!!アーベンヘルツ平和条約違反だぞ!!違反した場合・・・覚悟はできてるな?」
メイチェルはクスクスと笑い平然と振る舞い「切るなら切ってもよいぞ」
兵士はムキになり「覚悟!!」
だが剣がメイチェルへと触れた瞬間透き通る
「なっ!!魔法!?」
「そうじゃ、童は数多と言える魔法を習得し。使う、童の意識をここに召喚するなど、座る事と同じ簡単な事じゃ、それにしても有益な情報をどうも♪兵士さん達」
メイチェルが指を兵士の頭に向け、スゥーとなぞるように動かすと兵士は眠る
「記憶を消す魔法じゃ、今夜あった事は誰にも知られぬ・・・フフ!レミウス・・・貴方みたいな者にドラゴンは相応しくない・・・」
メイチェルの笑い声が月夜に響く




