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ステルスブレイク



ヤブタカの翻訳のおかげで俺の身元、名前、すべてを伝える事ができたが、フリース王国へと向かう便は月に一度らしく、その船が来るまで俺はガッツァ大尉の家で泊まらせてもらっていた



この人は根っからの良心的な人だ、もしかしたらこれほどの善人な人は居ないんじゃないかと思うほどの


この人は海賊共にあえて恐怖の印象を持たせるが。だが金を払えば保護するし

法を守るならサービスを受けさせるというスタイルを貫いている


俺は何故かと思っていたら家のテーブルで話してくれた。


「彼らの成り立ちや生い立ちは酷い事ばかりだ、正しい物事を学ぶ機会が無くなっているのさ。だから私がこうやって嫌われ者になっても良いからここの強者として居座り、法やルールを守る事の大事さが自然と身に付くように心掛けている。そうしてここで店を開くのも良し、私の元で新しい人生を送る為に学習するのも良し、海賊業から足を洗わせるのが私の願い……」


すべてこの環境は海賊共を更生させるために……なんていい人なんだよ


自分の為でも無く人のために……


それからはガッツァ大尉は怖くなくなった、今は普通に過ごして居る。


ある日俺はガッツァ大尉のため手料理を振舞って得意の天ぷらで魚を揚げてやったり、家事を行うようになっていた


そしてある日戻ってきて椅子に座ると頭を抱えて「レイヤール君……誰かが心配になってどうしようも無くなる時はどうすればいい?」


っえ?


俺は動揺するとガッツァは喋り始めた「ヴァネッサの件だ……ヴァネッサは昔から頭が良い子で私は嫌われていたがあの子は良い子に育ちそうなんだ……だが先週の事が頭から離れなくて……あの子がここ無しでちゃんと生きられているのか……それが心配で……」


ガッツァ大尉は人前では絶対に弱い所を見せないが俺には弱い所を見せた


なるほどヴァネッサとはずいぶんと古い仲だったのか…きっとヴァネッサに嫌がられてるけどそれはガッツァ大尉なりの愛の1つなんだ。


言葉を掛けてあげたいが…俺は何も喋れないし書けない…


俺は紙に書いた『彼女に思いを話しせば理解してくれる、ヴァネッサは悪い奴じゃないから』


そう書いた紙を渡す


ガッツァ大尉は受け取って「こんな私にも言葉を掛けようとしてくれるのだなレイヤール君は……ありがとう……」


------


2日後、ガッツァ大尉は目をギラギラさせて捜索隊を派遣する事を決定した、『ヴァネッサを引き連れて贖罪させる』などと海賊共に『教育』させる為にということで派遣隊を編成していた


俺もそこに混ぜてもらいヴァネッサ捜索の為の手伝いをする事にしていた


ガッツァ大尉が乗る船に俺も乗り込みガッツァ大尉が申し訳なさそうに俺に頭を下げる「申し訳ないレイヤール殿……こんな事まで手伝って頂いて」


いやいや……アンタは良い人だから俺も手伝いたいって気持ちだからな、それに俺もヴァネッサと和解して欲しい。


なんかこう、憎めない所がある、ヴァネッサは悪い人には見えない印象が彼女にはある。


しかし創作から3時間後……不安な自体が起きる


ヴァネッサが奪って逃走したと思われる軍艦の破片が流れてきた


そして近隣には島が見えた、そこに船の影らしき物がある


ガッツァ大尉が島を見て「急ぎあの島へ向かえ!」


------


島がよーく見える距離まで近づくと事態がわかってきた、砂浜に軍艦が乗り上げてしまっていて、損傷からするに襲われた後だった


ガッツァ大尉は小型ボートで島へと上陸し状況を調べる


俺も砂浜に降りる、島の面積は大体1.5km平方センチメートルの島だ、形はきっとウリのような形状をしている、そこのウリで言う細い真ん中が砂浜になっていてそこに乗り上げている


かなり乗り上げた時の衝撃が強かったのか底部は大破している


おそらくこれだけ狭い島じゃ、すぐに見つかりそうだが……


乗組員の姿は一切無く、船の内部へと入ると濡れている


濡れてる……?おかしいな……ここは構造的には船の甲板から下の階層のはず……ここが濡れているということは……


沈みながらも航行していたのか……?


そして沈みきる前にここの島へと乗り上げて助かった……と推測するのが正しい


だが何も無しに沈みなんかしない、きっと何かに襲われた、としか……


そうするとガッツァ大尉の部下が騒ぎ始める


「ガッツァ大尉!大変です!この砲弾を!」


部下に教えてもらった砲弾は丸では無く尖っていてまるで前世でみた弾丸に似たような形状の弾だ


「これはアーベンヘルツ製の鉄鋼弾です!」


ガッツァ大尉が頭を抱えて「アーベンヘルツに追われていた……?だとしたらヴァネッサ達は……」


ガッツァ大尉が絶望した膝から倒れる


砂を握りしめて悔しがる「遅かった……」


俺は走って砂に乗り上げている船の底部の先端部分を触った


うん……濡れてる、だとすれば、そう時間は経ってない!


俺は叫ぶ「おい!こっちだ!」『ギャグガガガ!!』


ガッツァ大尉が立ち上がり走ってきて触ると気づく「はっ!濡れている……つまり乗り上げてからそう時間は経ってない……?」


そうするとヴァネッサの部下達が森の中から現れた「ガ、ガッツァ大尉だ!俺達を殺すために……!」


ガッツァ大尉は歩いて「お前達!ヴァネッサはどうした!?」


部下達はビビリながらも「姉御は……姉御は俺達を庇ってアーベンヘルツに捕まっちまったよ!ウグッ!男が女を売るなんて情ねぇ!!」


部下達は土下座のポーズを取って「ガッツァ大尉!俺達は虫が良い話かもしれねぇ!俺達はコキ使ってくれて構わねぇ!だから……だから!姉御を助けてくれ!」


ガッツァ大尉は大剣を背中から抜き、剣を回して構え「このガッツァ…その依頼引き受けよう……ただし!お前達も自分の家族を助ける為に戦えるな!?」


部下達は立ち上がり「もちろんだ!姉御のために!!」「「「姉御のために!!!」」」


全員が叫ぶ


やっぱりいい奴らじゃねぇか。


俺はウンウン頷いているとガッツァ大尉は困った顔で「しかしアーベンヘルツとやりあう事になれば厄介だぞ……」


ガッツァ大尉の部下も頷く「相手は最新鋭の武器を大量に積んでいて、軍艦は必ず2隻以上で行動していますからね…我々の装備ではあっという間にやられます」


俺はヤブタカが居ないか探して見つける


俺はヤブタカを引っ張って地面に文字を書いて聞く


ヤブタカが翻訳する「えっと……敵の捕捉は難しくないか?って聞いてますよ」


ガッツァ大尉は頷いて「奴らの海路のルートはもともと軍で運び屋をやっていたからよく覚えてる先回りは余裕でできる」


なるほど奇襲は可能って事か……


俺は作戦を書いてヤブタカに教えた。


ヤブタカが文字を読むと「はっ!?なんて作戦だよ、おい…よくこんな事思いつくなぁ……」


ヤブタカが内容を伝えるとガッツァ大尉は驚愕して「なっ、なんと……こんな手段の戦法が……確かにこれが成功すれば勝算は充分にある」


だろだろ?


これぞ現代の知恵の戦法って奴だぜ

(とある映画で知ったから俺の発想じゃないんだけどな……)



------


ガッツァ大尉の部隊の人達がすごく不安な顔で「これ……大丈夫なんですかね……?」


ガッツァ大尉は険しい顔で「任務中だ私語は慎め、これ以外に良い方法があるか?」


部下達は溜息を吐く「はぁ……よもや小型ボートを被って泳いで進むなんて……」


俺達は小型ボートの破片を背負って泳いでいた


漂流物に扮したステルス方法だ、敵の船が近づいたらアンカーを上に投げる、そして乗り込んであとは実力勝負、ガッツァ大尉は相当な腕前、それにアーベンヘルツは兵器の力に頼っているため、乗船戦はあまり訓練されていないと言う、要は船が接近する前に勝敗がついてしまう為だ


兵器を扱い、狙い、弾道予測したりなど、そのことに関してはプロフェッショナルなのだろうな


しかし油断は禁物、下手すれば船に轢き殺されてしまう可能性もある


俺達はボートの破片の除き窓から確認して、その時を待つ


そうするとガッツァ大尉の予想時刻通りにやってきた


俺は飛べるから問題ないが、皆がフックをかけられるかがキモだ


船が近づいてくる、しかし下からみると本当にでかいな、怖っ、と思う程だ


ガッツァ大尉がフックを投げつけ登って行く、フックを落とされないよう俺は先に登って注意を引く


ブースターで上昇して甲板に降り立つと兵士達が動揺して「ド、ドラゴン!?」「甲板にドラゴンが居るぞ!」


しかしゾロゾロと出てきたな……まぁ、予想はしてたけど、かなり動揺してるな、武器も今か今かと振ろうとしてるし、ヴァネッサの海賊共と違って過剰に警戒し過ぎている。やはり甲板での戦いは苦手だからか?


そんなことを思っているうちに1人が剣を抜いて走ってきた「ドラゴンなら倒せば俺は勲章物だぁぁぁぁ!!」


残念……ヴァネッサやレイの方が剣の太刀筋が良いな……改めてみると本当に弱く見える


人殺しはしたくないから緩めに……


魔気を腕に込めてパンチを入れる


「グボァ!?お、おぉぉぉぶ……」

そのまま倒れた、まぁこんな物だろう


そうする兵達は皆武器を構え始めた、剣だったり槍だったり……


しかし俺の目的は達せられた


後ろから味方の兵士が次々乗り込んでくる


「て、敵襲だぁぁぁぁ!!」


敵が叫ぶがもう遅い


------


5分前


1人、船長室の中で地図を広げて考えてる


「うーむ……海賊1人捕まえたから父上も許してくれるだろうか……」


ウロウロと地図の前を行ったりきたり。


緑色の腰まで長いストレートの髪をユラユラと揺らしカシャカシャとこれでもかと重装甲の鎧の音立てながら


「しかし私の初のちゃんとした功績を残した!1歩ずつだな!」

ビシッと両手を組み決めポーズを取る、女の人


男らしい女の感じの彼女は船長室から海を眺め「見てろよ~父上、私が船乗りに不資格だなんて訂正してやる」


そんな時だった、「ド、ドラゴンだぁぁぁぁ!!」


緑の髪の船長は驚いて甲板へと出る「ドラゴン!?」


目の前には黒いプニプニした肌に民族風の衣服を着たドラゴンが


「えっ!?えっ!?」


女性は船長室から出ようとすると馬鹿な部下がドラゴンへと攻撃しようとした

「ま、待て!!」女性の静止の声は壁越しで届かず兵士はやられるとさらに驚く事態になっていた


ドラゴンの仲間なのか、大男と数人の兵士が船に乗り込んできた


「そ、そんな!!」


そして女性は肌を震わせて一人、物陰に隠れたそしてドラゴンが入ってきた


「さてと船長はどこかな?」『ガウガガ、ギャウグル』


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