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新宿  作者: 竹仲法順
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第56話

     56

 2017年5月26日午前3時。枕元のアラームが鳴り、月井はベッドから起き出して上下ともスーツに着替える。昨夜見つけたタブレットはバッテリーが十分あり、スマホも前日から充電していて大丈夫だった。タブレット用のUSBもあり、スマホと一緒にスーツのポケットに入れる。洗面してキッチンでコーヒーを一杯淹れて飲み、目を覚ました。そして午前4時前にはカバンを持ち、部屋を出る。

 夏の早朝は蒸し暑い。駐車場から車を出し、新宿山手署へと走らせる。疲労はあった。夜眠る時間が少ないのできついのだ。だが、今日も通常通り仕事がある。月井も体力には自信があったのだが、さすがに連日外回りしていると、疲れる。それに朝は何も食べずに行くから、途中で空腹を覚えてしまう。

 午前4時32分。新宿山手署に着き、刑事課の捜査本部に入る。岸間がいて、

「ああ、月井君、おはよう」

 と挨拶してきた。

「おはようございます、班長」

「早速作業してくれ」

「分かりました。自分用のタブレットを一台持ってきましたので、それでやります」

「ああ。頼んだよ」

 岸間がそう言って班長席の方へと向かう。月井が一礼し、席に着いてタブレットを取り出した。そして操作し始める。画面が小さいので、慣れないとキーが打ち辛い。だが、しっかりとやる。タブレット用のUSBを差し込み、情報を次々に取り込んでいく。

 朝の警察署内は静かだ。ここが新宿区だとは到底思えない。月井も次々に出勤してくる捜査員に挨拶しながら、作業を続けた。朝のうちにしっかりと事件の情報を掴んでおけば、昼間の外回りは幾分楽になる。効率を考えていた。いろいろと試行錯誤などをしながら……。

 午前5時3分。今村が出勤してきた。

「おはようございます、月井巡査部長。……今日はタブレットなんですね?」

「ええ。自分用です」

「私は署のパソコンをお借りします。ノート型は家に一台ありますが、型が古くて重たいし」

 今村は昨日同様、署内のデスクトップパソコンで作業し始める。横顔が幾分、疲労気味なのだが……。捜査員は皆、午前6時の捜査会議を待つ。フロアに詰めて……。(以下次号)


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