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妖刀 四重奏(カルテット)  作者: 幻魔 狂死郎
死海門鐘(しかいもんしょ)編
19/21

第十九話 復讐

...東京 国会議事堂...


近衛清貴たちによって国会議事堂及び、その周辺は占拠された。

近衛清貴たち第十六師団は現政府に対して、こう告げた。

「我々、第十六師団は民衆が飢え死にしていくなか、何の対策もしない貴殿らに対して武力行使による制裁を下す決断にした。よって、我々は近衛清貴大佐を筆頭に新生国家の設立及び新生日本軍の設立をここに宣言する。我々が掲げる名は新生日輪共和国だ!!」

そう宣言し、国会議事堂及び首相官邸のいずれも武装した兵士たちが常駐していた。

「さぁ、始めよう!理想の国家のための戦争を...」

...国会議事堂...

無数の惨殺死体が転がっている。

「あらら、私にメロメロなのかしら?来てもいいわよ!坊や!」

「坊やは辞めてください!僕は真司です!」


「あ〜ら?ごめんなさいね!遂わたし、クセで坊やって言っちゃったわね!」 

「それよりもこの先に近衛清貴が?」

「えぇ!あの人はこの先にいるわ!!」

国会議事堂内の議会の扉が開く。

「遅かったじゃないか?恵美須少尉!待っていたよ!」

「大佐こそ、早いお着きで...」

「その男はもしかして君のボーイフレンドかね?」

「嫌だ〜!大佐ったら私は大佐以外の男といるわけないじゃないですか?」

「じゃあ、その男は?」

「私の相方パートナーよ!」

「まぁ、そんなことはさておき君たち以外にももう一人ネズミがいるようだ...」

ドアの方へ目線を向ける。

「バレてしまったか...」

「君は...あの時の警察かね?」

「なぜ知っている?」

「君を取り逃がしたのも君が何処で何をしていたかも知っているとも...もちろん君が何者なのかもね。」

「さぁ、はじめるとしよう!どちらからでもいいぞ?かかってくるといい。」

「なら遠慮なく生かしてもらう。」

「燃えろ!加具土神」

刀全体を炎が覆う。まるで、熱した鉄の棒を素手で持つように...

「あたしも行こうかしら?掴め!貞綱!!」

「嚥め!杯!!」

無数の斬撃が放たれる。

それをかわしながら二人の妖刀の斬撃が放たれた。

俺は確かに弱い。 あの時だって警部もみんなもすくえんかった。じゃっどん今は違う俺だって妖刀の適合者だ(俺は確かに弱い。

あの時だって警部もみんなもすくえなかった。でも今は違う俺だって妖刀の適合者だ)

「廻せ!双龍」

一つの妖刀から二つの刃へと刀が変わる。

「それがお前の妖刀か?」


加具土神と刃が交わる。

その隙を狙い貞綱が重い一撃を入れる瞬間、杯の能力で身代わりの生物を出した。

「この程度の攻撃で私が殺れると思っているのか?」

加具土神の斬撃が放たれる直前、斬撃をかわし杯を真司に向かって斬撃を放った。

「グッ...」

真司の胸を斬り裂いた。

「真司!」

真司が倒れた瞬間、一瞬の隙をみた近衛清貴が恵美須少尉に襲いかかる。

「恵美須少尉!私を裏切るとはどういう要件だ?」

「確かに私はアナタみたいな男が大好きだった。でも、私には守るべきものがある。そのためにアナタをうつしかない。」

「家族でも人質に取られているわけかね?」

「そうよ!」

あたしには四つ下の妹がいた。

あの娘は昔から身体が弱かった。

だから、アタシが代わりに色々な仕事をやってあの娘の薬のためのお金を必死に稼いでいた。

でも、ある日母親が珍しく帰ってきて今まで貯めていたお金を全て持っていかれた...

泣くことしかできなかった...

弱かった自分を何度も何度も責めた...

「ユイ...ごめんね!お兄ちゃんが弱いばかりに...」

妹は首を横に振り続けて呟いた。

「ありがとう!お兄ちゃん...」

だからアタシは強くなるために軍に入隊した。

そして、私は強くなった。

妹を医者に見せ、今はいい病院で看病してもらっている。

その代わりに私はアナタを見張るようにと命令を受けた。

それから三年...

アタシは今、あなたを倒すためにここにいる。

四つの妖刀が入り乱れるなか、双龍が目の前にいる近衛清貴をとらえた。

この男...いつから私の背後に...

まさかあの時か...

加具土神と刃が交わる瞬間、宗次郎は一瞬の隙を見計らって瞬時に背後へ移動し、真司に斬撃を放つ瞬間に後ろから二つの刃で斬撃を放った。

片方の斬撃を防ぎ、もう一つの斬撃が左腕を直撃した。

片方の腕が切断された。

「やるな!だが...」

杯を地面に突き刺しゆっくり立ち上がる。

いつからだっただろう?

私がこの国に対して復讐を決めたのは...

そうかーーー十年以上前だったなーーー

私が日露戦争で経験した時か...

懐かしい...今は亡き同胞たちの顔が私の脳裏に焼き尽く。

この腐った国家を鍛えなおすため、明治時代に行った富国強兵よりももっと強くたくましい軍にするため...わたしは立ち上がったはずだった。

まさか、私の命の灯はここで終わるのかもしれん...

だが、それでもいい...

今は私が死のうが生きようがどうでもいい。今目の前に立ちはだかるコイツらを倒すために私は最後まで戦う。

それが私にとっての復讐とも言えるだろう...

恵美須少尉が斬りかかる瞬間、宗次郎の刃がそれを阻む。

そして、もう一つの刃が近衛清貴の首元を斬り裂いた。

「フハハハハハハハハハ!これが負け(死)というものなのか...」

近衛清貴の首を討ち取ると同時に空へ掲げ叫んだ!

「近衛清貴!討ち取ったり〜!!」

大声は止めどなく国会議事堂周辺にまで

響き渡る。

第十六師団の兵士たちはその声を聞き、泣き崩れた。

その後、第十六師団の者たちは拘束され、後に裁判をかけられたと伝えられている。

後にこの騒動は3月11日に起きた事件。三・一一事件さん・いちいちと呼ばれた。


...大阪城...


満月が照らす夜空が映し出す蒼白なる常世の憑代...

「今夜はいい夜だ!あのお方がまもなく目覚める。」

器に大量の血が注がれ、人々は血に染まりし天守閣をみる。

その憑代にはこう記載されていた。

かの暴虐の王はここに眠る。

かつて、この世に蔓延りし第七天魔王と呼ばれしその者の名は後の世ではこの日の本の国を治めた王と呼ばれるであろう。

その者の名は太閤!

豊臣秀吉

その玉座はすでにここにある。


「そろそろかな?我、王が覚ますときは近い!」

「我等が主よ!我等が魔王よ!この三百年待っておりましたぞ!」

その憑代の近くには刀が置いてあった。

その刀にはこう綴られていた。

かつて国を統べるものがこの刃を振りかざしていた。

その妖刀は未だに多くの血を求め続けている。

その妖刀の名は太閤天。

人々を絶望させ、従わぬものの血を求め自身の欲望を満たすためにだけ存在する妖刀...


...大阪...


あのあと、晃作達と無事合流した剣たち。

「行くぞ!大阪城へ」

「剣?」

剣の顔を見るとなんだか元気がなかった。

「お前らしくないぞ!剣!笑え!」

「ありがとう!晃作」

満月の月が照らし出した夜の出来事だった。

そう、これから起きることをこの時、まだ俺たちは知らなかった。




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