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新宿  作者: 竹仲法順
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第65話

     65

 2017年5月26日午後6時35分。夕方の定例捜査会議が終わり、月井と今村は岸間の下に駆け寄った。

「ああ、君たちは引き続き、明日も新宿の街を張ってもらうよ。今日は帰って休みなさい」

「分かりました。……お先します」

「お先です」

 各々そう言い、フロア出入り口へ歩き出す。丸一日フルに働き、疲れていた。署を出て、付属の駐車場に停めている車へと歩いていく。運転席に乗り込み、エンジンを掛けて新宿区内の自宅方向へと走らせた。今村も車に乗って帰っていく。

 夕刻の新宿は喧騒がひどい。辺りは盛り上がり始める頃だ。車から遠方に見える繁華街にはネオンが灯り、明るくなっている。ハンドルを握りながら、アクセルを踏み続けた。

 自宅マンションに帰り着く前に、近くのコンビニで缶ビールを一ダースと酒の摘みを買う。そして自宅へ戻り、狭い居間へと移動した。スーツを脱ぎ、上下とも部屋着に着替えて、ゆっくりし始める。

 ビール缶を開け、アルコール分を含み、酔う。フワフワと浮くような感じだったが、一日中警察官の仕事をしていると、夜は気を抜き、疲労を取ることが優先だ。確かに堅気は疲れる商売である。気を抜けない。一課に配属されて長いから、中だるみのようなものもいくらかあったのだし……。

 午後8時40分。摘みの裂きイカやウインナーなどを夕食代わりにし、空腹を補った後、一風呂浴びようと思ってバスルームへ向かう。冷水シャワーを全身に浴びて、汗を流し、疲労を取った。午後9時半を回り、タブレットを充電器に繋いで、寝室へと入る前に居間でテレビを見る。岡田社長殺害事件はトップニュースじゃなかったが、連日報道されていた。新宿山手署に捜査員としている人間たちは、きっとこれをリアルタイムで見ているだろう。思う。明日も通常通り、早朝出勤だと。毎日、一デカとして殺人事件を追いながら、クタクタに疲れてしまうのは極自然なことだが……。(以下次号)


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