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新宿  作者: 竹仲法順
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103/1001

第103話

     103

 2017年5月30日午前11時2分。月井たちは現場での事件捜査を続けた。確かに暑さで体力も気力も奪われる。時折タブレットを取り出し、キーを叩きながら、捜査情報を記録していった。疲れていても、やるしかない。そう思い、何とか踏ん張る。

 熱中症にならないよう、気を付けていた。月井も今村も、他の捜査員たちも水分を小まめに取っている。夏場はこういった過酷な捜査現場が命取りとなるのだ。

 正午になると、皆現場を出て、捜査員の控室に充てられている部屋へと向かう。弁当とペットボトルの飲料などが振る舞われ、月井たちだけでなく、蓜島らも食事休憩を取り始めた。

「本当に蒸し暑いですね」

「ええ。……月井巡査部長もお疲れでしょう?」

「まあ、そうですね。ただ、警官なんてこんなことばかりですから」

 月井が話しかけてきた今村に対し、そう言って、食事を取り続ける。蓜島が、

「月井巡査部長、あなたは一課のデカでしょう?普段は街の張り込みばかりですか?」

 と訊いてきたので、

「ええ、変わったことはありません。ずっとこの街にいます」 

 と返し、軽く笑みを浮かべた。本来なら笑う余裕などないのだが……。蓜島はずっと一課にいて、現場捜査が主務だ。いろんな事件に携わってきていて、刑事の鑑のような男である。月井の方は推理が弱く、つい体を張ることばかりだ。それはそれでまた、警察官としての職務を遂行していることになるのだが……。

 午後1時前には現場に戻る。また苦痛が続く。月井も今村も特に気を張ることなく、淡々とやるつもりでいた。もちろん、午前中に引き続き、事件捜査は続行されるのだが……。(以下次号)


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