タウンハウス・応接室にて2 ジェスター家の隠された真実
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前作「ボーっとしている王太子殿下と婚約した侯爵令嬢は苦労する」も公開中です。
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是非ご覧ください。
「この前、この辺りには小さな士族が乱立し、小競り合いを繰り返したものを建国王と6侯爵が統一して建国したと教えてくれたの?」
私はうなずく。大きな戦はないが小競り合いを繰り返していた士族を統一して建国したのがこの王国だ。
「日ノ本はの?数百という武家が起こっては消えしながら150年もの間、血で血を洗う戦を続けた国ぞ?」
なにそれ、怖い。
「京の都というところに帝という方がおっての。日ノ本を治めておいでだが、それは神様のようなものでのう。実際の人の世を誰が治めるかと150年も争っておったのよ。それでの日ノ本を大きくいくつかの地方に分けると九州という地方がある。そこを統一したのが島津よ」
ボクデン様も軽食をつまみながら続ける。
「まぁ、わしはそのころに死んじまったんで、その先島津がどうなったかは知らん。じゃが、あ奴らは日ノ本に鳴り響いた戦闘集団よ。普段は気さくでおおらか。気のいい連中であったが、ひとたび戦とならば仲間のため、何より主君のために命を捨てることを厭わん。戦場で、本気で死を恐れぬ集団などと戦いたいと思うか?」
場が静まり返る。
「初代殿の残された書き物を見せてもろうたが、「島津義明」と署名がしてあったわ。あいにくどれほどのお方は分からぬが、書いてある内容から行けば間違いなく島津家ゆかりの方とお見受けした」
グラスのワインを空けながらボクデン様は続ける。
「王家は、他の侯爵家は恐れたんじゃろうなぁ、死をも恐れず戦う者を。いつか自分たちも殺されるかもと。自分たちの功績も奪われるやもとのう。ゆえに、名を奪い、武器を取り合げ、功績という名誉をなかったことにした。自分たちから遠ざけ辺境に追いやり、その隙に歴史を書き換えた。あの家は大したことないとのう」
「何故!何故初代様はそのような扱いを受け入れられたのか?」
歯を食いしばるようにおじい様が尋ねる。
「平和な世が欲しかったそうじゃ」
息をのんだ。
「血濡れの太刀を携えて戦場をかけること幾星霜。恥辱にまみれようと後の子のため」
「先ほどの書き物にそう記されておった。大した御仁じゃ。最後まで豪放磊落、細かいことは気づかぬふりをしながら平和な世を作ったのじゃ。たとえ、人に馬鹿にされようとものう」
空になったグラスにワインを注ぎながらボクデン様が言った。
「じゃが、それと今の話しはべつじゃ。勘違いするでないぞ」
穏やかに話していたボクデン様が視線鋭く全員を見る。
「私もそう思う」
お父様が続ける。目が赤くなっていた。
「国王陛下の思惑はフローリアを王家に迎えた形で人質にしつつ当家を取り込むこと。王妃いや、シーウェス侯爵の思惑は当家の排除だ」
「で、どうするつもりじゃ?」
おじい様が顎に手を当てながらお父様に尋ねる。
「フローリアの婚約破棄は絶対です。ついでに損害賠償でも請求して何も気づいてないふりでもしときましょう」
「それは無理じゃろ。国王陛下はボクデン殿に会っておる。当家が色々知ったことには気づいておろう」
「それでも建前は大事ですよ、父上」
お父様はニヤニヤしている。
「シーウェスの方は・・・。ある日、庭一面に盗賊の首が並んでるかも知れませんなぁ」
あっはっはっじゃないのです、お父様。いつの間に戦闘民族に鞍替えされたのですか。
「当家は帝国に近い地の利を生かして王都を超えるほどの経済力を持っております。騎士団はボクデン殿のおかげで王国と戦争しても負けぬほどに成長。ライアンが帝国の皇族と貴族学校で一緒になったおかげで太いパイプを作ることができた。これで王国と帝国に挟み撃ちに会う危険も少なくなったと言っていい」
お父様がとても悪そうな笑顔で告げる
「王国と戦争でもするかね?」
頭が痛い。
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