第二十六話 想いに宿るもの
...千子島...
月明かりが薄っすらと照らす暗い闇の中、獣道と化した森を進んでいると前から誰かが歩いてくる音が聞こえた。
刀に手をかけてその場で待っているとそこには胸を貫かれた男が立っていた。
「...剣...」
「兼六!!」
「富山!」
2人が駆け寄ろうとしたとき、兼六は何かを少し開いた口で言っていた。
「剣...晃作...に...げ...ろ...」
その瞬間、強大な炎が兼六をつつみ込んだ。
剣達が八咫烏のメンバーと戦っていた頃ーーーー兼六は...島の南側で豊臣兵士と遭遇していた。
「お前も妖刀使いか?」
富山兼六を囲むようにして村人や豊臣兵士がいた。
「あぁ!そうだ!」
...いってしまった〜!!そもそも俺、確かに妖刀の適合者だけど一度もまともに使ったことがないぞ!まてまて...そもそも俺の出番(原作者)に忘れ去られそうになっていたんだが...マジでどうゆうことだってばよ!(原作者〜〜!!)
※忘れてました〜!テヘペロ
まぁ、そんなことは置いておいてとりあえず俺一人で二人を相手しないといけないのか?...
相手が少しずつ距離をつめていく。
兼六は自身の妖刀に手をかけ相手の様子を伺う。
両者の睨み合いが続く中、もう1人が印を結んでいた。
その瞬間、もう一人の動きをよんでいた兼六が相手の攻撃をかわし続けてもう一人の間合いに入り斬りかかろうとした瞬間に男がギリギリで割って入った。
「ふぅ〜...あぶねぇ〜あぶねぇ!少しはやるみたいだな!小僧」
男が割って入ってきたとき、複数の細かい斬撃が放たれた影響か...
腕と足に複数の細かい斬撃の隙傷が残っていた。
殺るしかないか...
刀を鞘から抜きこう呟いた。
「染まれ!白夜」
刀身が白く染まる。
刀を持ちながら相手の攻撃をかわし相手の間合いに入り斬りかかろうとした瞬間に地面が白く凍てつき始める。
「まさか...これは」
地面にはわずかに蓄積された雪が足を蝕んでいた。
「小賢しい真似を...」
蓄積された雪をどかしている間に相手の隙を狙って刀を振り降ろした。
その瞬間、白夜の能力が一瞬にして使えなくなった。
周りを見渡すと遠くから印を結んでいる女が見えた。
「咎魔の印 縛」
「マジかよ...」
妖刀の能力を封じられてしまった。
相手がニヤリと笑いながら言った。
「これで終わりだな!」
相手の攻撃を受け流しながら呟いた。
「このままじゃキリがねぇ...」
相手の攻撃をかわしながら剣達がいる方へ走り出した。
それを追うように秀吉の配下の者たちと八咫烏の二人が走っていく。
薄暗い森の獣道をひたすら逃げていく。
追っ手の足音が聞こえる中、ただひたすら足を止めずに進む。
一筋の月灯りが照らす道を進んだ先には剣たちがいた。
「剣!」
そう、声を出した途端後ろから誰かが静かに胸を刺した気がした。
...あっ...マジかよ......
...俺ってこんなだっせー死に方なのかよ...
おもんねーせめて最後くらい潔く戦って死にたかったぜ...
ー薄れゆく意識の中、一歩一歩 剣がいる方へ足を踏み出す。
刺された所から大量の血が流れていく。
もう、歩くだけでも精一杯...
剣達がこっちに気付いた時には驚いた顔をしていた。
なぜなら心臓を貫かれたまま兼六は剣達の方へ歩いていたからだった。
「兼六!!」
「富山!」
兼六はかすかに剣に微笑んで言った。
...どうやら俺はここまでらしいわ...
剣...あとは頼んでいいか?...いや...
言葉ですらもう吐けねぇかもな...
兼六は今にも苦しいそうにたったひと言呟いた。
「剣...あとは...任せた...」
2人が駆け寄ろうとしたとき、兼六は何かを少し開いた口で言っていた。
「剣...晃作...に...げ...ろ...」
その瞬間、強大な炎が兼六をつつみ込んだ。
兼六がさっきまで立っていた場所には黒く焼け焦げた遺体が倒れていた。
「まずは一人片付いた。それにこの妖刀...貰っていくぜ!」
そう相手が話している間に相手の間合いに入り、斬りかかった。
「せこいじゃねぇか!妖刀使い!」
「どっちがせこいんだろうな?」
刀と刀がぶつかり合う中、相手の男が笑いながら言った。
「お前のその刀もどうせ!妖刀より弱いだろ」
その言葉を聞いたとき、幼い頃に祖父が言っていた言葉が頭をよぎった。
「いいか?剣!刀は弱い、強いってだけじゃない。大事なのは己の心の形って奴だ!刀に魂は籠る。だが、それが全てではないじゃあ、何が一番大事か?それは...己の心のあり方...つまり心の根っこにあるものさ。人を護りたい。想いを護りたい。なんでもいい。その代わりにそれを成し遂げられるほどの器を心に宿し、人のためにその刃を震えるものこそがきっと...刀を持つに相応しいと俺は思っている。だからもしお前がその刀を持つとき何を大事にしたい?」
当時の俺にはわからなかった。
でも、今なら言えるよ。
俺は...誰かのためにこの刀を振るうよ!
じいちゃん...!
相手の刃を弾き返し体勢を崩したタイミングで回し蹴りを入れた。
「刀だけがすべてじゃない!この想い(こころ)に宿るものが全てだ!」
刀を鞘に納め、相手の出方を伺う。
相手は刀を振り降ろしながらこう言った。
「舐めるな〜!クソガキ〜!!」
その振り降ろすわずかな瞬間を狙い放った。
「華身一刀流抜刀術 蒼炎」
刀の刀身に青い炎を纏い抜刀と同時にその炎が相手の腹を斬り裂いた。
「いっ〜でぇ〜〜よ!あっ...ちぃ...よ」
相手はのたうち回り数分後に絶命した。
それを見た他の村人、豊臣兵士と残りの八咫烏は恐れるように退いていった。
兼六の遺体を静かに抱きかかえ、近くの木の下に穴を掘り丁重に弔った。
簡易的な墓に手を合わせているとき、何かに肩をポンと叩かれた気がした。
振り返るとそこには誰もいない。
きっと、兼六が叩いたのかなと空を見上げながら静かに思った。
しばらく、獣道を進むとそこには小さな神社があった。
その神社には所々に狛狐があり、周りを見渡しても狐に関するものがあった。
その神社には明かりが灯っており、中には数人の声がしていた。
戸を開け、ひと言呟いた。
「誰かいますか?」
すると奥からこの小さな神社の神主が現れ事情を話すと中へ通された。
そこには千代や鹿洲さん、篠波さんなどが既にそこにいた。
「剣と晃作もやっと来たか?ところで富山は...」
事情を話すとみんな、静かに一言呟いた。
「富山さん...」
「わりぃ、俺がついていながら...」
晃作が俯くと烈破は背中を叩きながら
「おまえのせいじゃねぇよ。気にするな!」
「そうか...まぁ、富山の件は俺から桜華に知らせておく。」
「ところで?なんでこんなところに神社が...」
「まぁ、そろそろそれについて詳しい人がくるはずだ。」
静まり返った雰囲気から一変、何らかの緊張が走っていた。
神主さんの声が聞こえる。
「どうぞ!こちらへ」
襖が空き、そこには見覚えのある男が立っていた。
「なんで?あなたがここに...炎閣さん...」
その男は狐の面を被った炎閣さんだった。
そして炎閣の手には一つの文と一つの鈴が握られていた。
炎閣は静まり返る部屋でかつてこの島の伝承を語り始めた。




