第十四話 「東京聖域(コロニー)パート1」
...東京地方裁判所...
「こりゃ、酷いもんだ...こんな仏様見たことねぇぞ」
そこには無残な姿で惨殺されている死体が転がっていた。
殺害されていたのは裁判官、検察、弁護士、そして傍聴席に座っていた人たち合計二十名。
そして、現場を調べても犯人の痕跡はなし。
まるで、数日前に起きた名古屋のアレと同じようなことがこの東京でも起きてしまうとは...
「どうします?警部」
「とりあえず、犯人に繋がる手がかりを追うしかなさそうだ。」
...東京駅周辺...
蓮川 渉400ポイント所持者
「だから人混みは嫌いなんだ...人が多くいれば俺はまた、殺してしまうかもしれない...」
目を布で隠し笠を被った男は小声で呟きながら人が通らない裏道を歩いていく。
裏道を歩いていると最中、ポンと肩を叩かれる。
振り返るとそこには...一人の男が立っていた。
「あれ?お前、蓮川だよな!」
「う、うん」
「久しぶり〜!俺のこと覚えてる?」
「誰だっけ?目が見えないもんで...」
「俺だよ!健司!淡海健司!(あわみけんじ)」
「淡海?淡海?...あっ!もしかして前の職場の...」
「そうそう!土木関係の職場でよく、仕事サボって話していただろ?なぁ、久しぶりに食べに行かねぇか?美味しい天ぷら屋を知っているからよ」
人々が通り過ぎていく当たり前の日常...
そんな日常が一瞬で崩れ去っていくとは誰も思いもしない。そう、花が散るように...
頭を掻きむしりながら奇声を発した。
「う...うぁぁぁ〜うぁぁぁ〜...」
「おい!どうしたんだ?蓮川?」
「ハァ、ハァハァハァ...す..
.全て俺が裁けばいい...この世界もこの国でさえも...」
周りを黒い靄が一瞬に囲み始めた。
...同時刻...
「兄様、あれを...」
四宮葉月が指を指す方へ視線を向ける。
そこには黒い靄が東京駅周辺に拡がっていた。
「アレの原因の場所へ向かうぞ!葉月」
「はい!」
原因となっている場所へ急いで向かうとそこには逃げ遅れている一般市民が大勢いた。
「そこを早く離れろ!」
大きな声で叫んだ!
蓮川の近くにいた男性をお姫様だっこし遠くへ向かう。
「間違いない。あれはただの妖刀じゃない。最上位大業物の部類の妖刀だ!」
最上位大業物とは?
認識識別固有妖刀を指す。
また、認識識別固有妖刀は単機で国家転覆を行えるものを指す。
少し厄介だが、やるしかなさそうだ...
「妖刀が暴走しているみたいだな。」
「あぁ、そうさ。俺があの裁判官も検察も弁護士も俺が殺した。この国の腐った司法もこの国の法律も全て俺が判決を下すために...そうだ!俺が制裁を下せばいい...」
「下せ!縁」
「裁くのは俺自身だ!」
「この妖力まさか...常時妖装解放状態か?」
周辺が歪み始める。
「このままじゃ、妖刀の固有結界に飲み込まれる。」
結界に飲み込まれた直前結界の一部分が砕け散った。
「なぜだ?なぜ、結界が崩れる?まさか...外からか?」
結界がかけた場所を見ると声が聞こえた。
「おうおう!やってる、やってる!」
「あんたは?」
「お前たちが剣の連れか?俺は篠波烈破!よろしくな!」
「篠波...まさかアンタも...」
「あぁ、お前の思い通りさ!俺も認識識別固有妖刀使いさ!」
「あぁ、そうか...俺と同じ認識識別固有妖刀を持っているのか...」
「わりぃな!話は後にしたほうが良さそうだ。」
妖刀 咎殃 縁の能力...
それは、審判...
固有結界内のみ対象とし縁の結界に入ったものの罪状を告げ、制裁を加える。
尚、その際 相手が嘘の供述をしても縁自身が見極めるため無力となる。
また罪人の有罪が確定した場合のみ、相手の妖刀の妖力を無力にし、縁の所持者は断罪の刀を受け取ることができる。
妖刀による結界内にいる限り一時的に妖力が使用不可となる
「縁からの証拠だ!お前たちは今まで何人殺した?」
「俺は20人くらいだな。でも、これが本当か嘘かはわからねぇはずだ!」
「本当にそうか?縁」
「いいえ、コイツは嘘をついている...それにより、罰則を追加!」
妖力が吸い取られていく。
「ちぃ、妖力が吸い取られていく。」
「次で最後としよう!お前は獅子王 剣を知っている!」
知っていると答えれば獅子王 剣に関したことを深掘りされる。
「いや、知らねぇな...」
法廷が静まりかえる。
縁が一言つぶやいた。
「有罪判決!!使用者に贈与、断罪の刀を蓮川渉へ速やかに執行せよ!」
「嘘をついているな!もういい...お前を執行する。」
「残念だったな!蓮川...」
蓮川が近づくタイミングを合わせて妖刀を抜いた。
鬼徹一文字八鶴のもうひとつの能力。
それは引き寄せた妖刀に電流を流す。
もっとも単純な能力に思えるがそれは使用者によって化ける代物と化す。
「まさか...それは...」
「そうさ!妖刀の刀身に電気を纏っているのさ」
妖刀八鶴に備わっている電気は最大800ボルトの電圧を生み出す。
刀身が蓮川の肌へ触れたとき、凄まじいほどの電流が流れた。
「俺の...負けのようだ...」
「今回はな!それより、協力してくれないか?蓮川」
「いいだろう。協力してやる!ただし、お前らにも頼みがある。」
「ん?良いぜ!なんでも言ってみろ。」
「俺の兄貴を探すのを手伝ってほしい。」
「兄貴?」
「あぁ、俺の兄貴だ!」
...東京 横浜...
足音が響く。
海辺に近い倉庫で一人の男が立ち尽くしていた。
「こんなところにいたんですか?蓮川さん。」
「来てたのか!草部」
「いるなら連絡してくれたら良いのに...」
「悪い悪い、弟のことを思い出していてな!」
「で?見つけたんです?例の物は?」
「まだだ。二代目 炎閣の手がかりも掴めていない。お前の方はどうだ?近衛清貴の動きは?」
「僕の方もさっぱりです。しかし、妙に最近怪しい箇所があるんですよね。」
「何か見つけたか?」
「いえ、彼らが身につけている刀あれはどう見ても軍支給のものとは違うみたいで...」
「まさか...妖刀か?」
「ええ、しかも数千本単位の刀が動いてるかもしません。」
「何を起こす気だ?近衛清貴、炎閣...」
...数週間前 大阪城 天守閣...
「久しぶりですな!不死原 狂死郎殿!」
「これはこれは!近衛大佐、そして側近の恵美須少尉殿!待っていました。さぁさぁ、こちらへおかけになってください!」
「それで?例のものは出来上がりましたか?」
「えぇ、もちろん。」
数千本の刀が持ち込まれる。
「これが噂の量産妖刀!」
「量産妖刀!飛車九状況に応じて能力を変えられる妖刀になります。」
「ほほう!これはふつくしい!」
「納得いただけましたか?」
「えぇ、この妖刀!気に入りました。近々、大きな戦争を起こすには欠かせなくなるのでねぇ〜」
「といいますと?」
「この国を滅ぼし新たな時代をつくるために私は政府と戦おうと思っているのですよ。」
「まさか...」
「えぇ、そうです。」
「あと、もう2本特殊な妖刀を用意いたしました。」
「これは...クッ...ハハハハハハ」
「満足いただけましたか?近衛大佐!」
「このような素晴らしいものを用意していただきありがとうございます!狂死郎殿」
その後、軽い雑談を終え部屋を後にするとき、近衛清貴は立ち止まりこうつぶやいた。
「大佐?どうかしましたか?」
「古傷が、また俺を戦地へと誘うだろうよ!10年以上前のあの地獄のような戦争を少し思い出していただけだ。気にする必要はないさ。」
出口に向かう二人は夕焼に包まれていた。
それぞれの思惑が交差する東京
遂に動き出す近衛大佐たち
「東京聖域パート2」




