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新宿  作者: 竹仲法順
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第48話

     48

 2017年5月24日午後11時2分。月井は自宅マンションのベッドで眠りに就いた。疲れていて、一度寝床に潜り込むと、すぐに寝付く。浅い眠りを味わった後、翌日5月25日午前3時にアラームで目が覚めた。起き出して上下ともスーツに着替える。就寝時に着ていた汗だくのシャツを風呂場の汚れ物入れに入れ、キッチンでアイスコーヒーを一杯淹れて飲んだ。

 午前4時2分に部屋を出、駐車場へと向かう。車のエンジンを掛けて出し、早朝の新宿の街を走った。デカはきつい仕事だ。業務内容は単なる日雇いとまるで同じである。だが、文句は言えない。月井にも責任感があった。長年同じことをやってきているので……。

 新宿は中枢に行けば行くほど、盛り場が喧しい。月井も普段捜査一課の刑事として、街を見ている。ここも変わらないな。心中ではそう思っていた。歓楽街など、年月を経ても差して変化がないのである。

 午前4時32分。新宿山手署に着き、刑事課フロアにある捜査本部へと入っていく。岸間や他の幹部がいて、月井が、

「おはようございます」

 と言うと、

「ああ、おはよう」

 と岸間が返事をした。そして、

「今日も頼むよ。新宿の街を見回るのが君の仕事だ」

 と言ってくる。

「はい、分かりました」

 一言頷き、空いているデスクに着いてパソコンに向かった。USBを差し込み、情報を集め始める。マシーンの操作には慣れていた。月井もIT機器は十分使いこなす。刑事もそういったことをしてないと犯罪に付いていけない時代なのだ。いろんな事件が次々とハイテク化していくのだし……。

 比較的長い期間、同じ仕事に打ち込んでいる。月井は新宿の裏の裏まで知り尽くしているのだった。自分の家の庭のように。街は犯罪に満ちている。常に緊張感があった。もちろん、犯罪を取り締まるには実態を知ってないといけない。歌舞伎町対策マニュアルが警視庁にも冊子として発行されていた。まるで辞書のような分厚さなのだが、月井はそれを一字一句全部記憶している。警察官として、きちんと任務を果たすつもりでいた。誰から言われずとも……。

 自分の行動は自分で決める。そんな当たり前のことを積み上げていくだけだった。ずっと考えながら、日々やっている。デカは警察手帳さえあれば、どこにでも出入りできるのだし、逮捕権も持つ。いろんなことを学習し、研鑽していた。最近はまるで常識が通用しないような犯罪者も増えているのだし……。

 午前5時3分。今村が入ってきて「おはようございます」と言い、隣のデスクに着く。そしてキーを叩き始めた。朝は能率が上がるから貴重な時間だ。寝不足はいつものことで……。(以下次号)


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