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妖刀 四重奏(カルテット)  作者: 幻魔 狂死郎
戦國編
48/50

第四十八話戦國人伝パート5

1570年4月...

織田信長は朝倉義景あさくらよしかげの越前(現在の福井県北部)へ進行をしていた。

金ヶ崎城...

城内にて足音が響き渡る。

「殿〜!殿〜!」

「何事じゃ?猿!」

「先ほど、伝令兵から浅井長政率いる軍勢が金ヶ崎城に向けて出陣したとの報告が入りました。いかがなさいましょう?殿!」 

信長は少し黙り込み考えはじめた。

それを周りの家臣は黙って見守っていた。

「退くとしよう。猿よ!光秀と含む軍勢で殿しんがりは任せた!」

そう告げ、城を後にしたタイミングで浅井長政の兵士たちが織田軍を追いかけていく。

一番最後の列にいた秀吉が叫んだ。

「ここは、わしが相手をしてやろう。」

「お主は織田の家臣か?」

「そうだと言ったら?」 

「わが名は鳥羽本貞とば もとさだ!いざ勝負!!」

槍を構え、秀吉へと矛先を振るう瞬間...

秀吉は瞬時に刀を抜き呟いた。

「滅ぼせ!阿修羅!!」

墨汁で描いた無数の手のようなものが現れると同時に相手の動きが止まっていた。

「食ってよいぞ!阿修羅!」

その瞬間、どこからともなく現れた黒い虎が敵の兵士を平らげた。

「よくやった!阿修羅!」

一方、もう一箇所では...

「貴様!織田の家臣か?」

「そうだとしたら?」

「わが名は槍の菊右衛門!悪いがここで討たせてもらう。」

槍を構え、明智へ向かい振り下ろす瞬間!

それを見切っていたように受け流した。

「燃え盛れ!伊邪那美いざなみ

槍を弾いたと同時に燃え盛る炎を刀身に纏った刃が敵の兵士の胴体を切り裂いた。

「むっ...無念...」

その遺体は骨すら残さず灰とかした。

しかし、織田家と同盟関係だったはずの浅井長政あさいながまさの裏切りによって織田家は京都へ逃げるのであった。

その後、京にて...

「やってくれたな!浅井め!やはり、同盟すらも破るとはな!」

「しかし、ここからどういたしましょう?」

「いや、いいことを思いついた。炎閣を呼んでくれ!」

数分後...

「お待たせいたしました。信長様!」

「ご苦労だった!炎閣よ!一つそなたに頼みたいことがある。」

炎閣に小声でゴニョゴニョと耳元で呟いている所を家臣たちは呆然と眺めていた。

「承知いたしました。もうすでに物は出来上がっております。」

「そうか!ならば徳川家康に文を送り、姉川であやつらを討つ!」

「承知いたしました!」

そして、6月(ユリウス歴 7月30日)に差し掛かり信長は大太刀を馬に乗せ出陣した!

そう、これは後に姉川の戦いと呼ばれる合戦だった。

まだ、霧が晴れない朝に両軍は南側(織田・徳川連合軍)と北側(朝倉・浅井軍)に展開していた。

ほら貝による開戦の合図と同時に秀吉と光秀による攻撃が朝倉・浅井軍を押し出していた。

周囲を見渡すと焼け焦げた痕跡が残り、焦げた匂いがしていた。

「とっ、殿!あれは一体...」

「わっ、わしにもわからぬ!一体何が起きておる?」

そう、それはあまりにも無残で地獄絵図とかしていた。

浅井・朝倉軍...

「あれは...本当に人の所業か?」

「単なる斬り合いなんてもんじゃない!あれは鬼?いや、化け物か?」

敵兵の士気はどんどん下がっていった。

「うむ!良いぞ!良いぞ!」

信長は高笑いしながらその光景を見ていた。

「どれ!俺も一つ振るってみるとしよう。」

「殿!自らですか?」

「大丈夫じゃ!一太刀振るうだけじゃ!」

敵兵が信長の周りを囲むように現れる。

「コイツが織田信長だ!殺っちまえ!」

相手の攻撃があたる瞬間、それを左手で受け止め呟いた。

「うむ、実に甘い!悪いが貴様ら如きに振るうのが持ったいないが悪く思うな!」

「極まれ!摩天!!」

大太刀を一太刀振るった瞬間信長を囲んでいた敵兵が一瞬にして消えた。

何が起きたかその場にいた兵士たちは理解できなかった。

何故なら神隠しと同じようなことが起きたからだ。

織田家の陣地近くの高台から一人の男がその光景を見つめているととある男が声をかけた。

「どうだ?驚いたじゃろ!明智殿!」

「あなたは炎閣殿!!なぜここへ?」

「そりゃ、決まっているだろう。信長様の晴れ舞台を見に来たんじゃ!」

「あれは一体何なんですか?」

「あれか...妖刀 摩天!!お前たちが扱う。十ニ神刀で一番最初に作った妖刀じゃよ!そして、その摩天の能力は概念!自身が思い浮かんだ言葉...まぁ、簡単にいうとこういうことじゃ!

例えばここに大勢の人がいるとしよう。その中で自身の目に止まった人を消せるとしたら?お前さんならどうする?善悪関係なしに消したいと思うか?」

「つまり、視野に映るものを自身で選び消すことができるっていうことですか?」

「それも一理、ある。何なら概念...言わば指定したものを消せるってやつさ!あの妖刀の力は...」

それは後に認識識別固有妖刀0と呼ばれる妖刀だった。

そして、それを目にした兵士たちは苦悶の表情で満ちあふれていた。

「あれは本当に刀なのか?それとも...妖怪やそういう類いのものではないか?」

前線に出ていた兵士たちの惨状を見ていたものたちはすぐさま逃げ出した。

「無理だ!勝てるわけがない!あの忌々しい刀を持つ者たちには...」

「これが...織田信長の力ってやつか...」

浅井と朝倉の両者は顔を見合わせながらボソッと呟いた。

「やむを得ない!全軍に通達せよ!撤退じゃ!」


先ほどまで戦っていた兵士たちは無惨にも逃げていった。

「殿?どういたします?追いますか?」

「追わなくてよい!わしらの勝ちじゃ!」

勝どきの声が上がる。

その声が上がる中、光秀は信長を見つめながら心の底でこう思っていた。

信長様のあの大太刀も妖刀なのか?それにしては数多の将すらも恐れおののく...

これは凄いお方に仕えられたかもしれん...

正式な記録には残っていないが妖刀を最初に使ったとされている戦いがこの姉川の戦いだった。

戦の後の宴...

「信長殿!先の戦、見事な活躍でしたな!」

「家康殿も中々、踏ん張っていたとか聞いておりますぞ!」

「ところで気になっていたのですがあの大太刀は?」

「あれは我が軍が開発している。妖刀と呼ばれるものです。」

「・・・妖刀とは?」

「妖刀は言わば、特殊な力が眠っている刀ですぞ!例えば、炎を刀身に纏ったりなど色々ありますがな!」

「なるほど...ならばその力を使えばいずれば天下を...」

信長は微笑みながら呟いた。

「それもできますとも!」

酒を飲みながら色々と家康にダル絡みしている信長を見て炎閣は呟いた。

「むしろ、これからですぞ!お館様!!妖刀の実戦配備は!」

これは新たな歴史の始まりにしか過ぎない。

後に残る歴史の...

そう、それは涼しい風が吹く夜の出来事だった。



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