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妖刀 四重奏(カルテット)  作者: 幻魔 狂死郎
千子(せんじゅ)獄楽編
40/50

第四十話 妖刀四重奏(カルテット)

・・・岐阜城天守閣・・・

とある男が何かを書いている。

その男が書いているものの出だしはこう書かれていた。

白い雪景色が広がっている。

馬のようなものの窓に広がる白く冷たい世界。

この景色をみるたび、思い出す。

妖刀を持つ少年のことを...

「ようやく、書けたぞ!」

文を天井に上げるようにその古典のようなものを持ち城中に響き渡る声で叫んだ!

「炎閣はおるか?」

どこからかと炎閣が姿を見せ、男に呟いた。

「どうなさいました?お館様」

「これを見てくれぬか?」

文を炎閣に見せ、続けて呟いた。

「これは...妖刀を持った少年が過酷な旅をする物語ですかな?」

「まぁ、今のところはそうじゃ!」

「この物語の名前はなんと言う名ですか?」

男は悩みながら天守閣の外を見渡した。

「名前か...」

「まぁ、名前は難しいものですぞ!」

炎閣はよく言っていた。

自身が作る妖刀の名前をつけるのが大変だと...

どんなものであれ、魂は宿る。それに名付けしたとき命その物が宿ると...

鳥が鳴く音が聞こえる。

城下町で商人や行き交う旅人たちで賑わう声が聞こえる中、一つの場所に目がいった。

この物語の作品名は...

天守閣から見える丘に咲く桜を見つめる。

「今年も桜が咲く季節になりましたね!」 

「あぁ 」

桜...桜...?桜...四重奏!

「妖刀四重奏!!なんていうのはどうじゃ?」

「いいと思います!」


そして、主人公の名は...

獅子王ししおう つるぎ

彼は笑いながら子供たちを見て続けて呟いた。

「いつの日か、あの子たちが大きくなる頃には戦などなく、笑いあえる世界を作れると良いのぉ〜!そのために今は早くもこの日ノ本を一つにしなければな!」

「そうですね!お館様」

四重奏カルテットの意味はもちろん...本来は4つに重なる音だろうじゃが...

わしが描くこの四重奏は妖刀を巡り巡るものがたりという意味にしてしまえばよい。

良くも悪くもじゃがな...

・・・千子島 火山口付近・・・

地面が揺らぐ。

赤いマグマが徐々に上へとあがっていく。

そんな中、一人の男が一人の少年を見下すような眼差しで見つめていた。

その少年の右手に握った刀の刀身からは蒼く揺らめく炎を纏っていた。

それを見て、秀吉は思い出したかのように笑った。

そうか...

思い出したぞ!その青い炎を...

貴様だったのか!裏切り者の炎閣!

秀吉には見えていた。

あの忌々しい、戦乱の世の最期の光景が...

その男は鬼神のごとく、秀吉の配下を討ち取りたった一人で挑んだ。

長髪で白髪...赤い羽織を羽織顔には刀傷があっただろうその男の姿が...

「ならば、こちらはかつてお前が使っていた刀の力を使おう。」

刀身が赤く燃え上がる。

あれは...迦楼羅の投影コピー

双方走り出し、刃と刃が交わる。

「前より、少しは手応えがありそうじゃのぉ〜!」

剣の頭上から無数の光の刃が降り注ぐ。

それを間一髪のところで避けて、秀吉のいる方へ走り出した。

秀吉への道を塞ぐように無数の光の刃が剣に襲いかかる。

それを弾きながらひたすら前へと進んでいく。

「じゃが、甘いな!」

無数の光の残光が遠くにいた炎閣の周りを照らす。

残光に照らされた炎閣の前に剣が瞬時に移動し現れる。

「華身一刀流 結界術 夕凪」

炎閣の周りに簡易結界が広がったことにより、ある一定の攻撃を防ぐことができる。

しかし、結界術にも発動している時間は限られるためそれが起きてしまえば間違いなく致命的なダメージを負う。

炎閣の目からは涙が流れていた。

あの日あなたが思い描いた少年は今、強く凛々しくどんな死線も潜り抜け私の前で立派に戦っています。

お館様、我々が願った未来あすはもうすぐ来そうです。

秀吉から放たれた光の残光による攻撃を防ぎきりながら、秀吉の元へと走る。

服も身体もボロボロのまま、少年はひたすら前だけ見て走っていた。

あらゆる攻撃を躱しながら目の前にいる秀吉に刀を振るった。

「ここで、お前を討つ!」

「残念じゃったな!討たれるのはお主じゃ!」

四方八方から無数の光の槍が剣に向けて放たれた。

このままじゃ、やられるそう思ったとき...

どこからか声が聞こえた。

「よせろ!八鶴」

八鶴の能力...

磁石

それはあらゆる物体を中に浮かせ刀が向く方へと弾く。

また、あらゆる物体を引き寄せる。

例えるなら磁石のn極同士で反発し合うのとs極同士で引き寄せ合うそれを妖刀自身が放つ特殊な周波で行っている。

その残光は八鶴の能力によって引き寄せられ、秀吉に放たれた。

無数の残光が秀吉に襲いかかる。

秀吉はその残光を防ぐことなく受けた。

「ぬるい...生ぬるい」

秀吉の服すらにもダメージが入っていない。

今しかいない。

刀身に蒼く揺らめく炎を纏うと同時に呟いた。

「水天!晴天」

シャボン玉のような形をした形状から無数の雨粒のような形状へ変わり、秀吉に向けて放った。

秀吉に襲いかかる直前、その攻撃を誰かが防いだ。

「ここでやらすわけにはいかしまへんよ!」

そこには桐島傑が立ち塞がっていた。

「なんで?お前が...」

「なんで?って僕は秀吉公に恩義があるんや!だからあの子...千尋が持っていた認識識別固有妖刀ナンバーズの朧も秀吉公が欲しいから献上するために僕はあの子の元を離れた。それだけの話や!」

違う...

「俺が聞いているのはそんなことじゃない?なぜ、千尋さんの元に寄り添ってあげない?」

「君には関係ないやろ?まぁ、これ以上話しても無駄やろうし君も一回痛い目合わせるほうがいいか?」

刀をそっと鞘から抜き呟いた。

「壊せ!朧」

刀身に黒い雷のような模様を纏っていた。

あれに触れたらきっと俺は死ぬ...

それに今まで戦ってきた妖刀とは違い、一撃受けても死ぬかもしれない。

「水天 碧空!」

シャボン玉のような丸い形から槍のような形へ変わった。

それを傑の方向へ放つが、その間に傑が剣の前へ現れ呟いた。

「攻撃する前に相手がどこにいるか?確認しないんか?君は...」

水天を構え、防ぐタイミングで一瞬の隙に腹を蹴られる。

「グハッ」

地面に倒れ込みながらもがいていると桐島は続けて呟いた。

「でも、一つだけ褒めてあげるわ!剣速は秀吉公に劣っていない。ただ、判断が遅いな〜!!まぁ、安心してここでは殺しはしないから!」

刀を見るとそこには切っ先だけが欠けていた。

秀吉に肩を貸し、続けて呟いた。

「あぁ、そうそう今回は切っ先だけ分解したからそんなに気にせんでええよ!」

水天 碧空を発動する数秒の間に彼は剣の妖刀の切っ先にのみ刀の切っ先で触れ、相手が気づいた時にはすでに腹に一撃をお見舞いしていた。

それを剣が気づく前に実行するなんて...普通じゃありえないはずだった。

「お前、中々やるな!桐島といったか?お前もマグマ風呂に入ってみるか?」

「冗談、キツイですよ!秀吉公!」

・・・千子島海岸沿い・・・

桐島と秀吉が海岸沿いに向かうとそこには船が準備されていた。

「急いでください!もうまもなく出ます!」

急いで船に乗り込み、秀吉は遠ざかっていく島を眺めながら呟いた。

「次に会うときは必ず、貴様を仕留める。三代目炎閣の生まれ変わり...いや、獅子王 剣!」

熱風が頬をかすめる。

まるで、火事が起きているかのように...



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