領地、王都の中間地点にて
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前作「ボーっとしている王太子殿下と婚約した侯爵令嬢は苦労する」も公開中です。
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是非ご覧ください。
王都へ向けて領地を出立して2週間が過ぎた。
つまり、最初に王都を出てから1か月が経ったことになる。
だから、私たちは戸惑っていた。
「・・・本当に馬鹿なんだな?」
王都から領地へ戻ったときは騎士を中心に馬を使ったため半月程度で移動できたが、今度は徒歩の兵士が中心のため王都まで1か月の移動を想定していた。
それでもかなりの行軍速度だ。
シーウェス、カーライルが王都から領地まで通常なら1週間程度。
王都からの追跡を気にしても2週間で領地に戻ると推測。
領地についてから軍を整えて動かす準備が完了するまで最速でも1か月はかかるだろうと思っていた。
つまり、王都を出てから最速の最速で1か月と1週間程度。
通常で1か月半はかかると考え、その前に王都まで抜けてしまいたいと考えての行軍速度。
しかし、最もばかばかしい事態となっている。
私たちの前に捕らえられたカーライル侯爵が縄に縛られて連れてこられた。
「君は一体何をやってるんだね?」
お父様の疑問は最もだ。
とっくに領地についているはずのカーライル侯爵がここにいるのだから。
「うるさいっ、辺境の田舎者が!」
「まぁ、いい。このまま王都へ連行しよう」
お父様は素敵な笑顔をカーライル侯爵に向けこう言った。
「もちろん、状況は全てお話しいただくがね?」
カーライル侯爵は青い顔で俯いた。
ばかばかしい事態とはいっても敵側の大物をとらえたことに違いはない。
その場で一度行軍を停止しし、その夜軍議を開いた。
カーライル侯爵からの話しを皆にお父様が話して聞かせる。
カーライル侯爵にお話しを伺ったところ(我が家流ですが)、カーライル侯爵は王妃達と一緒に一旦シーウェス侯爵領へ行ったそうな。
その後、自領へ戻り軍備を整え、北から南へ向かう我が軍を東西から挟み撃ちにするつもりだったらしい。
ところが我が軍の準備、行軍速度があまりに早かったため、自領へ移動するカーライル侯爵が捕らえることができたという。
なんでわざわざ回り道したのか。さっさと自領へ戻って軍備を整えるのを有せするべきだと思ったら顔に出ていたらしい。
「王妃が怖いからついてきてくれと言ったらしい」
お父様の呆れた顔。私は心底、奴らはアホなのだと思った。
「ということなのだが、ここでいくつか選択肢がある。一つ目は予定通り王都へ向かう。二つ目はこの場に残りシーウェス軍を待ち伏せする。三つめはカーライル領へ出向き鎮圧する」
「軍を分ける手もありますが?」
アルベルト騎士団長がお父様に問う。
「いや、そんなに多くの兵を連れてきているわけでもない。相手の数が分からないうちは軍を分けたくないな」
「そうですな。それでは予定通り王都へ向かうことを提案します」
「理由は?」
「軍を分けないのは各個撃破されることをおそれてのことだと思います。であればカーライルに向かうにしろ、シーウェスを待ち伏せするにしろ、挟み撃ちにあう危険度は変わりません。それは避けるべきでしょう。それに王都、王宮がどうなっているか確認しないうちは我らの動きを決めることができないと思います」
お父様とアルベルト騎士団長の会話に各部隊の責任者がうなずく。
「それでは決まりだな。カーライルを手土産に王都へ向かおう。シーウェスからの追撃を警戒するため今まで通り早めの進軍で。輜重隊は軍の真ん中に入れて移動する。明日の早朝から行軍を再開する」
お父様が見回すと全員がうなずいて応えた。
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また次のお話しでお会いしましょう。




