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妖刀 四重奏(カルテット)  作者: 幻魔 狂死郎
死海門鐘(しかいもんしょ)編
11/66

第十一話 名古屋聖域(コロニー)パート2

...名古屋聖域(コロニー)熱田区...

神社の境内に惨殺死体が積み上がっていた。

「遅かったか...この刀傷...おそらく妖刀だな、それも準一級業物の...」


「渡辺警部補、これを...」

「この刀にも指紋がついているのか?一度、被害者の所持品を回収し指紋がついているか洗い出せ。」


「承知いたしました。」

「それにしても、こういうときにかぎって俺の予感は100%以上的中するからな!このふざけた殺し合いというなの殺人事件はな!」


空を見あげながらこうつぶやいた。


「これは、とんでもない事が起きているかもしれん...」


冷たい風が吹き荒れる正午に差し掛かった頃だった。



...名古屋 中区...


「どうやら、俺たちが来る前から殺し合いしてたらしいぜ。剣!晃作!覚悟はいいな?」


ゼェゼェと息を切らしながら晃作が叫んだ!

「お前は化け物かぁぁ〜!!普通全力疾走で1週間近く彷徨って、迷ってばかりいたのに着いた瞬間から惨殺されたヤツ見てどうやら、俺たちが来る前からやり合ってたらしいぜ。じゃあ、ねえだろうが〜!!少しは休ませろ!クソ野郎!!」

「うるせぇよ!晃作」


「お前も少しは言えよ!剣!」


「おぉ〜、そんだけの元気があれば大丈夫そうだな!晃作!」


一瞬でシュンとした顔になり、こうつぶやいた。


「お陰でこっちは女子をナンパできなかったし可愛い子に声かけられなかったし本当、俺って...ツイてない...」


「ドンマイだな!晃作!」


「ざけんな!妖刀持ちでイケメンだからって調子こいてるやつなんかに言われたくねぇよ!クソ野郎!」


「言いやがったな!ナンバーズに認められねぇ奴がよ!」


いつもの如く、喧嘩をし始めた二人を見つめながら少し剣はほほ笑んだ。


街が揺れ始める。

周りを見渡してもただ揺れが強く、何が起きているか分からない。


「二人とも来るぞ!」


左右からタコの足を模したものが襲いかかってきた。


「どうやら、はめられたようだぜ!」

足音が聞こえる。


目を開けるとそこには60代くらいの老人が立っていた。

「あんたら、妖刀使いか?」


「しもうた、自己紹介がまだやったな。はじめましてやな〜!わての名は南部 時平(みなべときひら)言うねん!よろしゅうお願いしやす」



「あっ!こちらこそってなるか〜!」


「しゃあないな。じゃあ、一つワテと勝負しようや!そこのおかっぱ頭のガキ。」



「誰がガキじゃあ〜!仕方ねぇ...アンタを倒して、知ってる情報吐いてもらうか...」



「満ちろ!紅影」


「欺け!南雲」



手が震え始め、視界が霞んでいく。

思うように身体が動かなくなっていた。



妖刀 南雲の能力


それは使用者の息から出た二酸化炭素を蓄積しより高濃度の二酸化炭素を放出する。その際、半径5キロ圏内は二酸化炭素により汚染される。しかし、半径を自在に変えることが可能となる。



「ちぃ、奴の持ってる妖刀...何処かで見たことあると思ったら俺と同じ認識識別固有妖刀かよ。こりゃ、晃作も1割程度しか勝ち目がないぜ。」


認識識別固有妖刀(ナンバーズ)7


妖刀 死息千客(しそくせんかく) 南雲

初代炎閣が生み出した。認識識別固有妖刀の七本目の妖刀だ。

一度、距離を置いて刀を鞘に納めた。

「距離をおいて、影をアイツの元へ潜ませるしか手はないか...」

相手との距離を保ちつつ、影を相手の元へと潜ませた。

よし!あとは一瞬の隙を狙えば...


次の瞬間、時平に間合いをつめられた。


「もろたで!坊主」


首めがけて刃が首をかすった。

首から大量の血が流れ始めた。


「コイツ、マジだ...」

意識が遠のいていく。


手に力が入らない。

ここで俺は死ぬのか...


遠のく意識の中、一人の少女の声が響き渡る。


「剣!無事だった?」


「俺は大丈夫!でも晃作が...」


「私に任せて!」妖刀の刃先で自らの指を切り、こうつぶやいた。


「我が命約において願い奉る!この者に聖なる加護を授け給え!」


晃作を囲うように無数の精霊たちが晃作の体を治療し始めた。


「これは...無数の精霊か...」


「うん!この子たちは私の妖刀から生まれた精霊よ!」


「邪魔すんなら帰ってやお嬢ちゃん!」

隙を狙うように南雲を振りかざした瞬間、千代が攻撃をかわし刀を抜きこう叫んだ!


「打ち鳴らせ!黄金!」


相手の斬撃が止めどなく放たれる。



しかし、その斬撃は千代には届かなかった。



なぜなら妖刀 黄金は相手の攻撃を跳ね返す。



妖刀 黄金の能力


乱反射


相手のあらゆる攻撃を倍にして跳ね返す。



例えば、複数の斬撃を黄金の所持者に向けて放った場合、その所持者が相手に対して黄金を使えば最初に放った倍の斬撃が相手に放たれる。



「やるやん!お嬢ちゃん!」


煙幕で視界が悪くなっているなか、一瞬の隙を狙い、時平の首元に刃を突き立てた。

「参った!参った!やるやん。さすがにワテでも敵わんわ〜!ポイントはやる!」



「磐園千代! 90ポイント獲得!」


「で?どーするん?」


「とりあえず、長野に向かう!」



「なら、わてもついて行ってええ?」


「来るんならこい!俺は構わない」


「面白い子やな!剣!」



...名古屋駅周辺...


多くの軍服を身に着けた男たちが周りの一般人を近づけないように護っているなか、大佐に近づく軍服の男がいた。


「大佐!準備は整いましたよ!」


「分かった!その前に葉巻を吸わせてくれるか?」


「仰せのままに!た・い・さ!」


男はポケットからマッチを取り出し葉巻に火をつけた。その後、マッチの火を消し大佐に敬礼しその場から下がった。

大佐は空を睨みながらこうつぶやいた。

「いよいよだな!例の物は用意できているのか?」



「はい!例の妖刀は用意できているとの連絡をいただいております。」


「そうか!もうすぐ、こちらの思うようにことが運び始めたか!」

空を見上げながら、男は高らかにほほ笑んだ。



...長野聖域(コロニー)...


無数の屍の山の上に座る一人の男がいた。

その男の首には六文銭のようなネックレスを身に着けていた。


「やぁ!久しぶりだね。真田信繁...

いや、今はなんて呼んだほうがいいかい?」

「懐かしい声だと思ったらお前だったか!炎閣」

「どうだい?200年ぶりの現世は?」

「つまらぬ!こんなものか?今の武人(妖刀持ち)は?」

「これでも彼らも頑張っているんだ。君たちのような偉大なる存在に近づけるためにね!」

「あのお方はお目覚めになられたか?」

「いや、まださ!血が足りないみたいだからね!君にもお願いがあるんだけどいいかい!」


「そうじゃな!いいじゃろ?今のわしの名は東山(ひがしやま) 幸村(ゆきむら)とでも名乗っておこう。」


「獅子王 剣と初代炎閣の抹殺を頼めるかい?あとついでに志波波桜華も頼んだよ。あっ!そうそう、これを君に...」

二つの刀を差し出した。

「これは...」

「君の愛刀 村正と村雨さ!」

「これは懐かしいものを...ひとまず礼をいうとしようありがとう!二代目炎閣よ!」


「さて、始めるとしようか!村正と村雨!」


黒く濁った雨粒が降り出した昼下がりの午後。


鳥の鳴き声すらも掻き消すほどの豪雨が振り続ける。


きゅうりをかじりながら男はつぶやいた。「やっぱり、もうちょっと刺激のあるやつはいないのか?俺たちがいた時代のように俺をたぎらせてくれる存在はよ!」



...同日 長野...



「ようやく、到着したか!長野。」


「あぁ!さっさと対魔の剣を探して夜桜取り返して剣たちと合流するぞ!鹿洲」


「あぁ!言われなくても分かってるよ!桜華」


駅を後にし、徒歩で街を進み続ける。


桜華の命を狙うかつての武人、幸村!


桜華が追い込まれそうになった時、遂に夜桜の封印が解かれる。


次回 長野聖域(コロニー)








時平の年齢は20代です。

老けて見えているだけです。

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