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新宿  作者: 竹仲法順
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104/1001

第104話

     104

 2017年5月30日午後1時15分。月井と今村は現場でずっと動いていた。客室内のいろんな場所を見て回る。疲れていたのだが、互いに気を引き締めてやっていた。蓜島も他の捜査員と一緒に行動している。何もないことはない。デカとしての労苦は続く。

「月井巡査部長」

 今村が呼んだので、

「何でしょう?」

 と尋ね返すと、

「堀田班は加納を見つけられると思いますかね?」

 と言ってきた。

「ああ、任せましょう。捜査班は常に最前線で動いてます。我々は現場で粘ることに専念すべきですよ」

「そうですね。……少なくとも、マル被は今回の岡田社長殺害事件に関わってるはずですから」

 今村が頷き、現場内のカーペットの上を探って回る。月井も絶えず手を動かした。疲労が重なる。夏の暑さで。だが、事件捜査は続く。あの指紋や掌紋以外に何か出ないのか?それとも今回の岡田殺害は、加納単独の犯行なのか?捜査中は頭脳も使う。

 月井はタブレットを取り出し、キーを叩いて、端末に記録などを録っていた。ディスプレイは汗や脂で汚れていて、時折持っている布で拭き取る。思う。夏の暑い中での現場捜査ほど、大変なものはないなと。普段から街を張り込むことに慣れていても、今の月井に課される職務はきつい。

 午後2時過ぎに一度休憩が入った。脱水症状にならないよう、水分補給しながら、客室内に佇む。荒くなる呼吸を、努めてゆっくりへと持っていきながら……。(以下次号)


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