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新宿  作者: 竹仲法順
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第36話

     36

 2017年5月23日午後2時5分。月井と今村はパソコンで情報収集を続ける。讃岐が時折目元を押さえ、マシーンの画面から目を離していた。月井が立ち上がり、コーヒーメーカーへと行ってコーヒーを一杯淹れる。そして飲みながら、またパソコンに向かった。

 事件全体がまとまらないまま、時だけが過ぎる。USBを差し込んだまま、得られた情報などを次々に詰め込んでいった。一際疲れる。フロア内はエアコンが利いていたのだし、冷え過ぎるぐらいだった。月井も今村も上着は着てないのだが、ワイシャツの下に汗が滲んでいる。お台場署刑事課内の捜査本部は一定の緊張感があり、何とか平静を保てていた。

 午後3時15分を回ると、デカたちが数名帰ってきた。そして皆パソコンに向かう。女性警察官はずっと課内で庶務を行なっているのだが、フロア内には若干女性用の香水の残り香が漂うだけで、別に目立つこともない。

「今村巡査部長」

「何です?月井巡査部長」

「高木梨帆も志村浩も多分ホシじゃありません。殺しの実行犯は別にいます」

「勘付いたんですね?」

「ええ。高木は岡田社長と接触があったと思いますが、殺してません。志村もやってないはずです。……だから、あの現場からは別のDNAが見つかっていいと思います」

「やはりそう来ましたか?」

「はい。事件捜査はこれからです」

 月井がそう言い、またパソコンに向かう。今村も席を立ち、フロア隅でコーヒーを一杯淹れた。がぶ飲みしながら、席へと戻る。プラスチック製のカップには半分ほど真っ黒い液体が残っていた。カフェインを含まないと、眠くてしょうがない。正直なところだった。月井がフゥーと息をつき、椅子の背凭れに凭れ掛かる。今村も作業が続いて、だいぶ疲れているようだ。

 讃岐が、

「月井君、今村君、君たちは休憩取って。カップ麺あるから、食べるといいよ」

 と言う。

「いただきます」

「私も」

 各々そう言い、フロア隅のテーブルにあったカップ麺を手に取ってお湯を沸かしながら、じっと考えていた。事件の核心は何か?岡田が殺害された理由は、やはり紛失していたUSBの中にある情報か?気になる。即席麺が出来上がり、食べながらもいろいろ考えていた。

 一口に休憩と言っても、そんなに長く休めるわけじゃない。実質15分程度の休憩で、またパソコンに向かう。夕方には捜査会議があるから、それまでに情報を仕入れておこうと月井は思っていた。夏の刑事事件捜査は暑気との戦いだ。本来なら、カップ麺で栄養を取ることは望ましくないのだが……。(以下次号)



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