↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖刀 四重奏(カルテット)  作者: 幻魔 狂死郎
追憶編
60/66

第六十話 色褪せない思い出

桜華の家で鍋を囲み、そんなたいしたものが入っていない飯だったがそれでも三人で食べる鍋は何だか懐かしく感じた。

「うまいか?」

「あぁ!いつもは何を食っているんだ?」

「いつもは麦飯と味噌汁と漬物とかだな!って言っても最近は、中々食べれてないけどな!」

桜華は少しうつむいて続けて小声でこう呟いた。

「薬代でかなりかかってるからな」

「だからか!」

「悪いが、少し別の方向を見ていてくれ!」

桜華は飯を済ませて妹の体をぬるま湯で温めた布で拭いていた。

拭いている間に狂死郎は桜華にこう呟いた。

「いつもそうやって介助をしているのかい?」

「あぁ、自分で風呂にも入れないからな...それに飯も食べることが困難だからな。」

「そうか!桜華...ちょっと外で話をしないか?」

「ん?わかった。」

桜華は妹に一言伝えて、外へ出た。

外へ出ると狂死郎はこう呟いた。

「もし、お花ちゃんが行きたいのなら今度三人で散歩しないかい?」

「お花に聞かないと分からないが俺はいいぜ!」

「じゃあ、また定期的にお邪魔させてもらうよ!その時に教えてくれ!」

「あぁ、今日はありがとな!」

夕闇が照らす時間になりかけたとき、二人はそれぞれ手を振り合って別れた。

桜華は狂死郎を見送ったあと、家に戻りお花にこう呟いた。

「お花!今度、散歩してみないか?」

お花は嬉しそうにこう答えた。

「お兄ちゃん!私、散歩したい!」

あれから一ヶ月後...

何もない日々が流れていた。

週に数日、狂死郎は桜華の家に顔を出すことが日課となっていた。

狂死郎が提案した散歩の件で桜華はこう言っていた。

「お花も行きたいって楽しそうな顔をしていた。」

「そうか!それなら良かった!!明日とかにするかい?」

「明日か...」

「何か予定がある感じかい?」

「いや、大丈夫だ!明日の夕方頃でもいいか?」

「あぁ!それで構わないよ!」

ーーー翌日ーーー

時間は正午を過ぎ、15時ぐらいの時間になろうとしていた。

団子屋でお茶をすすって一服を済ませた後、そのまま団子屋を出て桜華の家へと向かう。

桜華の家にたどり着くと桜華が草鞋を入って妹をおぶっているのを見た。

「おっ!?狂死郎!遅かったじゃねぇか?」

「ごめんごめん!ちょっと遅くなってしまったね!」

「まぁ、そんな急かしてないから安心しろ!」

桜華はおぶっているお花に話しかけた。

「お花はどこへ行きたいとかあるか?」

お花は少し考えながらこう呟いた。

「うーんと、川かな!」

「おう!分かったって...川に行って何かするのか?」

「お星さまを見るの〜!」

「いや、待て待てまだ夕方だぞ?」

狂死郎はそこに割って入ってこう呟いた。

「まぁまぁ、いいじゃないか!たまにはさ!」

「お前がそこまでいうなら...」

「お兄ちゃん!いい匂いするね!」

「あぁ、天ぷらか?」 

「あれって天ぷらっていうの?」 

「あぁ、衣がサクサクしていて美味いんだよ!」

「へぇ〜!私も食べてみたいな〜!」

狂死郎は桜華に目線を向けてお花に話しかけた。

「食べてみるかい?」

「うん!」

狂死郎は店へ向かい天ぷらを購入し、お花に渡した。

「食べてもいい?」

「いいよ!熱いから気をつけてね!」

フゥーフゥーと息を吹きかけながら少し冷まし天ぷらを口にした瞬間、お花はこう呟いた。

「美味しい〜!」

「だろ?兄ちゃんがまた今度作ってやるからな!」

「うん!楽しみにしてるね!」

「美味しいなら良かった!」

「ありがとう!狂ちゃん!」

街の風景や沈んでいく太陽を見ながらお花はこう呟いた。

「わぁ〜!綺麗!!」

「いいぐらいに夕日が沈んでいってるな!」

「あぁ!綺麗だ!」

日が沈み、河川敷に三人仲良く座り込み持参していた。

おむすびを食べながら話をしていた。

ちょうど、雲がない綺麗な夜景が桜華たちを照らしていた。

その光景を見つめながらお花は立ち上がろうと必死になっている中、桜華と狂死郎は心配そうにお花を見つめていた。

「ねぇ!お兄ちゃん、狂ちゃん!また来年も再来年も一緒にお星さまを見ることできるかな?」

少女は立ち上がりそう呟いた。

「あぁ、来年も再来年も毎年!見よう三人で!」

「うん!三人でまた見よう!」

三人はそれぞれ微笑みながらそう答えた。

楽しかった時間はあっという間に過ぎ去る。

あの頃の唯一三人で何気ないものを一緒に笑いあって見た光景は今もこの胸に焼きついている。

その三人を照らすように三本の星が流れる。

「あっ!流れ星!通り過ぎちゃった!」

「また、見に来た時に手を合わせて願わねぇとな!」

「楽しみにしているよ!また、来れる日を...」

「あぁ...」

ーーー夜桜町 団子屋ーーー

二人のガタイのいい男が団子を頬張っていた。

そこに一人の男が現れてこう呟いた。

「忙しいところすまない!今回の依頼の件だが...」

「今回の依頼ねぇ〜!いくら払うんだ?あんたらは?」

「数千万ほどの金になる話だ!まぁ、お前一人でも行けそうだと思うが念のためもう一人呼んでおいた。」

「まったく、お節介なお役人様たちだぜ!で始末するやつは?」

「志波竝家の生き残りだ!一人は志波竝桜華というガキともう一人は、志波竝お花という女だ!上の奴らがあの秘密についてうるさいもんでな!始末しておいてくれとのことらしい!」

「お前にしかできないことだが引き受けるか?刹那!」

「わりぃ、刹那って名前はとっくに捨てた。今は蕗谷だ!」

「そうか!なら改めてやってくれるか?蕗谷霊璽(ふきや れいじ)!!」

「俺はいいがもう一人は?」

「その二人を殺ればいいんだろう?」

「おっと、紹介が遅れたな!コイツは...」

「赤葉誠一郎(あかば せいいちろう)!これでいいか?」

「赤葉...そうか!盲目の剣客ね〜!面白れぇ〜ことをしてくれる!」

「そうか?なんせ、上の連中が二人がかりで行かせろっていうからな!それでお前ら二人に依頼したいわけだ!」

「とのことだが?」

霊璽は赤葉に視線を向けると赤葉は頷いた。

「良さそうだ!」

「任務完了を確認次第お前たちに届ける。」

「あぁ、分かった!あとここの飯の料金もお前の方で払っておいてくれ!」

「はぁ〜!俺をなんだと思ってるお前の下僕とかじゃねぇんだぞ!」

「そうは言ったって金がねぇんだから仕方がねぇだろ!女遊びと酒に使ったんだからよ!」

「あのな!大概にしておけよ!お前のそうゆうところ!昔から付き合いあるから言うけどよ!」

「わりぃわりぃ!今回の依頼を終わらせたら他の借金返し終わったら奢ってやるからよ!」

「まったく!仕方ねぇやつだな!ほらよ!」

「ありがとうな!」

「早く、終わらせてくれよ!霊璽!」

「あぁ、わかってる!」

男がその場を後にしたのを見送ると霊璽は赤葉にこう話しかけた。

「飯も済ませたところだし、さて一本吸うか!どうだ、お前も?」

霊璽は紙タバコを赤葉に差し出した。

赤葉はキセルを取り出し口にくわえこう呟いた。

「悪いな、俺はそれ(紙タバコ)よりこっち(キセル)のほうが性に合ってる」

「へぇ〜!意外とかっこいいこと言うじゃねぇか?」

紙タバコをたまたま持っていた小刀で切って赤葉がくわえてるキセルの火皿に入れた。

「おっ、おいテメェ〜!何しやがる!」

「わりぃわりぃ、あまりにもいい吸い方してるからつい手が滑ってしまってな!」

「わざとだろ?」

「わざとの理由(わけ)あるかよ!」

「さて、俺はそろそろ行くとするよ!また団子屋で話そうぜ!決行日とかを決めねぇとならねぇしな!じゃあな!盲目の剣客さんよ!」

「フッ!好き放題いいやがる!生意気な男だな!ったく。」

そう言いその場を後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。