020-『古代の遺跡』
その後半日探索を続け、俺たちは魔力の源へと辿り着いた。
遺跡...だろうか。
何にせよ、危険な事に変わりはない。
入り口でキャンプを張るのは馬鹿らしいので、少し離れた水場にキャンプを張って一夜を過ごし、そして。
「行きますか...」
「ああ、ミカは俺のそばを離れるなよ」
「はい!」
俺たちは遺跡の中へと入り込んだ。
半ば洞窟と一体化したようなそれは、入り口に二対の神像らしきものがなければ気付きもしなかっただろう。
「いつの文明のだろうねー? タマキ、分かるぅ?」
「さあな、俺は学者じゃない」
そしてこの場に学者は居ない。
よって、俺が言えることはただ一つ。
「敵が来るぞ」
「っ!」
「え、何で気づいたんですか?」
「索敵魔法を張っているからな」
流石に俺の仲間達は歴戦なので、慣れている。
目の前の暗闇から、台座ごと浮く四つ足の石像が飛んできた。
「ガーゴイルか」
「任せてーっ!」
真っ先に先行したのはマリアベルだ。
メイスが光を放ってハンマーに変形し、振るわれたハンマーがガーゴイルを床に叩き付ける。
だが、流石に硬いな。
ガーゴイルの周囲にあった床の破片や、ガーゴイル自体の欠片が浮き上がる。
「俺の周囲へ!」
「はい!」
「うん!」
即座に飛来したそれを、俺は結界で受け止めた。
マリアベルにも当たったが、彼女は聖儀の効果で守られている。
一応は敬虔な信徒だからな。
「ああ、バウリル様。貴方様の膝下に立つ私に、必殺たる加護をお与えください!」
マリアベルが叫び、その身体が金色の光に一瞬包まれる。
あれは攻撃力、貫通力が上がる聖儀だな。
神の名前と術の内容だけ合っていれば発動するらしいが。
「どおりゃーーー!」
マリアベルが、そのハンマーで今度こそガーゴイルを粉砕する。
バラバラになった石像はもう再生しない。
俺は一応魔導石と呼ばれる石像系魔物のコアを回収する。
これを拾っとけば、後で再生すると言うこともないからな。
「はぁー...終わりでいいー?」
「良い知らせと悪い知らせ、どちらから聞きたい?」
「良い知らせ!」
「地下へ伸びる階段があるな、すぐそこだ。...ただし、無数の魔物が犇めいているが」
「最悪ぅ!」
感知に引っかかる限り十はいるな。
まあ、殆どガーゴイルだろう。
「絶対通らないといけませんか...?」
「ミカ、昨日食った干し肉は美味かったよな」
「え、あ、はい」
「地脈の夢が崩壊すれば、食ったことはなかった事になる。ここを通らなくて、地脈の目覚めはないと思え」
「...分かりました」
本当は別の理由があるが、食い意地の張ったミカならこれで良いだろう。
なに、本当のことは言いたくないものだ。
最大規模の穀倉地帯を失えば、王国はこの先苦労することとなる。
そのためなら、俺以外全員死んでもこの場合は構わないのだ。
もとより俺の仲間は、死出の旅のつもりで同行してもらっているからな。
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