シーウェス侯爵領にて 王妃side
なかなか更新できず、申し訳ない!
がんばって更新しますので、どうか忘れないでやってください。
前作「ボーっとしている王太子殿下と婚約した侯爵令嬢は苦労する」も公開中です。
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是非ご覧ください。
「なんですって!」
王妃である妹の声が部屋に響く。
ここは私の領地、シーウェス侯爵領の領主館領主執務室だ。
「最悪だな・・・」
愚かな妹が少人数での逃走が怖いという理由でカーライル侯爵の同道を願ったばかりに、カーライル侯爵はジェスター侯爵家に囚われたという。
とは言え、カーライル侯爵に同行していた近衛騎士とカーライル侯爵家の騎士数人がジェスター侯爵家の手を逃れて我が領までたどり着けたのは行幸だった。
「それで、敵の動きは?」
「はっ!我が主、カーライル侯爵を伴って王都へ向かっております」
「全軍でか?カーライル侯爵領はどうなっている?」
「全軍での移動です。軍を分けた様子はありませんでしたので、カーライル侯爵領ではいまだに状況はつかめていないと思います」
ふむ?これはチャンスだな。
愚かな妹のせいで王家乗っ取りは成功しなかったが、カーライル侯爵についている貴族と騎士、領地を私が手に入れてしまえば国乗っ取りなど容易いことではないか。
「分かった。それでは貴公は急ぎカーライル侯爵領へ向かいそのことを伝えてくれぬか?我々は団結してカーライル侯爵を取り戻さねばならん」
「おぉ、シーウェス侯爵様がお力をお貸しくださるのですか?」
「もちろんだ。我らは王国の伝統を守る同志だからな。カーライル侯爵が戻るまで一時的に指揮権をあずからせてもらうが、彼を取り戻し共に戦おうではないか!」
「かしこまりました!それでは我らは急ぎカーライル侯爵領へ向かいます」
「うむ、よろしく頼むぞ」
よしよし、近衛騎士だのなんだのいたところであの程度か。
私は部屋から出ていく騎士を見送る。
「いい加減黙れ」
未だにうるさく騒いでいる妹にそう告げるとようやく静かになった。
「アロンドは何をしている?」
このような状況になった元凶の事を尋ねる。
そもそもあのバカが準備も整わぬうちにジェスター侯爵令嬢との婚約破棄などと言い出したからこうなったのだ。
「例の男爵令嬢への手紙を書いてるわ」
「は?」
このような状況で手紙だと?
妹も妹だ。
ジェスター侯爵令嬢が気に入らんから例の男爵令嬢との仲を一時的に認めて後で婚約破棄、5大侯爵家のどこからか妃を迎えるなどと、そんな夢物語が叶うか、バカめ!
「いずれ別れさせると聞いたと思うのだがな?何故止めぬ?」
「あの子も混乱してるのよ。大変な時だからこそ心の支えが必要よ?それにお兄様の国盗りが成就すれば、あの子の相手が誰でも問題ないでしょ」
「・・・まぁよい。手紙の中身は必ず確認してこちらの情報が外部に漏れぬようにいたせよ」
「えぇ、もちろんよ!それより、私にも心の支えが必要なのだけれど?私のあの方はどこにいるの?」
・・・親子そろって愚か者だな。
例の男爵令嬢が自由でいられるわけがないであろうに。
まぁ、その程度の事すらわからぬ方が扱いやすくはあるのだがな。
私は期せずして手に入ったカーライルの指揮権をこれからの構想に追加して改めて戦略を練ることにした。
いずれにしてもジェスター侯爵軍を破らねば話は進まぬのだから。
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