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妖刀 四重奏(カルテット)  作者: 幻魔 狂死郎
千子(せんじゅ)獄楽編
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第三十一話 影と陰

女奴隷を助けたあと、首だけとなった冥洛が剣に言い放った。

「ハハハ!獅子王剣!俺が殺されたからと言って安心するなよ!なぜなら俺の代わりはいくらでもいるからな〜!!」

その口に刀を刺し黙らせた。

剣と渉がその場に座りながら体を休めていると遠くから声が聞こえた。

「大丈夫か?剣!渉!」

「鹿洲さんよ!遅いぜ。」

「なんとか...」

その瞬間全身の力が抜け眠るように地面に倒れこんだ。

「まったく...無茶しやがって...」


...大阪城 天守閣...

雨雲がいまにも振り出しそうなとき、杯に盛られた酒を豪快に飲み干す男がいた。

その男に一人の男が血相をかいて尋ねていた。

「どうゆうことだ?秀吉!!わしはお前なら夜な夜な夢に現れる妖魔を退治できると聞いてある程度の額をお前に支払ったはずた!」

「どうゆうこと?いやいや、前田さんよ〜わしは、一度もあなたの妖魔を退治できるとは言っておらんぞ!退治できるやつを紹介するって話だ!そのための紹介料も含めまだ、支払いきれていないものが3つほどあるではないか?」

「グッグッ...だが、貴様らのやり方は気に食わぬ!今日限りで切らせていただく!」

そう言い残しその場から帰ろうとした瞬間...

血の雨が床へと降り注ぐ。

「解せぬな!これだから負け犬は嫌いなんじゃ...わしは!!それにこやつらみたいな者がわしと同じ場所で対等に話そうなど...千年はやすぎる。そうは思わぬか?二代目炎閣よ!」

「失礼いたしました!我が魔王よ。この様なことが起こらぬようして参ります。」

「それより、炎閣よ!あやつらと八咫烏の状況はどうじゃ?」

炎閣は自身の懐から文を取り出す。

「それが先ほど烏から通達が...どうやら冥洛がやられたようです。」

「そうか!じゃが、あれはまだ他にも個体がいるからのぉ〜!!」

冥洛...いや、ここでは試作妖体授精兵器の被験体ナンバー04と呼んでおこう。

生み出された経緯はかつて、戦乱の世の時代。豊臣秀吉による天下統一のために

身体が滅びることなく戦う生きる完全なる屍を生み出すために母体から産まれる前の赤子の母親に妖魔の血液を取り込ませることで、産まれた赤子...

その赤子は見た目こそは普通のどこにでもいる子供だが、時々産まれる赤子によっては奇形児が産まれた。

その赤子こそがいわゆる不老不死の鍵を握るはずだった...

だが、実際に生まれてきた被験体は片手で数えられるほどの人数しか産まれなかった。

人々はそれを忌み子として嫌い、そしてその子供を拒んだ。

だが、秀吉だけは違った。

なぜなら彼はその子供たちを未来の宝だと言った。

その赤子たちはただの戦うための道具として育てられた。

何のために?...戦うための道具として

誰が望んだ?...たった一人の男によって

そして、今まで多くの妖刀使いを葬ってきたものが剣たちが戦っていた彼だった。

「ならば、残りの奴らも今すぐ千子島へ向かわせろ!!そして、わしも直に行こうとしよう。忌まわしきあの地へ...」

秀吉はそう、炎閣に告げた。

「御意!!」


千子島 龍神神社

一方その頃 千代と晃作は...

薄暗い森の中をひたすら進み続けていると晃作が千代に言った。

「ねぇねぇ、千代ちゃん!誰か好きな人いるの?」

千代は咄嗟に顔を赤らめながら呟いた。

「えっ?急に何、好きな人?いるわけ...ないじゃん!!」

千代は思い切り晃作の頬をビンタしながら話していると晃作は一言言った。

「俺何もしてないのにビンタされたんですけど〜!!」

千代は晃作にペコペコ謝っていた。

先へ進むとひらけた場所へと出た。

その周りには木の一本も生えておらず、ただ草が生い茂っていた。

先に進もうとする千代を腕で止め、周りを見渡すとそこには大量の人の死骸が転がっていた。

その場で留まり、息を殺し周りの音に耳を傾ける。

背後から左へ向かう足音が微弱ながらも聞こえる。

その音のする方向を見るとそこには一人の伊賀忍が立っていた。

「誰だ?お前...」

その男はどこか暗くそして、陰を纏っていた。

「俺の名は獄蠑ごくえい陰を操りるもの!貴様が蕗谷晃作だな!そのお命いただく!」

相手の姿が一瞬にして消えた。

二人とも背中合わせになり、相手の出方を伺う。

静まり返るひらけた場所で周りを見渡しながらいると地面から黒い穴が落とし穴のように現れた。

「咎魔のとがまのじん 絶の段 さい

晃作と千代は相手の陰の空間に引きずり込まれた。

「ここは?...どうやら相手の結界か!」

目を覚ますとそこには自分と瓜二つの少年が立っていた。

「俺と同じ顔に妖刀も同じなのか?」

自分と似た瓜二つの影が晃作に襲いかかる。

相手の攻撃を受け流しながら相手の隙を狙うが相手も同じように晃作の攻撃をさばいていく。

「思っていたより、中々手強い...」

咎魔の陣 絶の段 災の能力

それは、相手を自分の固有結界に引きずり込みそこで相手と同じ影を出し相手の実力と同等それ以上力を持つ影を操る。

ただし、一度に多数使う影には制限がある。


身体中に切傷が増えていく。

相手の攻撃が繰り出される度、痛みが体に刻まれていく。

その痛みに耐えながら相手に斬撃を放つ。

相手に放たれた斬撃が弾き返された。

身体が何かに虫歯られている感覚...

まるで重いなにかを身体に背負っているようなどんよりとした感覚が今も残っている。

「どうした?その程度かよ?噂の妖刀使い!」

そういえば、よく言っていたっけ?

おっちゃんが...

「晃作、お前はその妖刀を使って何をしたい?」

「わかんないよ!おっちゃん!!」

「仕方ないな!なら今から話すことは覚えておけよ!」

「刀を持つ以上、辛く苦しい困難がお前に振りかかるかもしれん。だが、もしも誰かのために刃を振るい続けるなら、それはきっといつかお前自身の刃に変わるはずだ!俺はお前がそういう誰かのた目に刃を振るってくれると信じてるからな!」

ちょうど、それは梅雨頃。大雨が降る直前の日だった。

その日おっちゃんがよく行っていた神社に行ったんだ。

今でもたまに思い出すおっちゃんのその言葉を...

何度も傷ついて何度も転んで何度も挫けそうになっても...

きっとアイツと同じ土俵に立っている限り、俺は負けるわけにはいかない。

傷をおったボロボロの身体を起こし、ゆっくりと立ち上がる。

「見ろよ!全身ボロボロで立ち上がってこっちを睨んでやがる!!たまんねぇな〜!その顔がよ!」

相手の攻撃が届く寸前晃作は呟いた。

だから...俺に力を貸してくれるか?陽狼かげろう

刀身に映る少年は微笑みながら答えた。

「仕方ないね!君の言葉届いたよ!」

黒炎を纏った影が晃作を覆った。

「妖装解放!!影炎超過えいえんちょうか 陽狼かげろう!」

黒い炎の中から無数の炎を纏った狼が出現する。

晃作に似た影に襲いかかる。

偽物の影が狼を祓いはじめるがすでに晃作はその瞬間が来るのを見切っていた。

相手の攻撃が当たる直前に、影に潜み別の影から相手の死角へ映った。

相手の後に回り込み、黒い炎を纏った刃で胴体を斬り裂いた。

その瞬間、周りの風景が現実に変わる。

周りを見渡すと元々いた、場所に戻ってこれたがまだ千代がいないことに気付いた。

どこからか足音が聞こえる。

警戒していると後ろから声が聞こえた。

「戻ってきたか?蕗谷晃作!!思っていたより早かったじゃないか?」

「そんなことないだろ?さぁ、本番といこうぜ!」

「そう、来なくっちゃな〜!面白くねぇよな!晃作!」

二人が睨み合っている中、冷たい雨が振り続けていた。


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