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新宿  作者: 竹仲法順
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101/1001

第101話

     101

 2017年5月30日午前8時2分。岡田徹殺害現場となったホテルの一室は捜査員が出入りしている。月井も今村も所定の服装をし、ずっと辺りを見て回った。何かと疲れていて、しんどいのだが、捜査中は気を抜けない。それに絶えず無線で他の刑事から連絡が入ってくる。加納猛を追跡しているのは、新宿山手署堀田班の関係者だ。班長で指揮官の堀田(ほった)正臣(まさおみ)は所轄の刑事で捜査畑が長い。月井とも今村とも、そして蓜島ら他の捜査員ともタイプが違う人間だった。

 時折、息をつきながら、蒸し暑いホテルの客室内を見て回る。事件発生後、時間が経っていて、物証などが色褪せていくような気がしていた。月井にはそう思える。だが、デカとしての活動は続くのだ。警察官はタフである。皆、頑健で。

 もちろん、月井も普段から体力作りをしている。新宿の街を見回るのがメインの仕事なのだが、合間に時間が出来れば、本庁の付属訓練場で所定の訓練をこなす。剣道や射撃、逮捕術など、学ぶことは多い。今は事件捜査に従事しているから、なかなか時間が取れないのだが、常に鍛える方向で行く。

 現場を見ながら思う。ドアノブに指紋や掌紋を残した加納が事件に関わっているはずだと。月井も推理はあまり得意じゃないのだが、刑事としてでなく、極々当たり前的な視点から物事を考える。

 午前9時半前に一度休憩した。缶コーヒーを一缶もらって、飲みながら一息つく。何かと疲労が滲んでいた。いろいろ考え込む。一警官として。持っているタブレットに得られた情報などを打ち込みながら、事件に向き合う。確かに、幾分行き詰まることもあるのだけれど……。(以下次号)


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