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新宿  作者: 竹仲法順
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第35話

     35

 2017年5月23日午前11時35分。月井と今村は街を歩きながら、人の動きを見ていた。これから昼食の時間になると、街はざわつく。スマホの地図で位置を確認しながら、歩を進めた。

 確かにここ港区内にも今回の惨劇の真相を語るものがまだあるだろう。だが、月井たちも全部を探り当てることは出来ない。高木梨帆の自宅マンションも、志村浩のオフィスも疑惑はある。だが、決定打が見つからない以上、令状などを取って調べても意味がないだろう。警察にも限界というものがあるからだ。それに外は蒸し暑く、熱中症などになる可能性も高い。月井も今村も十分気を付けていた。

 正午を過ぎると、食事処が賑わう。どの店にも長蛇の列が出来ていた。月井たちは空腹を覚えてないので、そのまま歩き続ける。

 新たな物証等が出ないと、事件捜査は進まない。お台場署の讃岐にスマホで連絡すると「いったん戻ってこい」という返事が返ってきた。月井が了解した旨一言言って電話を切る。そして今村にも促して歩き出した。徒歩で港区の街を行く。太陽光線が絶えず照射してくる。

 署に戻り、刑事課にある捜査本部へと入っていった。讃岐が、

「ああ、月井君、今村君、お疲れさん」

 と言って、出迎えてくれる。そして主任席で引き続き、パソコンに向かい始めた。月井たちも空いているマシーンの前に座り、キーを叩き出す。事件について、またいろいろと調べ始めた。デカはかなり根気の要る仕事だ。月井も今村もずっと頭や体を酷使する。

 ネットなどで得られる情報は上積みだけかもしれない。だが、いろいろ分かってくるのだ。事件の全貌を把握しないと、捜査は手に付かない。実際、この世の中は高度なIT社会で、乗り遅れたらやれることもやれないのだ。

 月井も今までずっときつい生活を送ってきていた。だからピンチなど、数えきれないぐらい味わっている。だが、それに潰されなかったのも、自分を信じる力があったからだ。自分自身と自分のやっていることを信じていれば、必ず道が開ける。人生など、そんなことの繰り返しだと悟りきっていた。嫌なことや人の嫌う仕事も引き受けていたのは、それが己のためになると思ってである。実社会で活躍する人間など、所詮そんなものなのだから……。

 午後1時25分を回る頃、月井たちはパソコンの前に座り、黙々と仕事を続けていた。疲労は幾分溜まっていたのだが……。(以下次号)


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