第十二話 長野聖域(コロニー)
...長野 諏訪大社...
「ここが諏訪大社...」
「なぁ、鹿洲知ってるか?ここには本殿はないんだぜ?」
「あぁ、知ってるさ。それより対魔の剣はどこにあるんだ?」
「それならこの上の本宮に保管されているらしい!炎閣がそう言ってた」
本宮の方へ向かうとそこには一人の男性が立っていた。
「あなたが志波竝桜華さんかい?」
「あぁ、そうだが...」
「自己紹介がまだでしたね!私、ここの宮司をしております。村上良経と申します。早速ですがこれをお渡しいたします。」
「これは?」
「これはあなたが探し求めていた対魔の剣になります。かつて、妖刀を封じた妖魔の剣の封印を解くために使用されたとされているものです。」
「これがあれば妖刀 夜桜の封印を解除できる...」
下社の方へと降りていく途中、どこからか微かな声が聞こえる。
その声のする方へと向かう。
そこには農夫が娘を庇って槍で背中から刺されていた。
「来るな...志津子」
血を吐き出しながら農夫は呟く。
「おっとう〜」娘は泣きわめきながらひたすらそう呼び続けた。
槍を持った男を見ると戦国時代のような甲冑を身体に着用していた。
兜を見るとそこには六文銭の家紋らしきものがあった。
「お前...何者だ?」
「わが名は東山 幸村。お主の名は何と申す?」
「教えなかったら?」
「この娘も斬り伏せる。」
「志波竝桜華だとしたら?」
「やはりそうか...恨みはないが貴殿の首討ち取らせてもらう。」
「どうやら避けることはできなさそうか...」
「降り続けろ!村雨」
突如として雨雲が現れる。
薄暗い曇り空が広がっていく。
妖刀村雨の能力
天候を雨に変え、無数の雨粒を数mm単位の斬撃に変える。
また、それは屋内屋外とはず村雨を使うものが調整できる。
東山を見たとき、もうひとつ刀があることに気づいた。
「どうやら、奴の妖刀はこれじゃなさそうだ...奴の本当の妖刀は...」
「靡け! 風魔」
無数に降り続ける雨を斬り続ける。
その雨は無数の斬撃を放っていた。
斬撃から逃げながら、屋内へと走る。
それにつられながら東山も屋内へと向かっていた。
「たぎれ! 村正」
東山はもうひとつの刀を抜きこうつぶやいた。
「久しぶりの戦じゃ!楽しませてくれよ。若き妖刀使いよ。」
「二刀流かよ...屋内は広くない。仮に逃げ回っても追いつかれる。かといって屋外に出れば、村雨の餌食になる。」
桜華は部屋の隅々まで目を凝らして見つめた。
「ちぃ、目眩まし程度のものはねぇのか」
「観念したか?」
屋外へ出てきて一言つぶやいた。
「いや、まだしきれねぇわ!」
東山の目に向けて左手に隠していた砂を投げた。
「小癪な...」
東山が怯んだタイミングを狙って妖刀を振りかざした。
「この程度でオレに勝てるとでも思ったか?」
刃を素手で受け止めた。
「やっぱり、受け止めると思っていたぜ。」
片方の手を離して回し蹴りを仕掛けた。
東山は刀を片手で受け止め、もう片方の手で蹴りを防いた。
一回立て直すために距離をおくが東山は距離をつめていく。
「ちぃ...防ぎやがった。わりぃ、鹿洲なるべく持たせるつもりだったがこれはきちぃぜ。」
「頼んだぜ!鹿洲!」
刀と刀がぶつかり合う。
相手のもうひとつの刀が肩を斬り裂いた。
「これで終いだ!若人よ!」
刃が斬りかかろうとしたとき...
どこからか声が聞こえた。
「マタセタナ!サクラヤロウ!」
「お前は弥助!」
「ココカラハオレガジカンヲカセイデヤル!オマエハソノアイダニニゲヤガレ!」
「狂エ!宗近!」
布状ものが刀の形へ変化した。
...数分前...
「鹿洲、お前に頼みがある!」
「どうしたんだ?桜華」
「妖刀夜桜を取ってきて欲しい。」
「どこにあるんだ?」
「それは...」
止めどなく二つの妖刀が桜華を襲いかかる中、鹿洲は夜桜が封印されている場所へと向かっていた。
...高遠城...
桜の木の下に墓がある。
そこの墓石にはこう刻まれていた。
志波竝家の墓と...
この地を戦から守りし荒武者が眠りし墓。
また、この地を荒らすもの災いを起こすもの現れし時に志波竝を継ぎしものがそれを防ぐであろう。
その墓の周辺を組まなく探すとそこに一つの押し込み石があった。
それを押し込むと地下へと続く道が開いた。
階段を下り地下へと続く道を進んでいくとそこには大きな木箱があった。
その木箱を開けるとそこには文と刀が置かれていた。
文を開いて目を通すとそこにはこう綴られていた。
「志波竝家当主へ
この文を読んでいる頃にはわしはもうこの世にいないだろう。近い未来、妖刀を持つ者たちによる殺し合いが起こる。その前に貴殿らの妖刀夜桜は何らかの手によって奪われそして、刀自体跡形もなく消えるだろう...
その時が来る前に対魔の剣をこの地に眠る妖刀にかざし、この地を守る御神刀を使ってくれることを願いこれを託す。
その妖刀の名を妖刀 夜桜 真打と名付けた。」
対魔の剣を夜桜にかざす。
対魔の剣が夜桜に吸収され、一つとなった。
「...これが妖刀 夜桜なのか?はやく、桜華の元へ向かわないとな」
刀を鞘に納め、抱きかかえたまま走り出した。
...大阪城...
「そう言えば、封印した妖刀どうしたんだよ!不死原」
「あぁ、あの妖刀は私の胃袋の中に流し込んだよ!...不味かったけどね!」
...諏訪大社...
桜華と弥助の二人がかりで東山の二刀流を相手するが一向に隙を見せない。
「ちぃ、中々しぶといぜ!」
「アイツホントウニニンゲンカ?」
「座興はこれにて終わりにしよう!さらばだ!若人!」
無数の雨粒たちがこちらへ向かって襲いかかった。
「どうやら、やるしかねぇか。」
刀を鞘に納め、こうつぶやいた。
「華身一刀流 簡易結界術 八重桜」
桜華の周りにシャボン玉のような薄い大きな円型の結界が現れた。
その周りを囲むように桜の花びらが降り注いだ。
「その結界術...そうか! 奴か...あやつの結界術か!...どうりで見たことがあるわけだ。」
無数の雨粒がおさまりかけたタイミングで東山はこちらへと足を踏み出しながらこうつぶやいた。
「実に愉快だ!お前のその結界術!気に入った。そろそろ本気で行かせてもらうぞ!志波竝とやら」
無数の雨粒たちが襲いかかる。
何度も斬り裂いてもキリがないほど迫ってくる。
刀で防ぐ中、刀身に数mmずつかけていく。
東山が迫ってくる一瞬を見極め刀を振りかざした。
次の瞬間、刀身が砕け散った。
「マジかよ!?」
「これで終いじゃ!若人!」
「アブナイ!グハァ...」
志波竝と東山の間に入った男がいた。
背中から鮮やかな赤い鮮血が流れていく。
「弥助〜!!」
「勝テヨ!サクラヤロウ...」
桜華は下を向き顔を隠しながら弥助に呟いた。
「悪かったな...こんなことにお前を巻き込んで...だから今は安らかに眠っていてくれ!弥助...短い間だったがありがとうよ...」
どこからか足音が響き渡る。
「遅くなった!桜華!...桜華?」
弥助を抱きかかえて桜華はうつむきながらこうつぶやいた。
「気にするな...少し昔のことを思い出していただけだ!」
弥助を近くの木の下へと運び。
桜華は再び、東山が待つ場所へと戻って行った。
「第二戦といこうじゃねぇか?東山 幸村!!」
「いいだろう!そうこなくてはな!若人よ!」
次回 東山の攻撃に苦戦していた。桜華!
鹿洲が必死こいて探した妖刀が桜華に託される!
第十三話 「再び舞う桜」




