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新宿  作者: 竹仲法順
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第38話

     38

 2017年5月23日午後6時45分。捜査会議が終わり、月井と今村がフロアにいると、讃岐が、

「君たちには申し訳ないが、明日からまた新宿山手署に行ってくれ。この所轄管内での捜査は人数が足りてるからいい」

 と言って軽く礼をし、主任席へと向かう。月井たちも一礼し、そのまま署付属の駐車場へと歩いていった。お台場署を訪れることはしばらくないだろう。月井が車に乗り込み、アクセルを踏みながらそう思う。ハンドルを切り、車を出す。丸一日働くと、疲れが滲み出た。新宿の自宅マンション方向へと車を走らせる。

 新宿の街は相変わらずだった。夜はネオンが灯り、欲望の巣と化す。こんな街だから、犯罪も絶えない。普段から区内に住んでいて、常に思うことだ。別に街の雰囲気に紛れようとは考えてない。明日からまたここで、岸間警部の指揮の下、捜査活動に従事することになる。

 午後7時55分。自宅マンションに帰り着き、スーツを脱いで部屋着に着替えた。冷蔵庫から缶ビールを二缶取り出し、プルトップを捻り開けて飲む。夕食にコンビニ弁当を買っていたので、食事はそれで済ませた。アルコールを含みながらしばらく寛ぐ。

 確かに日々捜査活動で疲れている。月井は思っていた。事件の全貌を明かすのは俺たちデカの仕事だから、気を抜けないなと。岡田徹が殺害されたのは、持っていたUSBに詰め込んである情報が原因だと思われるのだし、明日から新宿山手署へ戻るから、事件を自分なりに整理し直すつもりでいた。岡田が殺害されたビジネスホテルの密室が何かしら作り物めいている。あの一室で事件当日何が起こったのか?トコトン考える気でいた。

 午後9時25分。シャワーを浴びて髪や体を洗う。冷水を体に掛けて冷やしながら、わずかな時間ゆっくりした。入浴後は眠るつもりでいる。都内は熱帯夜なのだが、ベッドに横になっているだけで、辛うじて脳だけは休まるのだ。

 午後10時35分。寝床に潜り込み、目を閉じて眠った。夏の暑さは安眠を妨げる。月井も寝苦しい夜を送り続けていた。明日も通常通り仕事だ。連続殺人事件が解決するまで、予断を許さない。常にそう思っていた。心身ともにクタクタになりながらも……。アラームは午前3時にセットしている。ほんのわずかな時間だけど休めるな。そう心の奥底で感じながら……。(以下次号)


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