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新宿  作者: 竹仲法順
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第55話

     55

 2017年5月25日午後9時5分。月井は自宅マンションに帰り着き、スーツを脱いで部屋着に着替えた。冷蔵庫から缶ビールと摘みのサラミを取り出し、酒を飲み始める。疲れていた。肌が汗だくなのだが、後で冷たいシャワーを浴びるつもりでいる。

 岡田徹殺害事件は捜査が迷走していた。刑事たちの必死の活動にも拘らず……。月井もずっと思っていた。殺害現場となったビジネスホテルの一室にきっと何かが隠されていると。

 ビールを飲みながら、部屋のデスクの周辺を見ていたのだが、机の上に以前通販で買っていたタブレットが一台あるのを見つけて、明日職場に持っていこうと思った。やはりデカもIT機器を携帯してないと、仕事が出来ない。高度なネット社会だから、手帳のメモ書きぐらいじゃ、到底事件に対応できないのだ。

 アルコールを含み、胃の中をサラミやチーズなどの食べ物で満たして軽く息をつく。そして午後10時15分ぐらいに入浴した。デカも一人の人間だ。岸間たちも泊まり込んでいる警察署のシャワールームで髪や体を洗っていると思う。この暑さは半端じゃない。月井も毎日そう感じていた。一日が終わると、肌が掻いた汗でベトベトになるのだし……。

 午後11時過ぎにはベッドに潜り込む。しっかりと水分補給し、枕に顔を埋めた。明日も通常通り仕事だ。午前3時には起きて支度するつもりでいた。わずか4時間ほどだが、睡眠時間が取れるから、何とか落ち着く。5月下旬で都内の夜は一際蒸し暑かった。エアコンと扇風機を併用し、涼を取る。夜中はマンション近辺も何かと騒がしいのだが……。(以下次号)


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