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新宿  作者: 竹仲法順
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100/1001

第100話

     100

 2017年5月30日午前5時40分。月井は刑事課内の給湯室に行き、コップに一杯水を汲んで飲み、気持ちを落ち着ける。コーヒーは止めておいた。胃が痛くなるからである。デスクに戻り、タブレットで作業しながら、午前6時からの捜査会議が始まるのを待つ。

 キーを叩き、事件に関する情報をいろいろ得る。確かに疲れていた。だが、そうも言ってられない。今村も早朝からの仕事に慣れたようだが、横顔に疲労が滲んでいる。互いにキーを叩き、情報収集を続けた。

 午前6時にフロア内の大会議室で捜査会議が始まる。集まっていた刑事たちは皆、一課長の両角に敬礼し、席に座った。そしていろんなことを告げ合う。会議は30分程度続いたのだが、やがて終わり、月井たちは岸間のところへ向かう。岸間班には月井と今村の他に門倉巡査もいた。互いに目礼を交わす。

 今日も現場の捜査なので気を抜けない。岡田殺害の場となったビジネスホテルに行く。一課の蓜島巡査部長も現場に来る手筈となっていた。捜査は難渋しそうだ。あの一室に作られた密室の謎を解くのに、相当な量の時間と人員が掛かっている。

 岸間班でも門倉は内勤に回され、月井と今村が事件現場担当でまとまっていた。部屋には入念に現場保存用ロープが張られ、わずかな痕跡でも鑑識の人間たちが押さえている。当たり前といえば当たり前だ。現役の刑事にとって、現場は絶対なのだから……。

 ホテルに来てから、一階の自販機で栄養ドリンクを一本買って飲み、朝食代わりにする。本来なら食事を取った方がいいのだが、時間がなかったので、あえてそうした。また空腹を覚えた時、何か食べるつもりでいる。部屋の中は蒸していて、午前7時半過ぎでもだいぶ暑い。蓜島が部屋の中を見ている。また何か物証が見つかるのか?事件の謎は徐々に解かれつつある。(以下次号)


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