再び、王都へ
毎日21時更新を目指して頑張ってきたのですが・・・。
すみません、少々立て込んでます。
大変恐れ入りますが、気長にお待ちいただけると幸いです。
前作「ボーっとしている王太子殿下と婚約した侯爵令嬢は苦労する」は第2章まで公開中です。
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是非ご覧ください。
皆と協議した翌朝、結局国王陛下からの使者殿には王都及び王家の防衛部隊を送るとだけ告げた。
詳細な条件は使者殿と同行して直接お話しすることにした。
北の国境付近にある当領地と王都の間にシーウェス、カーライルがいる以上、使者殿一人を帰すのは危険と判断したからだ。
シーウェス、カーライルが自領にたどり着いたのはおそらく一週間ほど前と考えると領地防衛、出陣の準備までは最速でも1か月はかかる。
その前に出来るだけ迅速に王都まで護衛の軍を進めるべきだとお父様は判断した。
「私とフローリアがアルベルト騎士団長と騎士団の半分1,000と1万の兵士で王都へ向かう。3日後に出立する」
「私もですか?」
不思議に思ってお父様に尋ねた。
「フローリアは今回一番の被害者だからね。国王陛下とのお話し合いには立ち会いたいだろう?」
ニヤリと笑うお父様の笑顔は黒かった・・・。
「先代殿と跡取り殿は自領の防衛かね?それならわしも当主殿達に同行するとしよう」
「いえ、ボクデン殿には昨日お願いしたように1か月で兵士を鍛えていただきたい」
「ふむ?」
「王都と我が領地が敵により分断されるのは困るのですが、逆を言えば挟み撃ちに出来ると言うことですので」
「よかろう。挟み撃ちができる程度に足の速い兵に仕立てておこう」
「よろしくお願いします」
お父様の言葉にボクデン様が納得する。
「・・・しかし、じゃ。フローリアが心配じゃのう。やはりワシが同行してアルベルト騎士団長に兵を鍛えさせてはどうじゃ?」
・・・納得してなかった。
駄々をこねるボクデン様を家族総出で説得するのに3日間が必要だった。
最後はおばあ様とお母様から「そんなわがままを言う方は娘の祖父としてどうかしら?」と言われて引き下がった。
さすがは我が家の真の支配者。
それにしてもわずか3日間で出立できるのは日ごろから準備をしている当家ならではだろう。
お父様の出陣の掛け声とともに丸に十字の軍旗を掲げた軍勢が動き出す。
騎士、兵士の他に輜重隊3,000が続く。
一見多いように見えるが1万人以上の軍勢を途中略奪もせずに動かすにはそれなりの物資が必要だ。
食料はもちろん武器・防具・馬の替えに細かいところでは軍勢、王都、領地の3か所で情報をやり取りするための鳥などを運用する部隊も必要だ。
軍とはそれだけ維持、運用が大変なのだ。
実戦経験のしばらくないシーウェス、カーライルがどこまでできるのか?
油断はできないが負ける気もない。
今回は私も馬で移動だ。
武器防具を身に着け護身用の短剣と魔法用の杖を持参している。
「心配かい?」
お父様が私に声をかけてきた。
「心配ではないのですが、少し、迷いのようなものがありまして」
「迷い?」
「はい。今は国の存亡をかけた戦いになりましたが、もとはと言えば私の婚約破棄騒動が発端です」
「私の事情で皆を巻き込んでしまったと。私がもっと上手く立ち回ればこのようにならなかったのではと」
「他人の仕掛けてきた陰謀に心を痛める必要はない。わが軍の兵には・・・」
「兵には?」
「一人でも多く無事に帰れるように差配するのが我々の役目だ」
「・・・はい」
心の靄が消えたわけではない。
だが、私はそんなことで迷っていられる立場では、既になくなっていた。
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また次のお話しでお会いしましょう。




