第四十五話 戦國人伝パート2
ところで、何故信長公がこれほど平和の世を望んでいるか?それは幼き日に出会った少女との約束が関係している。
それは今から約、十七年前...
1544年の話...
織田信長がまだ十歳になったばかりの頃、よく城を抜け出して城下町へこっそり行っていた頃だった。
城から誰にも見つからないように抜け出し、今日も今日とて城下町へ向かう一人の少年がいた。
「今日も、爺やの目を欺いて城下町に着いたぞ!!親父殿も今日はいない。さて、探検をしよう!」
城下町に暮らすものと同じような服装をし、城下町に住む少年のようにはしゃいでいた。
城下町で暮らす子供たちと遊んでいると一人の少女が信長を見つめていた。
その少女は、他の子供たちとは違い少し子供にしては大人びているような少女だった。
信長はその少女に話しかけた。
「お前もこっちで一緒に蹴鞠とかしないのか?」
少女はニッコリしながら首を横に振った。
信長はこう呟いた。
あの少女、言葉を発せられないのか?
それとも話すのが苦手なのだろうか?
まぁ、どちらにしろまた話せれば聞いてみよう!
日が沈む前に急いで城に戻ると城の門の前に門兵と話している男がいた。
聞く耳を立てて聞いていると、どうやら最近女児の誘拐が近隣の国でもあったらしい。
その話を聞き、信長は小声で呟いた。
まさかこの尾張にも起きないと思うが...
その後城に戻り、誰にも気づかれないようにいつものふりをしているとどこからか信長を呼ぶ声が聞こえた。
「信長様〜!!どちらに見えますか〜!!」
「うるさいぞ!秀貞!」
「まったく、世話を焼かせないでくださいよ!あなたはもう、十歳になるのですから...」
「いいじゃないか!わしだっていつもと同じようにつまらない日常を過ごしたくないんじゃから!!」
秀貞はため息をつきながら呟いた。
「とはいえ、あなたは織田家の家督を継ぐのも近いのですからもうちょっと大人しくなされ!!」
「これだから秀貞のことを好かんのじゃ!!」
秀貞との話を済ませたあと、自身の寝室で眠りについた。
そして、翌日になりいつもと同じように家臣や門兵に見つからないように抜け出して城下町の子供たちと遊ぼうと走っていた時だった。
一人の少女が連れて行かれる後ろ姿が見えた。
「いい子供が手に入ったな!それも女の子か...大人になればきっといいべっぴんさんになるだろう!これは高値で売れるぞ!そうは思わねぇか?藤吉!」
「そうだね!兄貴!!もしかして俺たちお金持ちに慣れるかもね!!」
「そうなったら死ぬほど飯も食えるってもんだ!」
少女は抵抗しながら呟いた。
「離して!!」
その光景を見ていた信長は迷うことなく、足を踏み出した。
そして、男達に対して体当たりを与えるがそこまでのダメージはなかった。
「なんだ?このガキ!!」
もう一人の男は信長の顔をみて呟いた。
「兄貴!コイツ、織田家の跡継ぎですっせ!!」
「なら、このガキを殺してこの小娘を売れば俺たちはこの業界で名が知れるってもんだ!」
男達は鞘から刀を抜き、信長に切っ先を向け呟いた。
「おい!この小僧を拘束しろ!」
「何をする!離せ!!」
縄で手と足を縛られた状態で地面にうつ伏せにさせられた。
「愉快!愉快!さすがに武士の子でもこれじゃあ、何もできないよな!その小僧を山まで運べ!コイツは山で殺す!そして、この娘は売る!」
「離せよ!」
城下町を抜け、馬を走らせ山奥へと向かっていた。
その頃、城では信長がいないことを心配した家臣たちが騒いでいた。
「あのうつけ者は一体、何をしておる!秀貞はいるか?」
「ハッ!ここに!」
「きっと城下町にいるであろう!信長を連れて帰ってまいれ!頼んだぞ!」
城を出て、馬を走らせ城下町を駆けているととある子どもたちが秀貞の元へと向かってくるのをみた。
「君たちは?」
「ごめんなさい!実は信長さまが...」
子どもたちから事情を聞いた秀貞は山へと走り出した。
「ありがとう!お前たちは家に帰りなさい!あとは私が何とかしてみせる。」
山へと馬を走り出した。
山へ続く道を進んでいくとそこには古びた蔵のような場所へたどり着き、その蔵の扉を開けると同時に信長は放り投げられた。
「お前は、ここで明日の朝まで大人しくしてろ!まずはこの娘の方からだ!」
何やら良からぬことを考えている。
そんな雰囲気が漂う中、信長は隠し持っていた小刀で自身の手の縄を切ろうとしていたが中々、切れない。
ちょうど、深夜の時間帯に差し掛かろうとしていた。
周りは暗く、明かりすらもない。
睡魔が襲う中、信長はひたすら睡魔と戦いつつどう切り抜けるか考えていたその時、遠くから声が聞こえた。
「信長さま〜!!」
秀貞!?
秀貞なのか?
そこには、武士の格好をした男が立っていたのだろう。
その男はとてつもない力で蔵の門をこじ開け!信長に駆け寄り、手と足の縄を切りこう呟いた。
「さぁ!ここから逃げますぞ!」
信長は立ち止まり呟いた。
「いや、そのまえにやらなければならないことがある。」
近くにある小屋へ向かうとそこには真っ裸にされた少女が手足を縛られた状態で柱に縛られていた。
それを見ながら酒を飲む男達がこちらを一斉に見ていた。
「チッ!これから存分に楽しめると思ったのによ!まさか、あの小僧の家臣か!」
「秀貞、刀を貸せ!」
「ですが、まだ刀を使ったことなど!」
「良い!このまま、コイツらのようなクズを放っておくことなどできぬ!」
「言ってくれたな!クソガキ!お前の命もろとも粉々にしてやる!」
刀を振り下ろす瞬間、相手の刃があたる直前で刀を鞘で受け止め、相手の首を切り裂いた。
「兄貴!」
その男の首が飛び地面へと転がり落ちる。
「さぁ?次はお前だ!」
一次的に怯んだ男は震えだした足を踏み出し、信長に斬りかかる。
斬りかかろうとした瞬間、相手の胴体を真っ二つに切り裂いた。
「えっ?」
「また、くだらないものを斬り伏せた!」
その後、少女に服を着せてたき火を起こししばらく秀貞と話していると少女が目覚めた。
「ここは?」
「よう!目は覚めたか?」
「私は何を...」
信長と秀貞はさっきまでに起きた出来事を話した。
少女は少し、顔が赤くなりながら信長にこう言った。
「信長様、助けていただきありがとうございます!」
「そなたが無事なら良い!良い!」
朝日が照らし出した景色を見つめ信長は呟いた。
「今回は防ぐことができたが今後も恐らく争いが起きる度同じことがおきるだろう。秀貞、わしは決めた!わしがこの日ノ本の国を統一して一つにし、このような人身売買などを無くす。そして、人々が平等に生きられる世を作る。」
秀貞は、その言葉を聞いたときふと涙が頬から流れた。
「信長様!私は、感動いたしました!私も残りの火が消える日までお供いたします!」
その日の朝はいつもに比べて太陽が暖かく、照らしている気がした。
そして、1560年秋...
清洲城にて一人の男が大きな木箱を運びながら城へ入っていった。
城に入ると同時に織田家家臣が待っていたかのように目をキラキラさせながらその木箱を見つめていた。
織田信長が現れ、その木箱について聞いた。
「炎閣よ!それは一体なんじゃ?」
「遂に完成しました。認識識別固有妖刀が...」
後の世に語り継がれる。認識識別固有妖刀の原型となったとされる刀...
十ニ神刀と呼ばれるものであった。
※当時の認識識別固有妖刀と現在(大正)のナンバーズは異なります。
おまけ
番外編
髪の毛の話
晃作は最近おかしい...
やたらと髪を触ってボソボソ呟いてる。
「あぁ、そろそろ髪切らないとな!でも、どうゆう髪型が似合うかわからないし」
ボソボソ呟いているときに桜華と鹿洲が話しながら通ってきた。
「何、一人でボソボソ言ってるんだ?」
「うん?髪型どうしようかなって」
「確かに最近、伸びたな!」
「ここは、定番の坊主何かはどうだ?」
「えっ〜!何か、ハゲは嫌だ!」
「ハゲに失礼だろうが!」
「お前がな!」
「じゃあ、こういうのはどうだ!」
そこには鶏の頭だけ強調して描かれていた絵を見せてきた。
「誰の頭をこうしたいんだよ!」
全員で、晃作を見ていると晃作が...
「誰がトサカ頭だ!」
「いや、誰も鶏の頭しか見ていないのトサカだなんて...プップッ!」
「いや、笑ったな!今確実に笑ったな!」
「もう、怒った!床屋行って、お勧めにしてもらう!」
2時間後...
玄関を強く閉める音が聞こえる。
「ただいま!」
晃作の頭を見るとそこには鶏のような頭になっていた晃作がいた。
それを見て、笑い出した。
「やっぱ、トサカがオメェに似合うじゃねぇか〜!晃作!!」
晃作は顔を赤らめながら大声で呟いた。
「今、笑ったやつブチ殺す!!絶対にやってやる〜!!」
それはとある日の愉快な話しだった!?
「愉快な話違う〜〜!!」
お終い




