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異世界サバイバルしてたら銀髪美少女に助けられて同居することになったけど、俺だけ何も知らない件  作者: ブナシメジ


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第九話

 ――カンッ!カン!


「ふぅ、このくらいあれば大丈夫だろ、後は背負子に乗せるだけかな。10kgぐらいは積めそうだな。」


 とうとう今日はアリスに同行して、街なのか村なのかにお出かけだ。とはいっても生活費を稼ぐためにハンカチと薪を売りに行く大事なイベントだ。アリスのハンカチは銀貨一枚になるみたいだから、この薪はいくらになるのかも楽しみではある。ヒモ脱出したい。


「レン、準備できた?行こうっ」


 アリスも楽しみにしていてくれたみたいだ。かくいう俺も凄く楽しみにしていた。なんなら服装の統一感があってペアルックだ。アリスには言わないが胸の内で思うのは良いだろう。


「アリス、行こうか!」


 ここから片道一時間程の道のりだ、普段から肉体労働をしているし、若返った肉体になったおかげで、運動量は大丈夫だが、また獣なんか出たら最悪だ。なにか武器も欲しいと思っているが、まずは生活を充足させるのが最優先か…?薪の値段とモノの相場次第だな。はじめてのお出かけスタートだ。


 アリスに歩幅を合わせてひたすら歩く。しばらくすると道と呼べるような装いに変わってきた。人の往来で土が踏み固められていて街までの行先を示してくれる。アリス以外の人に会うのが結構緊張している。


「レン、大丈夫だよ、言葉も上達してる。でも私から離れないでね?」


 そんなに顔にでていたのだろうか、アリスが声をかけてくれた。気配り上手である。離れるなというのは迷子になるからだろうか、それとも危険だからだろうか、恐らく両方だな…。意思疎通はかなりできる様になったが、この国の名前や、街なのか村なのかなど、聞けていない事がたくさんある。生活に必要な事は迫られて覚えたが、国の名前なんてどうやってジェスチャーで伝えればいいんだ?


 そんな事を考えていると、少し先に石壁が見えてきた。


(おぉあれは村じゃなくて、街だな!そこそこの規模の街だ!)


 近くまで来てみると高さは2mぐらいだろうか、日本の城ほどではないが、しっかりと組まれている。イノシシもどきの突進でも耐えられそうな厚みも確保している様にみえる。


「そこの二人止まれ。流通都市にはどんな目的で来た?」


 兜や革鎧、長槍に腰には短剣を装備している男性だ。そう声をかけられた。十中八九門番だろう。だって門にいるしね。というかここ村でも街でもなくて、都市だったのか。多分、流通都市って言ってた。どうしたものかと、アリスを見ると、任せて!という表情をしていた。助かります。


「モノを売りにきました。売物はこのハンカチと、彼の薪です。」


 門番はハンカチと背負子の薪を検分しにきたが、こちらもまぁ本当にこれしかないから何もないぞ、という堂々とした立ち姿で対抗だ。


「よし、お前ら通っていいぞ、よい商いを」


 さ、行きましょ!とアリスが手を引いてきたので一緒に門をくぐる。ドキッとしたのはアリスにバレてそうではあるが、今回も堂々とした歩き姿で対抗だ。


「おおぉ!アリス凄いな!こんなに賑わってるのか!」


 そこは例えるならパリのマルシェの様だ。道は石畳で統一されて、その両脇に露店が所狭しと出店している。手前は青果に野菜だろうか、奥からは煙が上がっていい匂いがするので屋台でもやっているのだろう。さらに奥にもあるのだろうが、人混みであまり見えない。周りをグルっと見渡すと、背の高い建物もある。三階建てだろうか、文明を感じる。そう目をキラキラさせているとアリスが手をぐいっと引っ張て来た。


「迷子にならない様にね」


 そう悪戯顔で言ってきた。はい。付いていきます、どこまでも。アリスは手を繋いだまま食べ物の通りを抜けて、雑貨を扱っている通りまで歩いた。目的は販売か。


「あら、またハンカチを売りに来てくれたのかい?おや、珍しいねそこのあんたは連れかい?


 恰幅のいい女性だ、やはり、売買しにきたのだ。なんと返答したらいいか分からないので、任せましたアリスさん。そう目くばせをした。


「そうなの、今回はハンカチ四枚と薪を売りに来たの、一緒に買い取って貰うことはできます?」


 そう、端的に交渉している。


「そうだねぇ本当は単価が安くて嵩張るものは扱わないんだけど、あんたの刺繍のハンカチのお陰で儲けさせてもらってるから、いいよ。ただし!今後もウチにハンカチ持ってくるんだよ?」


「そんなに念押ししなくても、おばちゃんには恩があるから他には持っていきませんよ。」


 アリスはおばちゃんに恩があるらしい。そして薪も買ってもらえる様だ。俺は商売の邪魔をしない様に半歩下がって直立不動だ。


「そうかいそうかい!素直で律儀な子は好きだよ!ほら、コレ受け取んな!」


 アリスは『ありがとう、おばちゃん、また来ますね』そう言って、代金を受け取った。俺は薪をおばちゃんの露店の端に置いて、任務完了だ。アリスと二人でその場を後にする。そのまま喧騒から離れたベンチに腰を掛けてアリスが俺に銀貨一枚と小銀貨五枚を渡してきた。


「え?俺に?いいよ、アリスが持ってて!俺使う事無いと思うし。」


「これは薪の代金でレンの報酬。それにお金は分散して持っていた方が、いいと思うの」


 た、たしかに、この世界に預金できる場所があるかも分からん。スリにあった時のことを考えれば、分散しておいた方がいいだろう。でも恩がある、手斧も服も買ってもらった。やはり、そのまま報酬をアリスに渡そうとしたが、アリスが口を開くのが早かった。


「レン、見て、私のハンカチはそこそこ高く売れるのよ?」


 そういって、銀貨四枚を見せてきた。おおぅ…おばちゃんの言っていた事に納得だ。単価が安くて嵩張って…それに比べてハンカチは…凄いな!


 アリスはこれでこの話はお終い!と言わんばかりの勢いで立ち上がり、振り返りながら、こう言った。


「せっかくだから一緒にお買い物しよっ!」


「そうだな!お供しますとも!」


 そういって俺も勢いよく立ち上がった。はぁアリスには本当に頭があがらない。あんなに可愛いのに頭の中は頑固だ。お金は受け取ってくれないだろう。ならばせめてアリスの為にお金を使うとしますかね。

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