第52話
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2017年5月25日午後1時3分。月井たちはランチ店を出、新宿の街を歩き出す。一息したので、午後も外回りの仕事を続けるつもりだ。暑気が体を鈍らせる。特に都心の紫外線は強くて熱い。月井も今村も日焼けしていた。屋外にいることが多い証拠だ。
絶えず歌舞伎町を見張る。街の中枢ではパチンコ店やファーストフード店などが営業していて、通りはずっと賑わっていた。歩きながら、街のいつもの空気に浸る。これと言って変化がない。単に人も時も絶えず流れていく。
ここ新宿が月井たちの戦場なのだが、一般人には警官だと知られてないだろう。確かに上下ともスーツを着て、ネクタイを締め、堅気の格好をしていると窮屈で互いに参る。靴底はだいぶ磨り減っていた。昔の刑事小説のようだ。ひたすら歩いて回る。
午後2時15分。街は動き続けていた。繁華街や駅周辺などは人が多い。月井も今村も喉が渇けば缶コーヒーを買う。
「しばらくはここにいるしかないですね」
「ええ。……岸間班長の命令ですから」
今村の言葉に月井が返し、変わらず歩き続ける。特に何もない。人の流れに紛れ込む。単調な分、しんどかった。何せ事件現場で捜索などをしているわけじゃないのだから……。
午後3時2分。耳に装着していた無線が鳴り、岸間が月井たちに戻ってくるよう言った。了解し、すぐに新宿山手署刑事課の捜査本部へと向かう。収穫はなくても、警察は常に動く。きつい仕事だが、月井も昔から憧れてきた職業なのだ。多少の危険は伴うにしても……。署へ戻りながら思う。明日は一体何を任されるのかと。(以下次号)




