第八話 閉幕
黒い雨が降り続く。
荒廃した京都だった場所で二人が刃を交える。
「その程度かい?獅子王 剣聖!」
「お前さん如きに遅れはとらんよ!炎閣の恥め!」
無数の斬撃が飛び交う中、それを瞬時に見極め全て防ぐ。
「やるね!これならどうだい?」
前後左右から無数の斬撃が止めどなく放たれる。
一瞬の隙をみて、かわしながら距離を詰めていく。
「ちと、しんどくなってきたかもな!
やるとするか...」
刀を鞘に納める。
剣聖の周りの妖力が漲る。
狂死郎が接近してきたタイミングを狙い、刀を瞬時に抜いた。
華身一刀流 抜刀術
「延焼 地天」
自身の周りに最大火力の炎が放たれた。
「悪いね〜!!僕には効かないよ!」
狂死郎の周りには透明なバリアがはられていた。
「まさか...対妖刀無効か...」
「当たりと言いたいところだが、ちょっと違うこれは僕自身の能力さ!」
「お主がそう来るならこうするしかないようじゃな...」
大地がマグマのように熱く燃えている。
「妖装解放!! 煙焼若火不知火」
普通の刀と大差ないように見える...
僕の気のせいか?いや違うこれは...
「切っ先だろ?炎を纏っているのは...」
「さぁ?どうじゃったかな...」
妖刀 不知火の妖装解放...
それは妖刀 不知火自身が放つ熱を切っ先、刀身のいずれかに集中させることで高密度の炎を纏う一撃を与えられる。
「当たったか...いや、まだこれでもピンピンしているか...」
「さすがに今のは効いたよ!でも残念だったね!僕自身にはそこまで効かないよ!」
煙幕が広がっていく。
深い煙が周りを埋め尽くす中、狂死郎はひと言つぶやいた。
「煙幕か...懐かしいね。三百年前にも同じような使い手がいたね!」
背後から一突きの刃が狂死郎の背中から刺さる。
激痛が走る中、彼は言った...
「やるじゃないか?剣聖...」
一方その頃...
刀と鍔迫り合いが続く。
「妖装解放! 血清乱離村正!」
無数の血で生成された人型の人形が襲いかかる。
その人形の攻撃を受け流しながら
龍宮 謙策の元へと向かう。
「テメェらみたいな偽善者振る奴らは生かしちゃおけねぇからな〜!」
謙策の攻撃を受け流しながら距離を詰めるが妖刀 村正の妖装解放で発動した人形たちに阻まれる。
「この状況を打開するにはやるしかないのか?いいや、やるしかなさそうだ...」
相手の攻撃をかわしながら間合いに迫っていく。
謙策の人形たちが一斉に襲いかかった瞬間、すべてを一瞬の斬撃で燃やし尽くした。
妖刀が自身には固有結界が存在する。
妖刀同士で戦う際、相手が固有結界を発動した場合、自身の妖刀も固有結界を発動することができる。
百パーセント以上の妖力を引き出し、相手との固有結界の押し合いは基本的に妖刀に流し込まれる妖力の差で決まる。
また、妖刀固有の能力にプラスして追加で閉じない制約を結ぶことができる。
妖刀使い(ひと)はそれを妖装解放と言う。
「妖装解放!! 阿修羅観音 迦楼羅!」
鞘から溢れ出した炎が刀を通じて炸裂する。
周りの人形を蒸発させた。
「この一瞬で俺の人形が消された...」
相手の間合いに近づき、刀を振りかざした。
「これで終わりだ!謙策!」
「まだだ!まだ、俺は終われない。俺にはやることが...」
胴体を斬り裂いた。
「やぁ!待たせたね!謙策!」
「狂死郎...なんでここに?」
手には見覚えのある首を持っていた。
「なぜ?お前がここにいる?不死原 狂死郎ぉ〜!!」
「そんな大きな声出さなくてもいいよ。獅子王 剣!これは君に返すよ!油断してしまったようだね!でも、最後まで君を呼んでいたよ!彼は...」
手につかんでいた首を投げた。
「あっ!そうそう君の村正は私が貰っていくよ!」
「待てよ...ハァ...ハァ...助けてくれるんじゃねぇのかよ?...ハァ...ハァ...」
「いやいや、君はすでに用済みだよ!謙策〜!!じゃあ、またね!獅子王 剣!」
大きな鳥型の妖魔を呼び、この場から逃げていく。
「獅子王 剣〜!!最期にお前にひと言教えてやる...」
黒い雨は止み、空が徐々に晴れ渡り始めた中、歯を食いしばりながら空を見上げて叫んだ。
一粒の涙を流して...
そして、夜になる頃に...
不死原 狂死郎より、文が鴉を伝って各地に届けられた。
そこにはこう綴られていた。
「妖刀に選ばれし者たちよ。これより各四十七の国(県)において、殺し合いをしてもらう。もちろん、参加するかしないかは自由だ。君たちが妖刀持ちを殺すのも関係ない民間人を殺すのも君たち自身が決めればいい。最後に一つだけ忠告しておくよ。これは遊びじゃない。命をかけた遊びだ!そのゲームの名は...死海門鐘」
...大阪城天守閣...
「すでに始まっているのさ。見ているといいよ。これから始まるのは誰も縛られない。三百年前の続きさ!そして...僕の計画はすでに次の段階へと進んでいる。」
真ん中のくぼみに妖刀 村正を差し込んでいる。
大きな髑髏の形をしたものが眠っていた。
「あとはここに大量の血を流すだけだね...」
京都が妖魔の魔境とかしてから一ヶ月の月日が流れた...
一ヶ月後...
かつてあった京都の面影は消え、更地とかした京の地には多くの妖魔が潜んでいた。
荒廃した京都をひたすら走る。
どこもかしこも妖魔だらけの街...
かつて盛り上がっていた頃とは違い、今はただの妖魔が潜み、人を襲う魔窟とかしていた。
「誘き出すか...」
少年は妖力を放出した。
周りの妖魔はそれに釣られ、少年へと襲いかかる。
少年は襲いかかる妖魔を振り祓いながら京都の中心を目指す。
「頼んだ!晃作!!」
刃を地面に突き刺しこうつぶやいた。
「影煙紅花」
地面から複数の影で作った竹槍のような物が出現する。
相手がその地面を通るたびにそれが作動した。
京都だった街は今は妖魔と呼ばれる魔物が多く集まる巣窟とかした。
そして、二代目炎閣の居場所はわからないままでいた。
今日もまた、妖魔をひたすら狩り続ける。
「で?どうするよ?桜華」
「まずは対魔の剣を探す!そうすれば、妖刀夜桜の封印は解けるはずだ。お前らはどうする?獅子王」
「俺たちは...」
「なら、あの男に会いに行け!篠波烈破アイツは俺よりも強いからな!」
「篠波...とりあえず分かった。」
「アイツは福岡にいるはずだ!」
福岡...
「ちぃ...今回もハズレかよ!つまんねぇの」
一人の男が迫っていく。
「おいおい兄ちゃん!面貸せや!」
「アァ?」
「す〜いませんでした〜!!」
「ヤーさんでもねぇのに突っかかってくるなよ!」
「さて、行くとするか...お前はどう思う?八鶴」
「さぁね?アタイに聞かれても...」
「まったく、溜まったもんじゃねぇよ...死海門鐘ねぇ~...エグいことをしてくれるぜ。炎閣とかいうやつは...」
「そうかい?アタイはそうとは思わないけどね。」
文が1羽の鳥を通じて渡される。
「桜華からじゃねぇ~か!」
中身を確認してニヤリと笑った。
オレンジ色の髪にオレンジ色の羽織の背が150cmほどの小柄の男だった。
あれから一ヶ月...
後に京都事変と呼ばれた最悪な事変は幕を閉じた。
多くの者が犠牲となったが後の政府はこの事変を深い闇に落とした。
しかし、まだ二代目炎閣こと不死原 狂死郎の目的は明らかになっていない。
そしてこれから起こりゆる出来事さえも...
京都事変は終わりを迎えた。
そして妖刀を持つ者たちの殺し合いが始まる。
「死海門鐘について」
次回より死海門鐘編に入ります。




