表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新宿  作者: 竹仲法順
37/1001

第37話

     37

 2017年5月23日午後4時2分。月井たちは食事休憩を終えて、またパソコンに向かった。捜査本部内はエアコンが利いていて、過ごしやすくしてある。月井も今村もいろんなサイトへと次々に飛んでいく。現代の警察はIT機器をフルに使えないと、事件捜査できないぐらい細分化や組織化が進んでいる。

 時間が流れ、夕方近くなると、疲れが出てきた。着ているワイシャツの下は汗だくだ。月井も今村も一日中仕事をしていて、感覚が麻痺している。さすがに過労は祟ってしまう。夜など毎晩寝苦しいのだし……。だが、ある意味、健康体ではあるのだ。ずっと仕事が出来る以上。

 捜査会議は午後6時に始まる。月井たちはパソコンに向かっていた。マスコミが騒ぎ始めている。特に新聞社の報道は絨毯爆撃だった。警察の捜査手法を公然と批判している。頭が痛い。

 岡田が殺害され、高木梨帆も口を封じられて、警察の地味な捜査も頭打ちになっている。捜査員はメディアの報道などを気にすることなく、捜査を続けていた。特に所轄は人間が少ないにもかかわらず、通常通り外回りなどをする。確かに警察は力が足りないのかもしれない。月井も今村も、他の捜査員たちもそんなことを感じ取っていた。

 だが、こういった時こそ、己を信じることが大事だと思う。人間は他人の思惑など気にする余裕は基本的にない。自分のことで手一杯だ。少なくとも月井はそうである。警視庁捜査一課の刑事で巡査部長の階級しかないから、コマみたいなものだ。上が動かさなければ、動かなくても済むのである。月井は目の前の時間を大事にしていた。仮に進み辛い時でも前に行くしかないと思いながら……。

 午後6時。捜査会議が始まり、お台場署の刑事と警視庁捜査一課のデカが集まって、報告などをする。高木梨帆水死事件は、新宿のビジネスホテルにおける岡田徹殺害事件とリンクしていることが、捜査員の集めた物証等によって立証されていた。月井も今村も黙って聞いていたのだが、正直なところ、明日からどうなるか不安でしょうがない。もちろん、個々の捜査行動は自分で決める。その点だけはしっかり言い聞かせておいた。人間という生き物は、いろいろ考え出せばキリがないので……。(以下次号)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ