第四話 再会
夜桜町〜骸街墓地...
日の光が差し込むなか、桶に水を組み墓を参る男がいる。
「あれから15年か...」
墓石に水をかけ、続いてこうつぶやいた。
「お前は、向こうで元気にやっているか?狂死郎...」
墓参りを済ませ、帰路につくと托鉢をしているお坊さんが横を通過していく。
夜桜町〜骸街 鍛冶場...
「よう!やってるかい?」
鍛冶場に入るとそこにはガタイの良い眼帯をした男が刀を研いでいた。
「どうした?旦那!久しぶりに刀を研磨するか?」
「あんたに頼みたいことがあってよ...」
懐から1枚の紙を渡した。
紙を受け取り、刀工は目をしかめながら
こうつぶやいた。
「つまり、妖刀が欲しいんだな。」
「なるべく、夜桜じゃない予備の妖刀を持っておきたくてな。」
「近いうちに、きっと夜桜を失う気がしている。だからその前になるべく早めにほしい。」
「わかった。なるべく手は尽くそう。だが、期待はするなよ。」
「あぁ、わかってる。」
そう言い残し、鍛冶場を後にした。
京都...
あれから数週間が過ぎ、鹿洲さんのお弟子さんがいる京都に俺たちは向かった。
京都に到着すると人だかりができていた。
人だかりの中に向かうとそこには惨殺された死体が複数に散りばめられていた。
「子どもは下がってなさい!」
警察官はそう言い、死体に近づかないようにしていた。
後ろから肩を叩かれ、男がこうつぶやいた。
「ここだと、人が多い。こっちにこれるか?」
裏道を通り、人気が無い場所へ向かう。
「あんた、名前は?」
「獅子王 剣。こいつは蕗谷 晃作。 こっちは磐園千代。」
「師範から聞いていたが念のため確認させてもらった。俺は富山 兼六よろしく、剣!」
「殺人事件か?さっきの」
「あれは殺人事件っていうより、あの斬り口は妖刀の斬り口だった。」
「おそらく、まだ犯人はこの京都にいる。」
...数時間前...
「ここが、噂の妖魔の剣がある寺かい?」
「らしいぜ?てか、派手に殺しすぎないか?〇〇〇」
「派手にはやってないさ。ただ、邪魔だから仕方なくね。」
廊下には、無数の死体が腐敗していた。
「まずは、一つ手に入れることができた。」
「これが、妖魔の剣ってやつか?」
「あぁ、対妖刀用に作られた妖刀。炎閣が作った妖力を持たない弱者が妖刀に対抗するために残したものさ。全部で二十近くある。ただし、獅子王が作った刀に通じるかはわからないけどね。」
「三百年ぶりだよ。妖魔の剣を持つのは...問題は妖刀 夜桜。あれは厄介だ。三百年前は持ち主を殺したが、変わっても妖刀自身の力は年々、増幅していく。だからこそ、今回は妖魔の剣で封じさせてもらうさ。そのためにわざわざ、ここまで出向いたんだ。」
「そりゃ、楽しみだ!そうだろ?謙策。」
「あぁ、お前もそう思うだろう?妖刀 村正!」
「まもなくさ...この地に夜桜を持つアイツが来ているなら...」
京都...
「嫌な予感がするから来てみれば...やっぱり無数の妖刀の残気を感じるわけだ。仕方ない、俺も辿るとするか。」
女の羽織を着た男はそうつぶやきながら、残気を追っていく。
...京都 三条河原...
橋を渡ろうとしていると後ろからお~いと声がした。
振り向くとそこには志波竝が向かってきていた。
「志波竝さん、なぜここに?」
「嫌な予感がしてたんだ。まさかお前たちもここに来てるとはな。」
橋の向こうから威圧的な妖力を感じる。
何かが近づいてくるのが分かる。
橋の向こうを見渡すとそこには四人ほどの男がこちらに歩いてきた。
志波竝は少し動揺していた。
忘れもしない青い春の記憶...
志波竝はある男を見つめこうつぶやいた。
「なぜ、お前がいる?狂死郎!!」
「やぁ、十五年ぶりだね!桜華!!そして、はじめまして獅子王 剣!」
刀に手をかけこうつぶやいた。
「ここでまた、お前を殺らないといけないか?」
「おっとっと、怖い怖い。僕 いや、私は今は戦う気はないよ。君も知っているだろ?」
「何が目的だ?狂死郎。」
「今回はとあるものを手に入れるために来ただけさ。そうだな、戦うならあと数ヶ月ほど待ってもらいたいもんだよ。でもね、君の妖力 夜桜はあまりに強力すぎる。だから今ここでやり合ってもいいがあのお方はお許しがないからできないね。次にあったときに思う存分に殺し合おう。あの日のように...じゃあね。桜華!!」
妖刀から煙幕のような霧が噴出され、その間に狂死郎達は居なくなっていた。
志波竝は舌打ちしながら空を睨んだ。
その後、宿を借り一泊することになった。
「狂死郎って誰だ?」
「忘れもしないよ。今でも、あの青い春はなぁ...俺の片割れ(相棒)だった男さ。俺と鹿洲と狂死郎の三人で当時、妖刀を探す旅をしていたんだ。だが、あることがきっかけでアイツは俺が殺した。もう、十五年も前のことさ。」
その後も続けて話をしていく中、志波竝は剣にこうつぶやいた。
「剣!お前に妖刀を百パーセント以上引き出すやり方を教えてやる。」
「その名は妖装解放って呼ばれている。実技じゃないと本来はわからないが、妖刀の結界を拡張し妖刀そのものの能力を底上げしてくれる。それが妖装解放。だが、妖装解放は結界同士の押し合いになることもざらにあるさ。とりあえず、富山と打ち合ってみろ。」
翌日 華身一刀流剣道場 ...
「まずは、妖刀と妖刀でやり合ってみろ。」
妖刀同士の鍔迫り合いから始まった。
「剣!妖気を妖刀に注ぎ込め。そうすれば、刀が応えてくれるはずだ。簡単な話、妖力を刀全体に纏わせるイメージ。」
きっと、剣と晃作は強くなる。
そう、俺は信じてるぜ。
初めて感じる妖刀の重さ。まるで初めて妖刀を手にした日を思い出す。
そして、妖刀自身が放出している妖力が自身に纏わっていくのを感じる。
これが...妖装解放なのか?
「まだ、未完成だけど。これをしばらく続けてみな。きっと出来るようになるから。」
そして一週間が経過した。
「妖装解放。出来るようになったな
!剣。あとはアイツらがいつ現れるか次第かな。」
「今日はそこまででいいよ!剣。」
浴衣姿の志波竝さんが続いてこうつぶやいた。
「お祭りいくか?剣?」
「はい!行きます。」
空が清々しいほど青く澄んでいた。
まるで、夏の始まりを感じさせる感覚。
蝉が鳴き声が聞こえる。
日差しが強く照らす。
まだ、昼下がりの午後。
街に向かうとそこには浴衣を来た子どもたちがはしゃぎ回っていた。
のらりくらりと街を徘徊して行く中で、
晃作はこうつぶやいた。
「なぁ、剣!お前はどう思う?」
「何が?」
「狂死郎とかいう奴の目的だよ。」
「さぁ、知らねぇよ。」
「冷たいな〜。その言い方。そんなんだから女子から嫌われるんだよ。」
「お前に言われたくねぇよ!!」
...〇〇神社...
神輿を担いだ男たちが通っていき、神輿の上で歌舞伎をやる子どもたちの劇を見る。
そして、川の河川敷から打ち上がる花火を見つめながら一言つぶやいた。
「何気ないこの日常が続けばいいのに...」
祭りが終わり、千代が剣に神社の裏に来てとつぶやいた。
そこには、浴衣姿の千代が待っていた。
剣にこうつぶやいた。
「剣はどう思う?私のこと…」
「どうもこうも、いいんじゃないか?別に誰がなんといようがな。」
「そうじゃなくて...」
袖を引っ張る腕は少し震えながら、照れくさそうな顔をしていた。
「〇〇〇〇〇〇。俺は...」
静まり返った。神社の境内で二人はただ、ひたすら静かに去っていった。
次回いよいよ、動き出した。狂死郎たち
そして、狂死郎を止めるべく志波竝が動き出す。
遂に志波竝の夜桜が...
第五話 「開幕」
追記
来週の妖刀四重奏はお休みさせていただきます。
再来週に更新いたします。よろしくお願いします




