第四十二話終わり良ければ全て良し
・・・華身一刀流剣道場・・・
久しぶりに道場に戻ると剣道場が悲惨なことになっていた。
道場の看板は外れかけていて、中は道場破りが入ったような感じで荒れに荒れている状態だった。
「...俺の道場が...」
留守番組がいうには剣たちが戻ってくる三日前に豊臣の配下かわからないやつが道場破りをしにきたとのこと...
鹿洲は涙を流しながら刀を強く握りしめ呟いた。
「見つけたら生かしちゃおけねぇよな!殺っていいよな!人の道場をぶっ壊しやがったからな!」
すると、留守番組が鹿洲の家の横にある大きな蔵へと案内するとそこでこう言った。
「実はこの中にいるんだよね〜!例の道場破りたちが...」
蔵の中へ入ると天井からロープでつるされている道場破りの姿が見えた。
道場破りたちは全員で3人ほど...
「やっと、誰か来たか?頼むからそろそろ解放してくれよ!飯も食ってないし三日間寝れてもいない。」
「飯をやる前に、とりあえず話を聞かせてもらおうか?」
男はこう言い始めた。
「とある男から依頼を受けて女物の羽織を来た男を始末しろ!と妖刀と地図をもらいここへ三人で出向いたが、盲目の男に一撃を入れられこのざまだ...」
盲目...その言葉を聞いた瞬間、一斉に南部時平の方を向いた。
「わてには、何のことかさっぱりわかりまへん!」
と言い、顔を背けた。
その話をしているときに桜華は呟いた。
「さて、話はこれぐらいにしてお前らはとりあえず俺を殺すために男から依頼を受けただけでよかったな?その男の名前は誰だ?」
「確か...不死原とか言っていたと思います!」
・・・二代目炎閣のやつが差し向けたのがコイツらってわけか
桜華は少しため息をつき呟いた。
「仕方ない!コイツら解放してやる。その代わりここで話したことは全て誰にも言うなよ!」
異色のオーラを放ちながら言った。
「わっ...わかりました!」
ロープを外し、そのまま逃げるように鹿洲の剣道場を後にした。
「あっ!アイツらから修理費請求するの忘れてた!いっけねぇ〜!」
どこからか殺意を感じる。
殺意を放っている方を見るとそこには怒っている顔をした鹿洲が桜華へと近づきながらブツブツ呟いた。
「じゃあ、お前に請求させてもらうな!桜華!もちろん、全額お前が払えよ!」
「えっ...」
後日、請求書が桜華宛に送られてきたと同時に金額に驚いたと桜華は後に語った。
その後、飯を食っているときに晃作が呟いた。
「剣!お前のあの青い炎、あれって前から気になっていたんだけどなんで炎を刀身に纏うんだ?」
その疑問に対して剣が考えているとどこからか声が聞こえた。
「答えてやろう」
その声がした方向を見るとそこには初代炎閣が立っていた。
「いや、どこから現れた?アンタ!!」
「剣の青い炎...あの炎の名は焔火と呼ばれている。そして、なぜその炎が剣に扱えるのか...それは彼の血に妖刀の能力が刻まれておるからじゃよ!かつて、三代目炎閣が自身の死の間際に刀の欠片を自身の体内に飲み込み息絶え、それが何百年の間に転生を繰り返す度蓄積されてやっとお前さんが生きる現世で開花した。そして、お前の感情が刀と共鳴するときお前の中に流れている血が刀身に通って青い炎を纏う。」
「まぁ、簡単に言えば自身の心を刀に纏うと言う方が分かりやすいかもしれぬ。」
晃作はポカーンとした表情をしながら呟いた。
「じゃあ、今もし怒ったら?使えるの?」
「それはなんとも言えぬがな...」
晃作は立ち上がり剣に言った。
「じゃあ、今やって見せてよ!剣!!」
「やらねぇよ!」
「ねぇ、お願い〜!やってよ!」
おねだりするような感じで見てくる晃作を見て剣は心の奥底でこう思った。
なんかムカつくこうゆうの...
飯を平らげ、自身の食器等を片付けその場から速やかに立ち去った。
晃作はそれを見て逃さないとばかりに剣を追いかけていった。
太陽は沈み、あたりは真っ暗になりかけている頃。
縁側で二人の少女は座り込んで話をしていた。
「葉月ちゃんは晃作くんのどこが好き?」
葉月は顔を背けながら髪を触りながらこう答えた。
「声かな...あと、顔とか」
ぽつりぽつりと晃作の好きなところを呟いていく内に、千代は呟いた。
「私たち、似た者同士だね!わたしも剣の好きなところはそんな感じだよ!」
千代は微笑みながらそう答えた。
それに釣られたのか葉月も微笑んだ。
・・・翌日・・・
朝からスズメが鳴き声が聞こえる。
どこか懐かしい声が聞こえる。
それは、いつも当たり前のようにあった幸せという名の平凡だったのかもしれない。
井戸水の方へ行き顔を洗っていると突如声をかけてきた。
「おう!起きたか?剣!」
振り返るとそこには桜華が立っていた。
以前に比べてだいぶ痩せたように見える。
そんな中、桜華は剣に呟いた。
「どうだった?千子島は?」
剣は少し微笑みながらこう答えた。
「満足してます!行かせていただけたことは...あと、前より刀を軽く握れた気がするんです!」
剣は自分の手を見つめそう呟いた。
剣の頭にポンと手を乗せ、なでなでしながら桜華は呟いた。
「そうか!期待してるぜ!」
その時は少しだけ喜べた気がした。
でも、あとから思えばそれは彼なりの優しさだったのだろう。
そして、その背中は何処となくただ淋しく感じた。
その後、顔を洗い終えたあとちょうど晃作が剣に抱きついてきてこう言った。
「剣〜!千代ちゃんが俺のことを虐めてくるんだけど〜!ねぇ、どうゆうこと?どうゆうこと?」
でた!ダル絡み晃作!!
そんなくっつき虫と化した晃作の腕を力ずくで離して千代に駆け寄る。
晃作は泣き叫ぶような声をあげながら呟いた。
「剣の最低〜!!」
剣は少し黙って、千代に近づき話しかけた。
「どうしたんだ?千代!まさか、晃作に叩かれたか?」
千代は涙を流しながら呟いた。
「私が寝ているときに晃作に墨で顔に落書きされた。それも、中々落ちづらいものでだよ!ひどくない?」
剣は千代を落ち着かせて呟いた。
「ごめんね!晃作の代わりに謝っておくね!あと、この後 時間があれば街の方に一緒に買い物行かない?」
千代は涙を布で拭って目をキラキラさせながら呟いた。
「えっ!」
千代は頬を赤らめて、モジモジしながら呟いた。
「私もいく!!」
その頃、晃作は鹿洲に捕まり剣道場にて厳しい特訓をさせられていた。
「今日は、竹刀で千本素振り!そして剣道場周辺を10周!さぁ!やってこい!」
晃作はポツリと呟いた。
「鬼め!」
「そこ!なんか言ったか?」
まるで、獲物を狙う虎のような圧力が晃作に振りかかる。
「いえ、何もないっす!」
ある意味、さっき千代を泣かせた罰とも言えるほどしんどい中晃作の頭の中では女の子と戯れているのを想像していた。
「早く、これを終わらせて街に出て女の子と飯とかするんだ!グヘェヘェヘェ〜!!」
多分、これを見た読者はこう思うのだろう?キショい!と...
千代と待ち合わせしている橋の上へと向かっているとき、一人の少女が泣いていた。
その少女は何やら泣きながら名前を呼んでいるようだった。
その少女に近づき、優しく話しかけると少女はこう呟いた。
「あのね!ゴロウがいないの!」
「ゴロウ?ゴロウって何の名前かな?」
すると、遠くからこちらへ近づいてくる女性が剣に呟いた。
「ゴロウっていうのはその子の猫の名前さ!アンタ、確か鹿洲のところの子だね?」
「あなたは?」
「あたしは谷村三佐子っていうんだ!鹿洲の家の向かいで酒屋をやっているんだよ!」
その女性は酒屋にしてはあまりにも派手な格好をしていた。




