表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨のち曇りそして晴れ  作者: 冬馬
第三話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
81/86

第三話ーー晴れーー46

 信号で止まると、康二が話しかけた。


 「大丈夫?疲れてない?」


 「全然大丈夫ですよ〜。まだ、そんなに走ってないじゃ無いですか。康二さん、気を使いすぎです」


 「そう?」


 康二は、希がそう言っても、まだ心配そうだった。希は笑顔で言った。


 「そうですよ。こう見えてあれから毎日乗っているんですからね」


 「うん、けど、疲れたらいつでも言ってね」


 「はい」


 受け取り方によっては、まるで子供扱いなのだが、希は康二の優しさが嬉しくて仕方が無かった。


 信号が変わり、康二が緩やかにスタートすると、希もその後に続いた。


 二人は順調に環七を降ると、康二が国道1号のルートを避けた理由の一つに差し掛かった。


 ここは、環七の上を、国道1号が交差している。ここで国道1号に入る為には、一度、国道1号の下を潜って、すぐに左折をし、登りながら大きなヘアピンカーブを回らなければならない、そしてその先には、信号も無く、一時停止してから国道1号に合流しなければならないのだ。

 康二は国道1号の交通量と希の事を考えると避けるべきと判断したのだ。


 形にもよるが、高速道路を含め合流というのは気を遣う。車の流れを読み、スムースに加速をし合流をしなければならないからだ。交通マナーとして合流車線は開けると言うものもあるが、全てのドライバーやライダーが、それを守っているとも限らないし、譲ってくれるとも限らない。要は、慣れではあるのだが、必要以上に注意をしなければならない。まだ、希の運転に不安がある康二が極力、こういった合流に気を使うのは当然だった。


 二人は国道1号を潜り、環七を直進した。東海道新幹線の高架を潜り、緩やかなカーブを抜けると第一京浜合流前の最後のオーバーパスが見えた。

 康二は、オーバーパスの手前で、右側車線に移った。それはオーバーパスの終わりに側道からの合流車線があるからだ。後ろを走っている希も康二の後を着いて右側車線に移った。

 合流車線を横目に見ながら、そのまま進むと信号で止まった。


 康二が希に声をかけた。


 「もう少しで、右折して第一京浜に入るよ。そしたら横浜まで真っ直ぐだから」


 「はい!」


 希は元気良く返事を返した。


 うん、全然大丈夫そうだな。何よりも楽しそうで良かった。


 康二は希の様子を見てそう思った。信号が変わり、緩やかにスタートすると、京浜急行「平和島駅」が見えてきた。この駅の高架を越えると国道15号、第一京浜との交差点だ。

 

 康二は、ウインカーを出し信号待ちで右折車線に止まると希に言った。


 「ここで右折したら、第一京浜。それで、横浜まで行くからね」


 「はい!」


 希が元気良く答えた。

 

 右折信号が付くと、康一と希は第一京浜に合流した。

 ここは、信号を避けるための第一京浜本線のオーバーパスがある。環七との交差点は、その高架を潜り側道に入る形だ。だが側道とは言っても片側3車線ある広い道路だ。

 環七を第一京浜を越えてそのまま真っ直ぐ行くと、物流倉庫が数多くあり、首都高湾岸線もある。その為、物流トラックが数多く走り、交通量も多い為に側道と言えど、片側3車線もあるのだろう。


 ちなみに、江戸時代の五街道の一つ、交通の要であった旧東海道は、多少内陸側にある国道1号よりも海に近い国道15号の方が近い。


 3車線ある側道の真ん中を康一は走った。少し、先に行くと羽田方面に向かう国道131号と分岐するからだ。希も、康一の後ろをしっかりと着いてきていた。

 分岐を超えて、しばらく走ると、オーバーパスの第一京浜本線と合流する。ここの合流は、側道がそのまま本線と繋がっており、信号もある事から、さほど気を遣う事もなかった。


 本線と合流してからしばらく走ると、右手に大きな要塞のような建物が見えてきた。


 何これ?


 希は、その建物を見て驚きの声を上げた。


 信号で止まると、希は早速康二に聞いた。


 「横の建物は何ですか?」


 「うん?あれは京浜急行の京急蒲田駅だよ。羽田空港に行く電車と、横浜の方に行く電車が階層で分かれてるんだ」


 康二が説明をしていると、赤い電車が駅に吸い込まれて行った。


 「ほんとだ!」


 希が感嘆の声を上げると、康二が説明を続けた。


 「あの高架の下って昔は踏切だったんだよ。だから、結構ここは車混んでた」


 「へえ」


 「ここは、ずいぶん変わったよ。ちなみに箱根駅伝のコースでもある」


 「あのお正月の?」


 「そう。そう。あ、信号変わるよ」


 二人が楽しく話しているうちに信号が変わり、康二と希はスタートした。


 本当に康二さん、色々知ってて面白いな。もっともっと、お話聞きたい。


 希はそう思った。


 信号をスタートして、ちょっと走ると、さっき康二が話した、京急羽田線の高架を潜った。


 面白いなぁ。


 希は、高架線を潜る時に、上を見上げて思った。そのままちょっと走ると、今度はアンダーパスに入った。ここは、上は環八が走っている。


 ここまで来たら、後少しで東京都から神奈川県との県境である多摩川にかかっている六郷橋だ。


 六郷橋を上ると、多摩川も河口に近いので幅広い。と言うよりも、ここは、多摩川が大きく湾曲しているので、河原が広いのだ。河原には野球場が見えた。

 右側を見ると、京浜急行の鉄橋とJRの鉄橋が見える。多摩川を越えると、そこは神奈川県の川崎だ。


 六郷橋を下ると、進行方向右側と左側では、多少雰囲気が違った。右側は、川崎駅があり、川崎の街の中心街で、左手側は数多くの大きな工場がある京浜工業地帯の埠頭へと繋がっている。夜になると、工場の夜景が綺麗だ。

次回の更新は22日となります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ